愛媛戦でのジェフはバイタルエリアを空けて、神田にミドルシュートを放たれ失点しています。
相手の見事なシュートでしたし、この場面だけスペースが空いたのであればまだ仕方ないかとも思うのですが、この直前にもバイタルエリアから神田にミドルシュートを放たれています。
さすがに二連続で同じ選手に同じような形からピンチを作られては、失点もやむなしと思うべきではないかと思います。
失点シーズンを図にすると、大体こんな感じに。
火曜日にも話したように、まず左CB前野が左サイドにパスを出そうとしたところで、右SH清武が遅れて前野へチェックに行こうとしましたが、間に合わず。
左シャドーの河原がボールを受けに左サイドへ開いたため、矢田が遅れてついていきます。
そこから前の小池へ、パスを繋がれています。
河原、小池とパスを繋いでいる間に、前野がジェフのSBとCBの間を狙って飛び出してきました。
清武も遅れて対応しようとしますが、前野に対応するため熊谷も外に出ていってしまい、ボランチが2人とも外に引き出されてしまいました。
愛媛は小池、前野と左サイドで繋いで、河原にバックパス。
そして、河原が中央に繋ぐと、右シャドーの神田がバイタルエリアでフリーな状態に。
神田が余裕を持ってシュートを放ち、1点を返したことになります。
確かに神田のシュートは良かったですが、図で見ても分かるように、ジェフは非常にバランスの悪い状態だったことが見て取れます。
88分にも神田にバイタルエリアから、ミドルシュートを放たれています。
この場面ではジェフが得た右サイドでのスローインを相手に拾われたところから、中盤後方にいた神田に縦パスを出されています。
そのボールを低い位置でスローインを受けようとしたラリベイが触るも、愛媛に囲まれてボールを奪われてしまいます。
そこから有田が左前方にドリブルで持ち上がってキープ。
そこからパスを受けた神田がバイタルエリアで受けてシュートを放ち、GKロドリゲスがセーブしています。
失点にはなりませんでしたが、距離で言えばゴールが決まった場面よりも前でシュートを放っており、危険な場面だったと思います。
この場面では初めに中盤の低い位置で神田が受けたため、そこへ熊谷が潰しに行きましたが、間に合わず。
その後、ラリベイが触ったために、熊谷が戻る判断が遅れたように思います。
しかし、神田にアプローチに行ったからには、何とか熊谷が戻って神田に対応してほしかったところではないでしょうか。
どちらも結果的に、右サイドで繋がれてダブルボランチがサイドに釣り出され、ボランチエリアを空けてしまい、シュートを放たれています。
失点シーンでの河原への矢田のアプローチも甘かったですし、88分の熊谷の戻りも遅れてしまいました。
また、全体としての守備の在り方にも、課題があったのではないでしょうか。
ジェフはマンマークで潰しに行く意識の強いので、ボランチもどんどん人に付いて行ってしまう。
その状況で前からプレスに行ってコースを限定できていれば、熊谷が相手を刈るポイントもハッキリするため、人に強い熊谷の良さも出る。
しかし、疲れてくると選手個々がマークに付ききれなくなり少しずつプレスが遅れてくるわけですが、にもかかわらず中途半端に人ついて行ってしまうため、ポッカリとバイタルエリアなどが空いてしまうことが多いように思います。
熊谷もある程度の状態なら相手を潰せてしまうため、結果的に不用意に外に潰しにいってしまうところがある印象です。
そのため疲れなどで相手を潰し切れない状況になると、危険なエリアを空けてしまうことが多い。
そういった状況で戻るのを諦めてしまうことと、スペース管理の部分が今の熊谷の課題と言えるのではないでしょうか。
矢田も失点シーンでも見られたように、要所要所で守備の寄せが甘い。
また、攻撃センスも中盤後方では、あまり活きないことが多い印象です。
かといって純粋なサイドアタッカーといったイメージでもないため、ボランチでもSHでもなくインサイドで活きるタイプなのだろうと思います。
熊谷も矢田も守備面やバランス感覚では不安があるため、愛媛戦ではベテランの勇人がスタメンだったのではないでしょうか。
ただ、試合勘にも問題があったのか、前からのプレスがハマらなかったためか、バランスを管理しきれなかった印象があります。
イエローカードも受けていたし、パスミスも多く前半で変えられてしまいました。
こうなってくると熊谷を主軸に考えるとして、ダブルボランチのパートナーに悩むところですね。
小島と熊谷もダブルボランチだと連携がもう1つといった印象でしたし、小島は現在負傷中なのでしょう。
いっそ真希にしてはどうか…とも思うのですが、ボランチとしてのプレーは離れているだけに、いきなり使うには不安があるでしょうか。
ダブルボランチを試してこなかったこともあって、誰を使うにしても悩みがあるのかなと思います。
しかし、どの選手を起用するにしても、最低限の約束事は必要でしょう。
現状だとマンマークベースで選手個々の判断で戦っている印象がありますから、誰がどのようにスペースを埋めるのか、サイドにどのようにサポートするのかなどを整理していかなければいけないのではないでしょうか。