福岡戦で見事、ハットトリックを達成した船山。
角度のないところからバー直撃のシュートを決めた2点目に関して、このように話しています。
船山貴之「2点目は一度、(斜め後方に出した)FKを止められ、次は通じないと思ったので速いボールを蹴ったら、入ってくれたので本当にたまたま」(Jリーグ公式サイト)
狙って決めたのかと思ったのですが、このコメントからすると偶然入ったということなのでしょうか。
それにしても、見事なゴールだったと思います。
意外と狙わずに決まった時の方が、ああいった凄いゴールになることが多い印象もありますね。
あの場面では一度ショートコーナーを使おうとしたものの、ゴール前での競り合いで笛を吹かれたことで狙いを変えたということで、審判に止められたことが逆に良かったということになるのかもしれません。
GK圍もゴール前の選手に合わせるボールを警戒して、少し前に出ていたのかなと思います。
1点目は近藤からのロングボールに反応した町田が、裏に飛び出してGK圍に倒され獲得したPKを船山が決めたもの。
コースは読まれていましたが、勢いで決めたシュートだったと思います。
船山は前節に続いて、PKをもらってゴールを決めたことになりますね。
そして、3点目は右サイドの茶島からグラウンダーの鋭いパスが出て、ダイレクトで船山が合わせたもの。
「ギリギリのところに出してきたが、あのボールではなければ入らなかった」と船山が話しているように、茶島が良いボールをゴール前に供給した場面でした。
船山もダイレクトで合わせなければ相手DFの戻りが間に合っていたかもしれませんし、うまく合わせて決めた場面だったと思います。
3点目の場面では味方選手がバックパスしたボールをダイレクトでGK圍が前線に蹴り込みますが、ボールが弱く精度も欠いて近藤が拾ったところからカウンターが生まれています。
先週、大野の話をした時にも述べましたが、山口戦でのGK藤嶋もロングフィードが短く、そこからジェフがチャンスを作った場面がありました。
ジェフは攻撃時にDFラインを積極的に押し上げるので、相手のクリアが短いとカウンターになりやすいという部分もあるのでしょうが、いずれにせよGK圍のキックミスから生まれたゴールだったと言えると思います。
さらに1点目の町田を倒したシーンでも、輪湖が町田の飛び出しに遅れて難しい状況ではありましたが、左サイドに流れていった場面だったので、あそこまで無理に町田へ当たりに行く必要はなかったと思います。
GK圍のミスが目立ってしまった試合とも言えるのではないでしょうか。
圍は巻や櫛野などを輩出した名門大津高校出身で、藤嶋とは高校・大学とライバルだったのですが、今季C大阪から福岡に移籍してようやくレギュラーポジションを獲得した選手です。
船山は好調を維持といった印象で、守備面でも貢献しつつ攻撃面でも決定的なプレーを毎試合のように魅せています。
福岡戦でもハットトリック以外でのチャンスはほとんどなかったですし、少ないチャンスを確実にゴールを決めていることになると思います。
課題だった決定力が改善し、今はチームにとって非常に助かる存在になっていると言えるのではないでしょうか。
エスナイデル監督は、好調な選手を積極的に起用する傾向がある印象です。
昨年夏頃には清武が、昨年終盤からは為田が、そして、現在は船山が調子を上げてチームを引っ張り、それぞれ多くの得点に絡んでいます。
一方で調子が悪い選手はスパッと外す傾向にもあり、結果的にその選手が調子を上げるキッカケを掴めないことが多い印象も受けます。
このままいけば、清武は来季ジェフにはいないということになるのでしょうか。
確かに今年の試合では動きが重そうに感じる部分もありましたが、一時は手を付けられないほどの活躍を見せていた印象があるだけに、勿体ない気もします。
夏に獲得した工藤も初めだけで今は出番がなくなっていますし、やはり2列目の選手が多すぎるという選手構成の問題も大きいように感じます。
今年の活躍からして船山が引き抜かれる可能性などもあるかもしれませんし、そうなれば清武や工藤などが残る可能性も出てくるのでしょうが、いずれにせよ現状ではポジションごとに選手層の厚さが大きく異なる印象があります。
来季に向けて、このあたりも大きな課題ということになるのではないでしょうか。
一方で今季の船山に関してはこれで17ゴールと得点王も見えつつある状況となってきましたので、行けるところまで行ってほしいところですね。