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指宿「前半はそれほどいい内容ではなかった」

 京都戦後、指宿は「前半はそれほどいい内容ではなかった」と話しています
 エスナイデル監督も、「試合の入りはボールをうまく扱えない時間もあったが、先制点を奪ったことで落ち着いた」と話しています。
 先制点を奪ったのは35分と前半も終盤に差し掛かる時間帯ですから、試合の感想でも書いたようにそこまでの時間は決して良い流れではなかったと思います。


 では、なぜ流れが悪かったのかと考えると、昨日も話した通りビルドアップがうまくいっていなかったことが1つの要因ではないでしょうか。
 それによって、相手が攻撃をする機会が増えて、ジェフが押し込まれる時間も長くなってしまった。
 エスナイデル監督も「ボールをうまく扱えない時間もあった」と話していますが、それによって自分たちの時間を作れなかったことが大きかったように思います。



 さらに、相手CBやGKからの長いボールにも、苦戦していたように思います。
 前々節徳島戦では優也も試合後に話していたように、徳島がロングボールを蹴ってこなかった。
 後方の選手が長いボールを蹴ってこないため、後方へは無理にプレスにいかない現在の守り方でも戦いやすいところがあったはずです。


 しかし、京都は前線に高さのある闘莉王がいるし、岩崎や小屋松などスピードがあって裏を狙える選手もいる。
 そのため長いボール一本でも攻撃が作れるチームなので、長いボールの出所でもある後方の選手へもプレスに行ければいけない。
 しかも、染谷などは足技もある選手で、ビルドアップの起点になっていたと思います。



 試合序盤はその染谷などにプレスに行かなかったため、そこから相手に攻撃を作られて相手のリズムになっていた印象です。
 さらに岩崎のスピードなどにも苦戦し、ラインが凸凹になりがちで、最終ラインも下がってしまった。
 それによって中盤にスペースが出来て、ますます京都の方が戦い易い展開になっていったのではないかと思います。


 そのためジェフは前半途中から、前へとプレスに行く回数が増えていったように思います。
 決して極端なハイプレスハイラインではなかったとはいえ、前からプレスに行けば最終ラインも押し上げざるを得ない。
 これによって、以前の戦い方にまた少し戻ったようにも感じました。



 もちろん、プレスとリトリートをうまく使い分けつつ、バランスを取れればベストではあるのでしょう。
 しかし、一方で引いて守る"だけ"でもダメであるということが、わかった試合でもあったように思います。
 そう考えるとこの戦い方もまだまだ改善しなければいけない点が多いでしょうし、逆にライバルチームも研究すれば穴を見つけられる可能性が十分あるのではないかと思います。


 ここ2試合2連勝という結果は出ていますが、この戦い方は熟成の初期段階であると言えるのではないでしょうか。
 それは伸び代があるという可能性を秘めていることにもなりますが、一方で2年目の終盤に来てその段階にいるということのほうが大きな問題ではないかと思います。
 さらにエルナイデル監督が本来やりたいサッカーがよりアグレッシブなスタイルであることは間違いないでしょうし、我慢も強いられる現在の戦い方を継続して実行できるのかというと大きな疑問も残るように思います。


 試合には勝っているので、今の戦い方にも可能性はあると思います。
 しかし、ハイプレスハイラインが本来やりたいサッカーであるのなら、そのサッカーとは異なる戦い方で成績を伸ばしているということは、逆に大きなジレンマを生んでいるように思わなくもありません。
 現状のチーム状況だけでなく、実際にやれるサッカーとやりたいサッカー、チームの方向性なども含めて、総合的にクラブのことを考えて未来を決めていかなければいけませんね。