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ジェフ、富澤の契約満了を発表

 昨年途中からジェフでプレーしている、富澤の契約満了が発表になりました
 状況からすれば、あり得ることかなとは想定していました。
 ただ、富澤の穴を埋めるのは、簡単なことではないようにも思います。



 富澤は昨年7月に、横浜FMからレンタルで移籍。
 それまでのキム、大岩のCBコンビも決して悪くはなかったと思うのですが、ビルドアップやカバーリングなどを期待されての補強だったのでしょうか。
 加入直後いきなりスタメン起用されさすがに当初は連携面で苦労していましたが、その後はDFラインのリーダーとして活躍。


 今季からは完全移籍となって、ボランチ不足や近藤の加入などもあり中盤でプレー。
 離脱期間も長かったですが、出場した試合では大いに貢献していたと思います。
 安定した守備力と正確なロングフィードで、ボランチでもチームを引っ張る存在感を見せていました。
 強力で正確なミドルシュートもあり、今季は3ゴールを決めています。



 CBとしてもボランチとしても、貴重な戦力だったのではないでしょうか。
 ボランチに関しては、今季は絶対数が少ない上に、怪我人も多かった。
 特に守備的なボランチはアランダと富澤だけでしたから、大事な存在だったと思います。


 山本、長澤はパサータイプで守備力の高い選手ではなかったし、勇人もバランサーではあるもののサイズはなくボールを刈れるタイプではない。
 よく「アランダがいないと勝率が下がる・戦力が一気に落ちる」と言われていましたが、それも他に守備的なボランチがいなかったことが大きかったのだと思います。
 守備的なボランチが少なかったからこそ、一時はCB若狭をボランチに回さざるを得なかったのでしょう。



 また、昨年はCBのリーダーとして活躍。
 山口智や近藤などはスピード不足もあってか深く守ることが多かったのに対し、富澤は元々スピードもある選手だっただけに、積極的にラインを上げていたのが印象的でした。
 その分、裏のスペースが空いてしまう怖さもありましたが、チームの状況を改善するためにはリスクがあってもラインを押し上げることが重要だと思いますし、その点では2人以上に期待感を感じる姿勢を見せていました。


 それだけに開幕前は今季もCBとして計算しているのではないかと思ったのですが、チーム構成の問題もあってかボランチ専任となりました。
 結果的にアランダ不在時には遜色ないプレーを見せていたと思いますし、ボランチとしても活躍を見せてくれたと思います。
 CBとボランチ、2人の富澤が欲しいほどだったのではないでしょうか。



 また、CBとしてもボランチとしても左右に振る正確なロングフィードも富澤の魅力であり、今季のジェフはロングフィードを蹴ることが出来る選手が少なかっただけに目立っていたと思います。
 ジェフはおとなしい選手が多くリーダーシップを取れる選手が少ないために、自ら試合を動かそうという意思を感じるボールを蹴ることが出来る選手がいなかった。
 富澤は性格的にもリーダーシップのとれる選手だったと思いますし、全面に気持ちを出して戦ってくれる選手だったとも思います。


 今季は残念ながら長期間、離脱となってしまった。
 しかし、離脱の原因は昨年からの負傷箇所を手術したことによるものであり、そこが治れば来季はしっかり戦えるのではないかと期待していました。
 実際、リハビリを経たシーズン終盤はコンスタントにメンバー入りをしており、怪我の問題も解消されたのかなと思っていました。



 年俸も比較的高いことが予想されますので、そこも加味しての退団なのかもしれません。
 とはいえ、あまりにコスト削減ばかりを優先すると、チームの規模は縮小化の一途を辿ってしまいます。
 実際、今季もほぼ移籍金なしで補強したということでしたが、その分全体のスケールはダウンした印象です。


 予算が厳しい状況なのであれば仕方ないとも思いますが、あくまでも大事なのは予算内で賢く運営すること。
 何がなんでも「コストを下げれば良い…」という話の流れになりがちではありますが、しっかりと生産性を高めていくことが何よりも重要だと思います。
 個人的には例えサブの選手であっても大事な戦力であれば、その選手を確保することはとても重要なことだと思います。



 それでも富澤の場合は年齢や今季の稼働率・出場数などを考えれば仕方がない…と言いたいところではありますが、問題はボランチがいないということでしょう。
 もともと今季は1年間ボランチ不足で悩み続けていた上に、Football LABの計算によるとボランチとして2番目の出場数だった長澤と、3番目に出場していた富澤が抜けることになったわけですから大事です。
 特に守備的なボランチは2人しかいなかったわけで、アランダがフルシーズン戦えるのであればともかく、稼働率で言えば富澤と大差ないわけですから、アランダのバックアップというのは必要な戦力であったはずです。


 2人も主力ボランチが抜けたことを考えれば守備的なボランチと攻撃的なボランチを含む、計算できるボランチの補強が2,3人は必要となってくるのではないでしょうか。
 個人的には富澤よりも戦力になりきれなかった選手が他にいると思うのですが、大幅入れ替えで1年目の選手が多かったために、契約満了とはしづらい選手もいるのでしょうか。
 そうであれば、それこそ賢いお金の使い方とは言い難い状況になってしまいますが…。



 これまでのオフの動向をまとめると、噂レベルも含めると藤嶋、近藤、富澤、長澤、井出、オナイウが抜けて、山本海人、西野、清武が入ってくることになるわけですから現状だと劣勢ですね。
 もちろんこれから補強の話もあるでしょうし、最終的にどういった構成になるかが何よりも大事ではあります。
 しかし、この状況からどれだけ挽回できるかどうか。


 富澤に関しては万全の状況であれば、ボランチとしてもCBとしても十分戦える選手だと思います。
 J2のクラブに移籍すれば、チームをまとめ上げるリーダーとして期待できるのではないでしょうか。
 相手にすることになれば、とても嫌な存在となりそうですね。


 短い期間でしたが、ありがとうございました。
 富澤なら欲しがるチームも多いのではないかと思います。
 良いチームが見つかることを期待しております。