昨日に続いてちばぎんカップ後の熊谷のコメントということになります。
「前半はリズム良くプレーできていたが、プレスはもう少し修正しなければいけない」とのこと。
やはり守備の部分が、もう1つだったと感じているようですね。
試合後にも話したように、ちばぎんカップでのジェフは前半から相手CBへのプレスに行ききれていない印象を受けました。
右CB中谷が空いてしまって、そこから縦にパスを出されて攻撃を作られていました。
結局、後半にはその中谷のフィードから、得点も生まれてしまったことになります。
ジェフは1トップですから、相手が4バックの場合に相手CBの1人はラリベイが見るとして、もう1人は誰が追うのか。
去年はインサイドに町田が入って相手CBまで追いかけることが多かったですが、この日は矢田と茶島のインサイドでそこまでアグレッシブに追っていなかった。
特にジェフの左サイドの為田と矢田は去年からアプローチが甘いところがあるので、対面になる右CB中谷が空きがちになっていたと思います。
熊谷は「誰が見るか曖昧になって江坂が浮いてしまった」と話しているので、若干視点は異なるのかもしれません。
ただ、結果的にはファーストディフェンスがハマらないことによって、江坂がフリーになってしまうことは一緒で、27分にはこんなシーンがありました。
このように右CB中谷を誰が見るのか、はっきりせずパスの出所が抑えきれないので、そこから後手後手になってパスを繋がれていった。
この場面では柏のボランチ1人がCB付近まで下がって3バックのようになっていますが、ボランチが下がっていない状況でも中谷は空いていた印象です。
実際、18分にも中谷から縦パスが出て、バイタルエリアで江坂がフリーな状況で反転して、伊東が右サイドで仕掛ける形を作られています。
CBの一方に対してインサイドが前に出ていくのか、それともウイングが見るのか。
昨年なら町田がその役割でしたが、茶島と矢田にそこまでの守備力を期待できるのか。
2人では無理だというのなら、町田をインサイドに戻すのか。
それともある程度、最終ラインでは相手にボールを持たせてもOKという考え方で行くのか。
それならば今のように全体が前掛かりになるやり方ではなく、よりバランスよくセットした状態で守れるようにならなければいけないでしょう。
インサイドも前に出過ぎずにパスコースを消して、スペースをコントロールする守り方が出来るようになっていかなければいけないと思いますが、それをやるには大きな路線変更が必要となってくるかもしれません。
欲を言えばこの場面では、熊谷はクリスティアーノへのコースを消すか、江坂をしっかりと見てほしかったところではないかと思います。
ただ、熊谷からすれば縦パスのコースも、江坂も見なければいけない状況だったため、結果的に中途半端になってしまったのかもしれません。
とはいえ、目の前の相手ボランチがスッと下がる動きに熊谷が釣られて前進してしまったため、バイタルエリアのケアが遅れたところもあったと思います。
中盤のバランス調整力というのは、こういった細かな動きやポジショニングで成立するものだと思います。
熊谷はこの日も局面での潰しでは効いていたところがあったと思うのですが、スペース管理などにおいてはそこまで秀でたタイプではないと思います。
それだけに1ボランチでは、守備面において厳しいところもあるのかなといった印象です。
ただ、基本的にはハイプレス・ハイラインでラインはなるべく維持…という方針なのであれば、ハイプレスをかけ続けて出所を抑え続けることが前提となると思います。
高いラインを維持するのであれば、後方からでも一発の縦パスで打開される可能性が高まるはずです。
そのため中谷のところは空けないことを基本とすべきだと思いますし、CBへのプレスを如何にしていくのかをはっきりさせないといけないと思います。
そう考えると、やはり昨年のようにインサイドが前に飛び出す形で、プレスに行くことになるのか。
インサイドにはハードワークを期待して、行けるところまで行ってどんどん選手を交代していく…という方法も考えられるのでしょうか。
現状のままだと「CBにまではプレスに行かないけれど、後ろも埋め切れない」という一番やってはいけない中途半端な状況になりかねないようにも思いますし、プレスに行くのか後方を埋めるのかを明確にしていかなければいけないのではないかと思います。