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継続か逆戻りか 5位横浜FCとの対戦

 福岡と3-3で引き分けたジェフは、今週末もホームフクアリ横浜FCと対戦。
 横浜FCは現在5位とPO圏内に付けていますが、先週は延期分もあり連戦をこなして1分2敗と足踏み。
 福岡と同様にここで踏ん張れるのか、大事な時期に入っているのかもしれません。


 今年の横浜FCは4バックでスタートしましたが、3-1-4-2のシステムに変更して調子を上げていった印象です。
 2トップはイバとレアンドロ・ドミンゲスが中心で、レアンドロ・ドミンゲスが自由に動き回り、守備時には若干下がって守るシステム。
 また、3バックにすることによって北爪のスピードを活かせるようになったことも、重要な変化だったと思います。



 しかし、9月8日の東京V戦の途中からは4バックに変更し、福岡戦でも同様のシステムで戦っています。
 攻撃時にはSBが上がって3-1-4-2気味になるものの、守備時にはレアンドロ・ドミンゲスが下がってトップ下のような位置取りをし、両シャドーが開いてSHのような位置取りになる。
 そして、両WBが最終ラインに下がる、4-2-3-1にも4-1-4-1にも近いシステムだったと思います。


 この変則的なシステムを可能にしたのが、元ジェフの田代ということになると思います。
 田代は昨年長崎で主力選手として活躍しJ1昇格に貢献しましたが、今年は出場機会がなく7月に横浜FCへレンタル移籍しています。
 横浜FCに移籍してからは3バックの中心でDFラインを統率していましたが、このシステムではアンカーに移動してプレーしていました。



 そして、前節水戸戦ではまた異なるシステムを試み、ヨン・ア・ピンを休ませて田代とペ・スンジンのCBコンビに。
 1トップにイバを2シャドーにレアンドロ・ドミンゲスとブルーノ・メネゲウを配置した、4-3-2-1に変更しています。
 2016年にC大阪した活躍したブルーノ・メネゲウは今年新潟に加入しましたが出番がなく、8月に横浜FCに加入してこれが移籍後初出場となりました。


 ブルーノ・メネゲウのコンディションは思ったよりも良さそうに感じ、トリプルボランチもそこまでの違和感はなかったように思います。
 3バック時にも守備時は5-3-2に近い形で中盤がスライドして守っていましたし、基本的な考えはそれに近いのではないでしょうか。
 ただ、1トップ2シャドーが前線で追い切れず、水戸に後方から縦パスを出されて苦戦していた印象です。



 結局、ブルーノ・メヌゲウを前半で諦め、前節福岡戦で活躍した齋藤功佑と7月に山形から加入した瀬沼を投入し、2人を左右SHに配置した4-4-2に変更。
 後半もチャンスを作り幻のゴールなどもありましたが、1-2で水戸に敗れています。
 ちなみにこの試合では元ジェフの武田が左ボランチでスタメン出場し、後半からは左SBに戻ってプレーしています。


 このようにさまざまなシステムを変更しているのは、連戦による疲労を考えてのことでもあるのでしょうが、怪我人が出ている影響もあるのではないでしょうか。
 ここまで活躍してきた北爪を筆頭に、野村や田所といった主力選手が水戸戦では不在となっていました。
 シーズン終盤に向けて、怪我人やコンディショニングがカギを握ることになるのかもしれません。



 ジェフは前節福岡戦で3-3の引き分けに終わったとはいえ、コンディションは上向きだと思いますし、一時期よりはチーム状態は良いと思います。
 ただ、少し気になったのは、福岡戦の後半頭から為田を起用したこと。
 為田の鋭い仕掛けから攻撃を作れた場面もありましたし、投入の効果もあったと思います。


 ただし、一方で結果的に福岡戦後半は、個人技での突破に頼ったチャンスメイクも増えてしまった印象です。
 個人技での突破も必要ではあると思いますが、そればかりに依存してしまえば、その時は良くてもチームとしての限界が見えてくると思います。
 実際、為田対策を取られた試合では苦戦する傾向もありますし、逆に守備の課題を突かれることも少なくない。



 福岡戦までの2試合は為田を外したこともあって、守備の課題も少なくなり、結果的に個人技に頼る傾向も薄まっていた印象でした。
 しかし、状態の良くなかった山口、岡山を相手にした試合ではそれでも戦えたものの、守備の堅い福岡相手では個人技に頼らなければチャンスは作れないということだったのか。
 そうなると攻撃を犠牲にして、守備を厚くしたというだけだったということにもなるのかもしれません。


 それではチームとして本当の意味で成長したとは言い難く、ただ攻守の配分を変えただけとも言えるのかもしれません。
 それだけに福岡戦を経て横浜FC戦でどういった選択をするのか、非常に気になるところだと思います。
 1つのやり方を選んでもすぐに諦めて、次のやり方に移ってしまうのがエスナイデル監督ですから、それによってまた逆戻りする可能性も否定はできないように思います。



 チーム全体としては好調なのでしょうが、それとチーム作りが順調なのかどうかはまた別の話だと思います。
 昇格やPO進出を考えることも大事ではあるのでしょうが、状況を冷静に考えれば来季以降のことを考えることも必要になってくるはずです。
 そうなればどれだけ確実な成長を感じられるのか、試合内容の部分も非常に大事な時期となってくるのではないでしょうか。


 横浜FC戦に関しては相手がどのような状態で、どのような戦い方をしてくるのかが、まずはポイントとなってくるのではないかと思います。
 システムや選手起用の変更も当然考えられると思いますし、ここにきて上位争いへのプレッシャーもあるのかもしれません。
 一方のジェフもシーズン終盤に向けて、どういった戦い方を選択するのか、気になるところではないかと思います。