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DAZNとエスナイデル監督の初陣となった琉球戦

 プレシーズンマッチとしては、ずいぶんと早い時期にスタートしたニューイヤーカップ
 しかし、ジェフとしてはエスナイデル監督の初陣でもあり、大事な試合と言えると思います。
 加えて、記念すべきDAZN中継での初戦ということもあり、見どころやたくさんありましたね。


 DAZNに関しては、以前紹介したPS3の海外アプリを落としてみました。
 あまり大きな声で言えないですが、アメリカのアカウントだとダメでしたが、ドイツのアカウントだと落とせるようです。
 また、PS3ではアプリを見つかりましたが、PS4では発見できず。


 琉球戦はPCとPS3をつけながら試聴していたのですが、意外とPS3の方が止まることなく安定していました。
 ただ、どちらも若干の遅延があるようで、実況などには向かないですね。
 スマホでの中継などは若い子たちにも受けがいいだろうとF1などでも力を入れているのですが、実況には向かないとなるとそこは大きなジレンマになりそうです。


 画質に関してはそこまで酷くなかったものの、フレームレートが低いせいか若干目が疲れる印象があります。
 また動きが早い時などは、ぶれてしまいますね。
 ただ、背番号などが認識できれば、最低限許せるのかなとは思います。
 画質に関しては、ビジュアルが重要なF1やボールが小さく球速が速いテニスなどの方が悩ましい問題なのかもしれません。



 ジェフに関しては、まだ早い時期だからわからないところもあるとはいえ、何度か話しているように新チームのカラーというのは意外と早い段階から出ることが多いと思います。
 長谷部監督や関塚監督も序盤から色は出ていたと思いますし、細部はこれからだとしてもチームの大枠は見えてくる場合も多いのではないかと。
 F1などモータースポーツでも「ニューマシンのファーストインプレッションですべてがわかる」とすら言われることがありますし、新チームの第一印象というのは意外と重要なのではないかと思います。
■プレスの裏を突かれて前半で2失点
 ジェフは予想通り3-4-2-1でスタート。
 GKが岡本でDFラインは右から岡野、大久保、イ、WBは右に多々良、左に比嘉、ボランチは勇人と羽生で、シャドーに菅嶋と清武、1トップに吉田。
 起用方法としてはほぼ予想通りで、強いて言うと意外なのは多々良のWBでしょう。
 以前も話した通り、WBは層が厚くないので多々良をWBで起用したのではないでしょうか。


 
 ジェフの前線はプレス時には3トップ気味になりますが、リトリート時や攻撃時には2トップ気味になっていた時間も多かった印象です。
 ビルドアップに関しては3バックのチームらしく、ストッパーがスタートになることが多かったと思います。
 しかし、アタッキングサードへは長いボールが多く、琉球のコンパクトな4-4-2を崩せずにいました。


 11分、中盤での混戦状態から、勇人がミドルシュート
 しかし、大きく枠を逸れます。
 これが両チームにとって、ファーストシュートになりました。


 22分には、ジェフのチャンス。
 多々良が右サイド奥から一度戻したところを、勇人が長いボールをダイレクトで前線に供給。
 吉田が胸トラップして落とし、菅嶋が受けてシュートを放ちますが、GK今野の正面。



 しかし、テンポよくボールを回せていたのは琉球の方で、流れは相手が握っていたと思います。
 スコアが動いたのは28分。
 琉球が長いボールから左サイドを攻めて、バイタルエリアへ展開。
 羽生が遅れて潰しに行きますが相手ボールになり、左サイドで知念がタメてパスを受けた中央の富樫がシュートを放ちゴール。


 ジェフは立ち上りからプレスをかけていきましたが、ボールを奪いきるところまでは作れなかった。
 そのため序盤からプレスの裏を突かれるような形で、中盤の裏を取られるシーンが目立っていました。
 このシーンでも長いボールからの展開で羽生と勇人の戻りが遅れて、バイタルエリアを取られたところからやられています。
 序盤からファールが目立っていたのも、守備で遅れ気味に行く展開が多かったからではないかと思います。

 

 35分にも、琉球の攻撃。
 琉球が後方でボールを奪ったところから、縦パスを受けたFWがボールを受けて反転し、右サイドから裏へ供給。
 しかし、最後のクロスが合わず、GK岡本が対応。


 琉球は攻撃面もスムーズでした。
 ボールを奪ったら必ずFWがポストプレーの体勢を取り、そこへ素早く供給する。
 選手の距離感も良くトライアングルが素早く作れており、スムーズにパスワークの形が作れていたと思います。
 琉球のボール回しと連携が素晴らしかった分、ジェフのボール回しの課題が目立ってしまった印象です。



 45分には琉球が追加点。
 中盤から左サイドの裏を走らせるボールが出て、中央へつながれてしまいます。
 比嘉が一度はボールを奪ったものの相手に奪われ、相手を倒してPKを取られて失点。


 このシーンでもジェフがボールを奪われたところから、カウンターで左サイドの裏を取られてしまいました。
 中盤でプレスをかけにいったのですが奪いきれず、中央にフリーな選手を作ってしまい、そこから縦にパスを出されてしましました。
■1点を返すも1-3の敗戦
 ジェフは後半スタートと同時に、8人の選手交代枠をすべて使い切りました。
 岡野、イ、多々良、比嘉、勇人、羽生、清武、吉田を下げて、西野、乾、溝渕、阿部、アランダ、熊谷、高橋、船山を投入。
 船山が1トップ気味になり、高橋がシャドーで、熊谷がボランチに入りました。


 しかし、50分にはまさかの形で追加点。
 琉球が左サイドにボールを持ち込んだところで、ジェフがボールを奪い返しますが、相手のプレスに合い熊谷がGKに大きくバックパス。
 このボールが風にも乗り、バックパスなので手を使えない岡本は頭ではじき出そうとしますが、触りきれずにオウンゴール



 57分、琉球の決定機。
 右サイドのスローインから中盤の底で田辺にボールが渡ると、ここが完全にフリーになります。
 そこから左サイド前方にロングボールを出されて、左SB濱田が受けてシュートを放ちますが、バー直撃でゴールならず。


 その直後にも、琉球のチャンス。
 ジェフのパスを繋ごうとしたところを奪われて、素早く縦へ展開。
 才藤がシュートを放ちますが、枠を逸れます。



 メンバーを変えたジェフですが、後半の方が苦労していた印象です。
 様々な理由が考えられるでしょうが、前半は吉田、清武といった運動量豊富な選手が前線から守備をしていましたが、船山と高橋はそこまで守備に貢献できない。
 そこから後手に回ることが多く、相手が楽にパスを繋げるようになってしまった印象です。


 流れの良くなかったジェフですが、65分に一点を返します。
 右サイドでパスを繋いだところから、アランダが縦パスを送り船山が落として右サイドの溝渕へ。
 溝渕の上げたクロスは合わなかったものの、阿部、船山とつないで最後は菅嶋が押し込みます。


 溝渕はこの前のシーンでもスピードを見せていましたし、このシーンでも粘ってクロスを上げており、良いアピールが出来たのではないかと思います。
 菅嶋も前半に惜しいシーンがあっただけでなく、90分通して攻守に貢献していました。
 得点シーンはクロスが上がった時点で琉球の守備陣がボールウォッチャーになってしまいましたが、菅嶋にとっては頑張ったご褒美になったのではないでしょうか。



 まだ1枚しか選手を変えていなかった琉球は、この頃から運動量が落ちていった印象です。
 しかし、ジェフは追加点を奪えず、74分には琉球が3枚替え。
 ここから、琉球が盛り返してきます。


 76分には、琉球の攻撃。
 左サイドを攻め込み、ボールを奪い返すと、最後は田辺がミドルシュート
 鋭いシュートでしたが、ゴールの右を逸れます。



 81分には、ジェフの攻撃。
 アランダの縦パスから熊谷が反転して相手を一人かわし、ゴール前の菅嶋へスルーパス
 菅嶋が中央の船山にラストパスを出しますが、合わせきれず。


 その直後には、琉球の攻撃。
 アランダが後方で囲まれてボールを奪われ、田辺が持ち上がり福田へ。
 福田がシュートを放ちますが、GK岡本の正面。



 後半アディショナルタイム琉球の決定機。
 相手のロングボールを処理しようとした乾が、福田と富所に囲まれてボールを奪われると、冨所が持ち込んでシュート。
 GKと一対一になりましたが、岡本が片手でセーブして何とか失点を逃れます。
 試合はそのまま1-3で試合終了となりました。
■新チームの特徴と課題と 
 シュート数も琉球が10本、ジェフが4本ということで、ジェフからすると完敗といっていい試合ではないでしょうか。
 もちろん、現時点では結果を気にすることはないと思います。
 コンディションや連携もこれからで、キム監督体制で2年目となる"ホーム"琉球の方がチームとしての完成度は高かった印象です。


 とはいえ、ジェフもチーム作りの特徴は明確に出ていたと思います。
 この時期であっても、ただ試合をこなしていくだけでは意味がないでしょう。
 今日の試合をしっかりと分析して、ここからどう改善していくかが何よりも重要ですね。



 攻撃においては、練習でもサイドチェンジを重要視していたそうです。
 3バックにしてストッパーからボールが出る場面が多かったことからも、新チームではサイド攻撃が重要視されていくのでしょうか。
 ただ、サイドを使うにしても、相手の守備が厚いからと中央を逃げて、サイドばかりを攻めるような展開では攻略は難しいと思います。


 特にこの試合を見て感じたのは、後方では細かく繋ぐもののアタッキングサードへはロングボールが多かったこと。
 サイドチェンジにおいても、長いボールを意図的に使っていたように見えました。
 この長いボールが22分にあった勇人からのロングパスを吉田が落として菅嶋が狙うような、攻撃のアクセントになれば良いと思います。


 しかし、細かなパスワークでの攻略が出来ないからという理由で、サイドチェンジなども含めて長いボールで攻撃を作る…ということがメインになってしまうと、不安は大きくなってくると思います。
 外国人監督はロングボールが多くなりすぎる場合もありますから、気を付けなければいけないポイントの1つではないでしょうか。
 少なくとも琉球戦では長いボールが多すぎた印象がありますので、これからどこまでショートパスを使った形も構築できるかですね。



 守備においては、前からプレスに行こうという意思は感じましたが、プレスがはまりきらずに裏を取られることが多かった印象です。
 ただ、今の時期からプレスを諦め、リトリートに主眼を置いてチームを作っていては、重心が下がりすぎてしまう。
 前からのプレスではめきれる形が作れるかどうか、プレスを掻い潜られた時にどう対処するのか、プレスとリトリートの判断とバランスをどう取れるかなど、ここから決めていかなければいけないことはたくさんありますね。


 この試合では特にボールを奪われた直後に囲いに行って、奪いきれずに裏を取られていたシーンが多かった印象です。
 「ボールを奪われた直後に奪い返してカウンター」という狙いが欧州を中心にはやってはいますが、簡単ではないことだと思いますので、それを狙うのなら実際に作れるのかどうか。
 また、試合を通じてボランチの裏を取られるシーンが目立っていたと思いますが、基本的にはトップ下を置かない布陣なのでランチ前の相手ボランチをフリーにすることが多かったことも気になりました。
 相手ボランチを誰が見るのかも、はっきりしなければいけないところだと思います。



 基本的には3-4-2-1ということで、どうしても守備時に前3人がどう守るのかがポイントになりそうですね。
 ここに関しては、昨年のJ2でも札幌や松本、岡山などが最後まで悩んでいたところだと思います。
 シャドーが開いた5-4-1にしてしまうと前からプレスをかけにくいし、前3人が前方に残っていてはサイドが空いてしまうし。


 今日の試合でもサイドの守備が遅れて、ピンチになるシーンが多かったと思います。
 後半序盤も高橋が戻りに遅れて、アランダと溝渕だけで右サイドを対応することになっていた。
 シャドーの動きをどう明確にするのかが、当初のテーマとなるのかもしれません。


 この日の状況を見ると、シャドーの一角が残って2トップ気味になる時間帯も短くなかった。
 当初はプレスをかける側のシャドーが前に出る形なのかなとも思っていたのですが、後半はほぼ2トップだったように思います。
 船山のサイズの問題やビハインドの展開もあってのことかもしれませんが、前3人の関係性をどう作っていくかが気になるところですね。



 勝敗に関しては今から言っても仕方のないとは思いますが、相手は昨年J3中位のチーム。
 もちろん琉球も非常に良いサッカーをしていたとは思いますし、コンディションの違いも大きいとは思います。
 しかし、勝者のメンタリティを本当に大事にするのであれば、こういった試合でも勝ち負けを大事にすべきなのではないかとも思います。


 気持ちを大事にするチームを作るのであれば、こういった試合でも悔しがってしっかりと反省して次に活かすことが重要なのではないでしょうか。
 勝者のメンタリティを重要視すると話していただけに、試合後にエスナイデル監督が冷静だったのは少々意外な印象もありました。
 ともかく、札幌戦も直後に控えてしますし、着実な改善を期待したいところですね。