ホームフクアリで、甲府を相手に久々の勝利を遂げたジェフ。
チャンスの数で言えば同じくらいだったと思いますし、結果は紙一重のものだったと思います。
それでも選手たちはここ数戦より走れていましたし、何よりもズルズルと落ちていきそうなところで、連敗を止められたことが良かったですね。
試合後にも話したように、工藤が運動量豊富に動き回って、中盤中央でボールを触ってリズムを作ってくれたことが試合のポイントだったと思います。
しかし、工藤がこの調子を維持できるのかという疑問もありますし、相手も対策を打ってくるのではないかと思うので、この活躍がシーズン終盤まで続くとは思わない方が良いのではないかと私は思います。
工藤が好調なうちにチームとしての課題を解決し、成長を遂げられるかが何よりも重要ではないでしょうか。
また、ここ最近のジェフは、3バックの相手に強い印象があります。
実際、ここ最近の勝利試合を振り返ると、甲府、栃木、愛媛、熊本と全てが3バックのチームです。
システムだけではないと思いますが、試合内容で見ても相性が良いように感じます。
甲府戦でもそうだったように、3バックのチームは守備時にサイドがWBの1枚気味になることが多い。
シャドーが下がれば5-4-1にもなりますが、明確にシャドーが下がる形をとってしまうと前線が1枚になるため、前からのプレスがかけられなくなり、そこから押し込まれる問題が生じます。
そのためプレスをかける時には5-2-3で、かけられない時は5-4-1にシフトするチームが多いですが、結果的にシャドーが1人2役状態になり、プレスもかけられず戻ることも出来ない中途半端な状況になってしまうことがあります。
特にジェフはサイド攻撃がメインで、サイドから押し込むことでセットプレーを得たり、波状攻撃を仕掛けたり…というのが狙いでしょうから、サイドで数的優位を作れるかどうかがカギを握ってきます。
そのため、サイドを2枚で守りづらい3バック相手には、相性が良いところがあるのではないでしょうか。
3バックで守る場合は中央を厚くしやすいというメリットがあると思うのですが、ジェフは中央からの攻撃は捨て気味なので関係ないということにもなるのでしょう。
しかし、次に対戦する新潟は、4バックで戦うチーム。
ジェフは前回対戦時にも、1-2で敗れています。
4バック相手にどうやって押し込む形を作るのかが、見どころの1つとなっていくでしょうか。
ただ、新潟もここまで8勝5分12敗で、勝点29の17位と低迷。
ジェフも9勝4分12敗で勝点31の16位ですから大差ない成績ですから、どちらも苦戦していることになります。
特にここ7戦の新潟は1勝2分4敗と、勝点を伸ばせていません。
新潟の戦い方に関しては、前回対戦した時と大きく変わらず。
後方から1つ飛ばしたグラウンダーでのパスや斜めのパスを活用して、ボールを動かしてく展開が狙いだと思います。
ただ、そこからアタッキングサードでの仕掛けには持っていけず、攻撃面での変化がもう1つといった印象なのかもしれません。
実際、ここ7試合のうち3試合が無得点で、総得点数の28もJ2で7番目に少ない数値。
前節東京V戦では3-4で敗れたものの久々に大量得点を挙げていますが、すべてPKとプレースキックからのゴールでした。
後方からのパス回しから、いかにゴールに直結する形を作れるかが課題と言えるのではないでしょうか。
また、新潟はホームでの成績が、極めて悪いという課題もあります。
現在のところホームでは1勝4分7敗で、ホームでの勝利は3月25日の徳島戦以来。
ホームで1勝しかできていないチームは新潟と最下位の京都のみとなっており、現在のJ2でホーム最少勝利数となっています。
ジェフ戦も新潟のホームで行われるため、新潟が課題を克服できるのかがポイントとなるでしょう。
一方のジェフもアウェイでの成績が悪く2勝2分8敗の成績で、アウェイで2勝しかできていないチームはジェフ、熊本、栃木の3チームのみ。
こちらも現時点でのアウェイJ2最少勝利数となっています。
さらにジェフはJ2最多失点を継続していますので、得点力に悩む新潟にとってはチャンスかもしれません。
アウェイで弱く失点の多いジェフとホームで弱く得点力が課題の新潟と、鉾盾対決ということになるかもしれません。
逆に言えば両者にとって、課題を克服するキッカケを作れる可能性もあるのではないでしょうか。
また、連戦の最終日ということで、体調なども気になるところではあります。
お互いに選手層は厚いと思いますので総力戦となるかもしれませんし、メンバーの入れ替えなども考えられるかもしれませんね。
加えて、甲府戦は比較的涼しかったようですし気温や台風などの影響も、気になるところではないでしょうか。
ジェフとしては、引き続き工藤に注目というところではないかと思います。
工藤の好調が持続できるのか、厳しく警戒された時に、どうやって対応するのか。
甲府戦で久々の勝利をあげたとはいえ、それで油断することなく次の試合に臨んでほしいところではないかと思います。