天皇杯を含むと、公式戦で4連勝中のジェフ。
内容も改善されており良い流れで戦えているとは思うのですが、ここ3試合は大学生チームとの対戦、控え中心の金沢戦、そして相手の状態が悪かった岐阜戦と、対戦カードにも恵まれていると言えるでしょう。
その前に対戦した岡山もあまり状態は良くなかったように見えましたし、強いチーム相手でも良いサッカーが出来るかが問われる状況ではないでしょうか。
そんな中、今週末はフクアリで8位の山口と対戦することになります。
ただ、山口もリーグ戦では、ここ4試合勝星なし。
前節はプレーオフ圏内の岡山と対戦し、0-1で痛い敗戦を喫しています。
それでも岡山相手にチャンスも作れていましたし、決して悪い試合ではなかったと思います。
リーグ戦の合間に行われた天皇杯でも、初戦は東海大学熊本相手に4-0で勝利、2回戦もJ1福岡相手に2-2の末PK戦で勝利をあげています。
福岡戦は週の中日に行われたため、岡山戦は中3日で日程的な難しさもあったと思います。
一時は3位まで順位を上げていた山口ですが、現在は8位にまで順位を下げています。
それでもパスサッカーは一貫しており、J2の中でも異質な存在となっている印象です。
ジェフも4月23日に行われた試合では、山口に2-4で敗れています。
DFラインからもショートパスを繋ぎ、中盤の高い位置でボールホルダーが前を向く形を作るのが非常にうまく、さらにそこから縦に飛び出していく選手もいるため相手が混乱してしまう。
これを素早く実行し、狭いエリアでもテンポ良く攻撃を作って、打開することが出来る。
パスで崩す形を明確に持っているチームと言えると思います。
それに対して、J2の他チームも対策を取りつつあるのではないでしょうか。
山口はCBであっても必ず前を向いて縦パスを狙うため、まず縦のコースを潰しに行く。
そこでコースを切られると山口のDFは一瞬ためらうので、その間に他の選手が囲いボールを奪いに行く。
このプレスが効いてきて、山口の成績が若干下がりつつあるのかなとも思います。
山口は狭い状況でもサイドではなく縦に繋ごうとするため、プレスで囲いに行って選手が密集しても展開されるリスクは少ないということなのかもしれません。
あとは局面でプレスが勝つか、パスワークが勝つのかという勝負になってくるのではないでしょうか。
ジェフは守備が得意とは言えないエウトンと船山の2トップですので、まずプレスが機能するか。
前からのプレスに行けず、全体のラインがズルズルと下がって、中盤にスペースが出来てしまえば、山口の思う壺となるのではないでしょうか。
長谷部監督が就任してからの数戦はそのパターンで苦戦することが多かったので、現状でそこが改善できているのかが気になるところです。
あるいは無理にプレスには行かずに、ある程度リトリートして守るのか。
その状況でもバランスを維持して、山口のパスワークを止められるのかがポイントではないでしょうか。
どちらにせよ、ボールの奪い所とパスワークの封じ方を明確にすることが重要になってくると思います。
また、山口は中盤で奪ったところからの、ショートカウンターも得意なチーム。
もしかしたら後方からのビルドアップ以上に、ショートカウンターからの崩しの方が得点力は高いのかもしれません。
そのため、下手なボールの失い方は避けたいところだと思います。
しかし、中盤で奪われるのを恐れて、長いボールばかり蹴っていては相手のボール支配率が高まっていく。
相手がボールを支配すれば押し込まれる確率も上がってくるわけで、そこから崩される不安も出てくるでしょう。
どちらが主導権を握るのかが重要な試合となってくるのではないかと思いますから、ボールを保持するためビルドアップの質も求められるのではないでしょうか。
堅守速攻が多くなっているJ2ですから、山口はこれまでとは違う流れの試合となる可能性もあると思います。
お互いの好不調や力関係なども影響するでしょうが、それよりも山口対策をしつつ、自分たちの強みを出せるかが重要となってくるのかもしれません。
ジェフとすれば築きあげつつあるベースを維持しながら、応用力も求められる試合ということになるのではないでしょうか。
前回対戦時はいいようにパスを繋がれ、中盤で動き回る山口の選手たちに混乱し4失点を喫した試合でした。
特に中盤の守備の穴が目立ち守備時のバランスの悪さから、相手にのびのびとサッカーをやられてしまった印象があります。
あれだけ自由に攻撃を作れれば、楽しく感じるでしょう。
そこから監督が変わってサッカーも変化した中で、どれだけ山口の攻撃に対応できるのか。
そして、さらに自分たちの強みを打ち出すことが出来るのか。
そこが注目ではないでしょうか。
現在、ジェフと山口の勝点差は1。
この試合で勝てれば、確実に1つ順位を上げることが出来ます。
あまり順位や勝点などは考えず目の前の試合をこなしていくべき状況だとは思いますが、順位を上げることで自信や勢いをつけていきたいという思いもあるはずです。
そして、前回のびのびとサッカーをやられてしまった悔しさを、今回のリベンジで果たしたいところですね。