小島が大宮戦で、貴重なゴールを上げました。
小島はこれまでの試合でも、局面でのボール捌きの上手さなどは見せていたと思います。
ただ、まだジェフにはフィットしきれておらず、ピッチ上での立ち位置を探している状況ではないかと思います。
どちらかと言えば小島は自分で仕事を見つけてこなすタイプではなく、組織の中で活きるタイプではないでしょうか。
前橋育英から鳴り物入りで浦和に入団したものの、なかなか芽の出なかった小島。
愛媛に移籍してようやくブレイクしたわけですが、昨年の愛媛は中盤後方で左右に繋いで小島が縦パスをズバッと出す形で活躍していました。
それだけハッキリした"型"があったからこそ、戦えていたのではないかと思います。
一方でジェフは個で打開できる選手を数多く配置し、自由にやらせているところが多い印象。
茶島、矢田、船山、為田など、エスナイデル監督が好むタイプは、自分で判断して打開できる選手が多いと思いますし、チームとしてもそういった選手たちで構成されているところがあると思います。
大宮戦での小島もダブルボランチで熊谷と組むことになりましたが、DAZNで解説を担当した安永氏も話していたように、熊谷との連携はもう1つはまりきれていなかった印象です。
昨年終盤にダブルボランチの一角に入った勇人は、1人でバランスを取って熊谷を押し出したり自分が出ていったりと、動きによって中盤をコントロールできる選手。
そのため1ボランチに慣れてしまった熊谷がパートナーでも、成立していたところがあったのではないかと思います。
ちなみに安永氏は16年途中から相模原を指揮していましたが、17年に順位を下げて退団となっています。
しかし、17年開幕前にジェフと対戦した時には、ガッツリとジェフ対策を施されて0-0の引き分け。
当時からジェフの弱点を突かれていた印象もあるだけに、何を言われても言い返しにくいところがありますね。
大宮戦でゴールを決めたとはいえ、小島の使い方が明確になったといった印象はあまり受けませんでした。
それでもここまで3試合でスタメン出場を果たし、5試合で途中出場となっています。
それだけエスナイデル監督は期待しているのでしょう。
エスナイデル監督はスペインでの経験が長いこともあって、単純に技術のある選手が好きなのかもしれませんね。
だから、昨年も熊谷や高橋を愛用していた。
そこから熊谷は1本立ちして、高橋はうまくいきませんでしたが、小島も技術力のある選手ということで評価しているのかなと思います。
大宮戦での得点シーンも、小島の見事なトラップで決まったゴールと言っていいでしょう。
サリーナスのクロスが相手DFに当たったことでコースがずれ、ニアを走っていた小島の残った足の方に入ってしまった。
この時に小島がうまく足を伸ばして、ボールをコントロールしゴールを決めた展開でした。
小島の前には相手DFもいましたが、結果的にこのトラップがフェイントになって抜き去る形となり、冷静に流し込みました。
狙ってあれをもう1回できるのかというとどうなのかなと思いますし、上手さだけでなくラッキーな部分もあったとは思います。
しかし、小島の足元の柔らかさが、感じられたシーンでもあったのではないでしょうか。
ただ、一方で守備などに関しては、課題も感じられたと思います。
競り合いでも苦戦する場面が目立っていましたし、ボランチ2人で中盤のスペースを潰し切れていない印象もありました。
システムが頻繁に変わる難しさもあるのでしょうが、連携も含めて課題は多いのではないでしょうか。
それでもテクニックやセンスはある選手だと思いますし、数少ないボランチ候補の1人でもあると思います。
一時ダブルボランチの位置に茶島が入っていたのも、他のボランチ候補が少ないからという理由もあったのではないでしょうか。
これから引いて守る時間帯が伸びて、ダブルボランチになることが増えるのであれば重要な選手となるかもしれませんし、熊谷との連携を深めて守備でも戦えるように頑張ってほしいですね。