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エスナイデル監督「決める時は決めるという覚悟を」

 岐阜戦後、エスナイデル監督はこのようなコメントを残しています

エスナイデル監督「バイタルエリアに入ったときの決定率を高く、決める時は決める、という覚悟を持ってプレーしてほしいと思いました。」

 茶島も「前半のチャンスを決めきれなかった」、「先に点を取っていれば失点を避けることもできたかもしれない」と話しており、チャンスを決めきれなかったことが敗因という話になったのでしょうか。



 ただ、決して決定的なチャンスの多い試合ではなかったと思います。
 13分の茶島のシュートも角度はなくコースを消されていたので、簡単に決められるような状況でもなかったはずです。
 67分にも茶島が仕掛けて船山がシュートを狙っていますが、船山にはマークがついていましたしシュートを打てるタイミングもコースも限られていたと思います。


 対して岐阜のゴールシーンは、2つともフリーな状態でシュートまで持ち込めていたので、確実な決定機だったと言えるでしょう。
 茶島は「微妙な判定もあった」と話しており、二度あった"PK疑惑"のシーンに関して言っているのでしょうが、どちらも審判が笛を吹かなくても不思議ではないプレーだったと思います。
 何より両プレー共にジェフが崩して生まれた場面ではなかったわけで、あれを強く指摘するのはちょっと恥ずかしい気がします。



 岐阜は非常にシンプルな守備をしてきた印象です。

 プレスに関しては、図のように1トップがジェフCBの片方を追い、SBにボールを追いやる。
 SBにボールが入ったら1トップはCBへ戻すコースを消し、トップ下はアンカーへのコースを潰す。
 さらにボールを持ったSBにはウイングがプレスにいって、自由にボールを蹴らせないようにする。


 これによってジェフのSBに苦し紛れのボールを蹴らせて、後方でボールを処理するというのが狙いだったと思います。
 岐阜は後方の守備力に若干の不安があったので、危なっかしい印象も受けましたが、それでも十分にやれていたと思います。
 また、為田がボールを持った時には必ずサイドの二人で対応して、簡単には飛び込まずに追い込むという守備をしていました。



 また、岐阜の1トップがCBを追い越して、GK大野にプレスをかけてくる場面もありました。
 この場合では岐阜のトップ下がCBにプレスにいってコースを消し、アンカーにはボランチが前に出て対応していたように思います。
 このあたりのプレスのかけ方を見ても、しっかりとジェフを研究して対応していたように感じます。


 やはりジェフ対策としては、4バックの方が守りやすいように思います。
 ジェフはサイド攻撃がメインとなっているため、相手としてはサイドに人数をかけて守りたいのだけど、3バックでシンプルにサイドに人数を増やすと5-4-1になってしまう。
 そうなるとどうしても前から追い切れずに押し込まれやすいので、4バックにして初めからサイドを2枚にして守った方がバランスよく守れるのではないでしょうか。



 対するジェフとしては相手の1トップがジェフの2CBとGKを追う形になっていたわけですから、そこで素早くボールを回してフリーな選手を作り、ビルドアップを開始したいところだったのではないでしょうか。
 しかし、この試合でも後方のパスワークの質に課題を感じ、相手の思惑通りプレスにハマっていったように思います。
 さらにボールをサイドに押し込まれたところから為田に供給しても、窮屈な状況でダブルマークにあって打開できなかったという印象の試合でした。


 また、この試合では船山を1トップにしたため、シンプルなクロスではゴールを期待しにくい状況となっていたように思います。
 13分の場面のようにカウンター気味に素早く攻め込めば船山の良さも出せるのでしょうが、そういった攻撃の回数は少なかった。
 船山が1トップでも左右のSHが強引に仕掛けてクロスという攻撃パターンが多かった印象で、どういった狙いで船山を1トップに起用したのでしょう。



 ラリベイも年齢からくる衰えがあるのか、現在は動きがもう1つですので、スタメンは厳しいという判断だったのかもしれません。
 さらに指宿もメンバー外だったので、何らかの問題を抱えていたということでしょうか。
 しかし、前々節大分戦でも一時的に船山の1トップにシフトしていますし、意図的にやっているのではないかとも思います。


 となれば、この終盤に来てまた新たな形にシフトしようとしているということなのか。
 テストをすることに関しては一概に悪いこととも言えないでしょうが、エスナイデル監督の場合は選手の配置は変えても、細部までは落とし込まずに選手任せになっている印象です。
 そのため、どうしても配置を変えた当初は、手探り感が否めないように感じますね。



 なお、岐阜のホームで無失点試合は、6月2日の水戸戦以来だったそうです。
 アウェイでは前々節松本戦でのスコアレスドローと6月10日の讃岐戦で無失点を記録していますが、いずれにせよ失点の多い状況だったのは間違いないようです。
 岐阜の状態も良くなってきているのかもしれませんが、そういった相手に点の取れなかったジェフの攻撃面にも課題を感じた試合だったのではないでしょうか。


 岐阜もジェフを研究してきたとは思うのですが、やっていることに関しては極めてシンプルだったと思います。
 決まった守り方を丁寧に実行しただけという印象で特別な守り方をしていたわけではないと思うのですが、ジェフにとってはそれだけでも苦戦する要因となってしまう。
 逆に考えるとジェフは全体的に"雑"な戦い方をしている印象を受け、攻守において丁寧に穴なく戦う相手に苦戦する傾向がるような気がします。