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U字に持ち込むジェフと外へ追いやる栃木の守備

 今シーズンも終了してしまったわけですが、ジェフの来季に向けての発表も随分とのんびりしていますし、今週は栃木戦を振り返り来週から今季のまとめに入っていきたいと思います。
 最終節では栃木の守備を前に、攻撃面においてなす術がない展開となってしまった印象です。
 

 栃木は組織的な守備で、ジェフのサイド攻撃を中心に対応してきた印象でした。
 サイドを封じられると手も足も出なくなる…という傾向は、第39節に0-2で敗れた岐阜戦などでも見られたものだと思います。
 今季はその他の試合でも特に左サイドを警戒されると、攻撃が手詰まりになる印象がありました。



 栃木の守備を図にすると、このような感じに。

 基本的には5-4-1でシャドーがジェフのSBを見て、WBがジェフのSHを見る。
 そして、ジェフのインサイドが外に出てきたらボランチがしっかりとついていくことによって、サイドで数的不利を作らせない守り方をしていました。



 また、ジェフが後方でパスを繋いでいる時には、シャドーが前に出てきてプレスをかけてきました。

 この時にはジェフのCBにシャドーがチェイスに来て、ジェフのSBにはWBがつめていく。
 そして、ジェフのSHにボールが渡ればCBが外に出て対応するという形で、ジェフはこのプレスにも苦労していた印象です。


 栃木からすれば、ボランチやCBが外に出ていくわけで、中央が薄くなる危険性もあったと思います。
 しかし、試合後にも話したように、ジェフは中央の攻撃がないだけに、中央の選手が外に出ていくリスクは少なかったのかもしれません。
 ジェフからすれば結果的に中央の選手を外に釣り出しているわけですから、うまく揺さぶってそこを使いたいところだったと思うのですが、そのまま外を強引に縦に仕掛けてばかりで、相手の狙い通り窮屈な攻撃が続いた試合だったように思います。



 昨年からそうですが、ジェフは最終ラインとサイドで、U字にボールを持ち込んでいます。
 U字のエリアは相手の警戒も薄いため持ち込みやすく、ボールをロストしても危険性が少ないということで、狙ってやっているのでしょう。
 選手の動きを見てもボランチがDFラインに下がったり、インサイドがサイドに流れたりと、U字に集まっていることになります。


 ただし、いくらU字にボールをなぞったところで、その先にゴールはありません。
 だから、本来ならそこからどう中央を覗くのか、U字でもいかに内よりを取っていくのかが重要になってくるはずです。
 そのため、相手を外に開かせておいて中央に縦パスを送ったり、左右に素早く揺さぶったりといった展開が求められると思うのですが、ジェフはそこが出来ていないということになるのではないでしょうか。



 逆に栃木はジェフがU字に持ち込んでいくだけならゴールには遠いわけですから、ある程度は持たせても構わないということだったのでしょう。
 しかし、ただ持たせるだけではなく、大外にボールを追いやる守備をすることで、ジェフが窮屈になる状況を作り出していたように思います。
 特に5バックは横に幅を取ることで、ジェフの攻撃のポイントとなるSHをタッチライン際に追いやるポジション取りをしてきた印象です。



 中から外へとプレスに出て行くことで、ジェフのボールを外へと追いやる守備…。
 これはシステムは違いますが、岐阜も似たような守備だったと思います。

 岐阜戦時に作った図ですが、やっていることは栃木とも近い印象です。


 ジェフは基本的に中への展開がなくU字に持ち込んでいくだけに、外へと追いやるプレスの術中にはまりやすい。
 それによって攻撃面でなす術なく、苦戦した試合だったと思います。
 それが岐阜戦・栃木戦と本来は違うスタイルのチームを相手に起きたわけですから、これはもう偶然ではなくチームとしての力不足によって起こった問題ではないかと思います。