今年のちばぎんカップでは、新加入の増嶋がCBの一角としてスタメンフル出場を果たしました。
奇しくも近藤と増嶋の元柏コンビとなり、いきなり古巣の柏と対戦することになりましたね。
増嶋はベテランらしく、落ち着いたプレーを見せていたと思います。
昨シーズン途中からCBのレギュラーとしてプレーしていたキムのようなロングキックはなく、熊谷がCB付近まで降りて展開しなければいけない状況にはなっていました。
しかし、やはりキムは本職のCBではなく守備面で細かなミスが多かったですから、それに比べると増嶋のプレーは安定していたように思います。
この日のCBコンビは増嶋が前に出て行って相手を潰しに行き、近藤がカバーするという関係性でした。
増嶋が楔のパスを受けようと下がるクリスティアーノに付いていったり、状況によっては江坂を潰しに前へ出たり。
1ボランチ脇を埋めようと、DFラインから出ていく動きが多かった印象です。
ただ、22分には増嶋が相手についていった結果、インサイドの位置まで釣り出されてしまいました。
左サイドで繋がれて高木も前に出ていたため、最終ラインは近藤と真希の2バック状態に。
そこから縦にボールを繋がれて完全に抜け出され、江坂がGKロドリゲスも抜いてあわや失点…といった展開を作られています。
さらに後半アディショナルタイムにも、左サイドで高木とともに、小池と伊東を潰しに行っています。
しかし、相手を潰し切れず伊東に裏を走られて、ハモン・ロペスに合わせられて失点となってしまいました。
岡野が負傷退場して1人少ない難しい状況ではあったと思いますが、結果的に左サイドでの対応が甘かったように思います。
増嶋が前に出ていくとしてどこまで出ていくのか、前に出た時に完全に潰すか、遅らせることが出来るのか。
相手がJ2になれば潰せる回数も増えるかもしれませんが、周りとの連携も含めて課題も感じたところがある印象です。
1ボランチ脇を狙われた時に、CBが前に出て潰し切れるかどうかは重要なポイントだと思うので、増嶋が今後もレギュラーで戦うのであれば、注目の1人と言えるのではないでしょうか。
また、ちばぎんカップでも比較的高いラインで戦っていたとは思うジェフですが、昨年の一時期ほど極端なラインではなかったように感じました。
これが増嶋と近藤のベテランコンビだったからなのか。
または矢田と茶島のインサイドコンビではプレスに行けないから、あるいはロドリゲスではそこまで前に出れないから…といった人的な要因によるものなのか。
あるいは、昨年途中からプレスが効かなくなり、ラインを無理に上げていなかったので、そこから継続しているのか。
または町田の言うように「無理にプレスにはいかなかった」から、ラインも上げなかった…というような戦術的な意味合いか。
はたまた、柏はJ1チームでレベルも高く、スピードのある選手も多いので無理をしなかった…というような相手によるものなのか。
そのすべてかもしれないし一部なのかもしれませんが、今後ラインの設定をどうしていくのかは気になるところですね。
悪い方向に考えるとラインを下げることで中途半端になりかねないとも思いますが、良い方向に期待するのであればベテランCB2人を中心にバランスを取ってくれれば…とも思います。
ただ、ラインを深めに守ることになれば、その分中盤のスペースを如何に埋めるのかという話になってくるでしょう。
岡野もちばぎんカップで負傷交代しており、エベルトもキャンプ序盤に負傷したとのこと。
もともとCBは層が薄い印象もありましたから、増嶋と近藤のベテランコンビにかかるものは非常に大きくなりそうですね。
エベルトがいつ復帰できるのかも気になるところですが、まずはこの2人でスタートとなるのでしょうか。