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ホーム開幕戦で因縁の山形と対戦

 開幕戦となったアウェイ町田戦を、1-0の勝利で終えたジェフ。
 明日はいよいよホーム開幕戦が行われます。


 当ブログでは毎週金曜日に試合の展望をアップしてきましたが、今年からは出来る限り対戦相手の前節内容をより詳しく取り上げていこうかなと思っています。
 昨年までも金曜日は対戦相手の話をすることが多かったとは思いますが、もう少し具体的に見ていこうということになります。
 時間に余裕がない時は難しい場合もあると思いますので、あくまでも「出来る限り」ということになりますが。



 ホーム開幕戦の対戦相手は、山形となりました。
 ジェフは山形に14年末のプレーオフで敗れている上、元ジェフの木山監督が指揮しているということで、因縁の深い相手と言えますね。
 ジェフにとっては、負けたくない相手ということになると思います。


 今年から木山監督が山形で指揮を執ることになりましたが、どういったチームになるのかわからないところがありました。
 というのも、水戸と愛媛ではチーム全体で守ってカウンターを主体とするチームでしたが、ジェフでは自身が「バルセロナ+アーセナル」とも言っていたようにパスサッカーを目指していたと思います。
 山形の規模は水戸・愛媛とジェフの中間くらいで、最終目標も愛媛よりは高いものとなってくると思うので、どういったチーム作りをしてくるのかがまずは注目でした。



 しかし、開幕戦となった京都戦でのサッカーは、愛媛のサッカーそのままでした。
 メンバーに関しても阪野、瀬沼、茂木、児玉と愛媛の主力選手が出場しただけに、まるでユニフォームの方が代わったかのような印象すら感じました。
 考えてみれば多くの選手愛媛から補強してきたわけですから、似通ったサッカーになるのも当然のことなのかもしれません。


 基本的には3-6-1で1トップ2シャドーがCB前に立ってパスコースを消しつつ、1トップの阪野のチェイシングが嵌まれば、2シャドーも前に出ていく。
 それに合わせてダブルボランチも相手ボランチにチェックをかけボールの行き場をなくし、そこから奪ってハーフカウンター。
 京都も3-6-1だったので、プレスをかけやすかったというところもあったのでしょう。



 一方の京都は1トップの大黒からのプレスがかからず、ボールを奪う位置が山形より低くなって、その分劣勢に立たされていた印象です。
 プレスで無理をしなくても大黒、エスクデロ、イ・ヨンジェ、闘莉王など、個の能力で打開できれば良かったのでしょう。
 しかし、開幕戦では個の持ち味を出し切れずに、苦労していたように思います。


 木山監督のチーム作りは水戸でも愛媛でも韓国人以外の外国人は使わず、とにかく真面目で運動量豊富な11人を起用し守備の穴を作らずカウンターで攻める戦い方であるということを再確認しました。
 そのほうが規律を整えやすいし、チームも作りやすいのでしょう。
 ただ、一方でもう一歩上を目指す時に外国人選手なしでやれるのかという疑問もあり、ジェフではそこにチャンレンジして失敗したと言えるのでしょう。
 もしかしたらジェフでの失敗も踏まえて、愛媛、山形では水戸の頃のように身の丈に合ったチーム作りに戻したという可能性もあるのでしょうか。



 もう1つの特徴は水戸時代には高崎、愛媛時代には瀬沼といった、フィジカルの強い強力な日本人CFがいることではないでしょうか。
 そこに愛媛時代には内田がクロスを供給し、山形では瀬川がその役回りを担うようです。
 京都戦での先制ゴールもカウンターで本田拓也からのパスを受けた左WB瀬川がクロスを上げ、瀬沼にヘディングで決めたところからでした。


 開幕戦では山形が前半のうちに1点リードし、57分にはPKで追加点。
 PKを与えたシーンでは闘莉王の足が完全に南の足にかかっており、2枚目のイエローカードが出てもおかしくないような状況でした。
 闘莉王のスピード面の問題は、京都の1つの悩みになるかもしれませんね。


 しかし、そこから試合は、京都が攻め込む時間も長くなっていきました。
 2点リードしたためか前半から飛ばし過ぎたのか、山形が前からプレスをかけられなくなり、5-4-1で後方で引く展開に。
 試合終盤には高卒ルーキーの岩崎のクロスを192cmのケヴィン・オリスが頭で叩き込み2-1としますが、試合はそのまま山形の勝利で終了となっています。



 山形は3バックで、前からプレスをかけていき、サイド攻撃がメイン…ということで、意外と今季のジェフと類似点が多いとも言えるのかもしれません。
 もちろんあそこまでのハイラインではないですが、特に前半はプレスの掛け合いになる可能性もあるのではないかと思います。
 また、町田戦前半にはなかった3バックへのプレスをどう掻い潜るのかも、ジェフにとっては重要なポイントとなるのではないでしょうか。


 山形はビルドアップもジェフとは異なり、中盤で奪ったらまず阪野への楔のパスを狙っていきます。
 ただ、そこから中央を打開するのではなく、最終的にはサイド攻撃に展開する場合が多い。
 これも愛媛時代から同じ流れですね。



 両チームが大きく異なるのは、プレスがかからなかった時の守り方ではないでしょうか。
 昨年の愛媛もそうでしたが、プレスがかけられない時は割り切ってシャドーがMFラインまで下がり、5-4-1でリトリートする形にシフトします。
 ジェフは町田戦でも追い込まれた時の1ボランチ脇やサイドの枚数不足をどう補っていくのかがはっきりしていませんでしたから、そこをどのように整理していくのかが気になるところです。


 山形戦は状況次第で引いて守る相手に、どう攻撃を作るのかも問われる試合になるかもしれません。
 これまで対戦した琉球、札幌、相模原、町田は、がっつりと引いて守るチームはいなかった。
 ここ1,2年はJ2でも引き籠るチームは少なくなっている印象もありますが、それでも守りを固めるチームにどう攻めるのかはいつか問題となってくるのでしょう。



 特に今季のジェフは、後方からサイドへ、そして裏へと、相手の密集を避けて攻撃の形を作ていることになります。
 それがボックスの外にスペースのあった町田相手には、見事にはまったことになります。
 しかし、5-4-1で後方に引かれれば裏や外にスペースを見つけるのは、難しくなるかもしれません。


 これに対して京都は192cmの長身FWを試合終盤に起用して、上からドスンとゴールを決めたことになります。
 ジェフのラリベイにも期待がかかりますが、そこまで空中戦に特化したタイプにも見えない。
 そうなってくると相手の中に入っていって攻撃を作るのか、それとも引いた相手を揺さぶってうまくスペースを作れるのか…。
 もちろん先制できればそういった悩みは出てこないかもしれませんが、毎試合先制できるとも限らないでしょうし、どうしてもそこも気になるところだと思います。



 先日説明したように、町田戦ではシステムのミスマッチをうまく付いて戦えたのではないかと思います。
 しかし、今回は3バック同士で大きく、ミスマッチが生まれにくい戦いになるでしょう。
 そうなればスペースも生まれにくいはずで、町田戦とはまた違った展開になる可能性もあると思います。


 町田戦が面白かったと感じる人が多いのも、スペースを使ってスピーディでダイナミックな展開が多かったからではないかと思います。
 しかし、ああいった展開が他の試合でもできるかどうかがまずは注目で、それが出来なければいくらハイラインでも停滞感が生まれるかもしれません。
 実際、相模原戦はそうなってしまった試合だったと思いますし、もしダイナミックな展開が出来なくなった時に、どう立ち回るのかも重要となってくるのかもしれませんね。


 ジェフは山形戦から名古屋、松本、湘南、京都と、上位候補と目されるチームとの対戦が続きます。
 山形がまだホームを使えない一方で、ジェフは町田も関東圏で山形、名古屋とホーム連戦が続きますから、山形戦は今後も見据えてしっかりと結果を残したい試合といえるのではないでしょうか。
 まだ開幕したばかりではありますが、大事な試合が続きますし、開幕戦の勢いを止めずに戦っていきたいですね。