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近藤「期待が本当に大きかった今シーズンでした」

 今週から今シーズンの総括をしていかなければいけないと思っているのですが、そもそもとして今シーズンとは何だったのか。
 ジェフにとってどういった立ち位置のシーズンで、何を求め、何を期待したのかをハッキリすることが、まずは重要なのではないでしょうか。
 先日、近藤がTwitterで「期待が本当に大きかった今シーズンでしたが、こんなにも苦しい一年になるとは思いもよりませんでした」とつぶやいています


 キャプテンとしてスタートした年でしたので、色々と思うところもあったシーズンなのかもしれません。
 ただ、「期待が本当に大きかった今シーズン」という発言には、若干意外な印象も受けました。
 これが本音なのかどうかはわかりませんが、近藤のその他のつぶやきから考えると、基本的には素直な感想なのではないかと思います。



 しかし、そもそも今季のジェフは、多くの期待できるシーズンだったのでしょうか。
 果たして近藤は今季のチームのどこに、大きな期待を抱いていたのか。
 私は昨年終盤の7連勝中の戦い方に関して、これはハイプレス・ハイラインがうまくいかず、引いて守るサッカーに変更せざるを得なくなった、いわば"妥協の産物"によって生まれた成果ではないのかという話をしました。


 そのため、昨年のスタート時から長らく問題を抱えていたハイプレス・ハイラインの課題を克服し、チームが進化・成長を遂げた結果ではない。
 そして、エスナイデル監督自身は本来ハイプレス・ハイラインをやりたい監督である可能性が高いわけで、ハイプレス・ハイラインに戻せばまた失敗する恐れは十分にあるだろう。
 そのようにブログでも話していました。



 以下は、7連勝中の初めの3試合後に、ブログに書いた内容です。

もし妥協の産物なのであれば短期的には良くても長期的な話になるとチーム内に無理が生じる可能性も出てくるのではないでしょうか。
現状だと「やはり極端なハイプレス・ハイラインには無理があった」という流れになりつつある状況だと思うのですが、もし現状のサッカーが妥協案であり監督継続となれば来年は再びハイプレス・ハイラインにチャレンジするかもしれない。
そうなった時に、同じ失敗を繰り返す恐れもあるかもしれません。

 念のため昨年後半の経緯を振り返っていくと、8月中旬から9月末までの8試合で1勝しかできずに低迷。
 そして、10月初めからハイプレスハイラインを諦め、引いて守ってカウンターに移行して7連勝を遂げたという流れでした。
 7連勝という結果はもちろん素晴らしいものではありますが、ハイプレス・ハイラインに横たわる大きな課題を解決して、成功を遂げたわけではないということになります。


 実際、昨年の開幕戦からハイプレス・ハイラインで戦ってきたジェフですが、9月末の段階では12位と低迷し、それまでも二桁順位をさまよっていました。
 今年は一桁順位にすら1度も上がれずクラブ史上最低の14位で終ったため、12位という成績もそこまで低くは見えないかもしれません。
 しかし、2017年までの過去最低成績は2016年の11位だったわけで、平均的な順位で言えばそれまでで最も苦しんだ年だったと言えると思います。



 それだけ昨年はかなり苦しんだシーズンだった…よりはっきりと言えば、9月末まで実施していたハイプレス・ハイラインが失敗に終わったと言っても過言ではないシーズンだったと思います。
 それだけに今年に入ってハイプレス・ハイラインを再び実行するのであれば、苦戦するのも必至の状況だったと言えるでしょう。
 しかし、エスナイデル監督の性格や昨年終盤とPOでの戦い方や諸々のコメントなどを加味すれば、今年に入ってもう一度ハイプレス・ハイラインにトライする可能性は十分予測できるものだったと私は思います。


 問題なのはそのあたりを踏まえて、しっかりと昨年のチーム状況を分析し対策などを取った上で、今季に臨めたのかどうか。
 7連勝という終盤の結果だけを見て、楽観的になり過ぎていたところがあったのではないか。
 シーズン終盤の追い上げだけを見て、クラブの気が緩んで失敗するというパターンは何度も見てきただけに、個人的には「期待」どころか「不安」の非常に大きいシーズンでした。



 百歩譲って、今年も昨年終盤の引いて守ってカウンタースタイルで戦うと思っていたため、前向きに捉えていたと言うのであればわかります。
 しかし、近藤は今年のキックオフカンファレンスに参加した際に、ジェフの見どころを聞かれて「ハイプレス・ハイライン」と答えていたはずです。
 このことから少なくとも開幕前の時点で、今年もハイプレス・ハイラインで戦うことを想定していたのではないかと思います。


 また、高橋GMも今年の夏に行われたサポーター連絡協議会との話し合いで、「アグレッシブに攻守に主導権を握るスタイルとしたい」と話していたようです。
 他の発言から考えても、高橋GMもまたハイプレス・ハイラインに期待をしていたように感じます。
 けれども、あれだけ苦戦したハイプレス・ハイラインがうまくいく根拠は、いったいどこにあったのか。



 昨年8月中旬から全く結果を残せなくなったことからしても、ハイプレス・ハイラインでのジェフはむしろ右肩下がりに下降していたことになります。
 徐々に他チームから研究されて対策を取られて、それを打開することが出来ずに苦戦していった印象で、選手たちにも戸惑いを感じるところがありました。
 冷静に評価・分析をすれば、そういった状況での「成功」を期待できるのは難しく、むしろこのままなら前年以上の低迷も予想できる状況だったと思います。


 高橋GMはスタイルを継続することの重要性を説いていたようですが、それではそのスタイルを継続するために何が必要で何が足りないのか。
 極端な話をするとJ3に降格してもいいというのであれば、スタイルだけは継続することもできるかもしれませんが、実際問題となるとそれではいけないはずです。
 選手も負けたくはないという意識が芽生えるはずですから、そのスタイル自体に問題があるとわかれば、継続も出来なくなってくるでしょう。



 ようするに、スタイルの継続を言う前に、そのスタイルがクラブにとって本当に正しいものなのか。
 そのスタイルは現実問題として実現可能で、クラブを「成功」へと導けるものなのかどうか。
 それを分析した上で継続を問うべきではないかと思いますし、その判断材料は1年目で十分に出ていたはずではないでしょうか。


 一言で言ってしまえば選手、GMなどに関わらず、クラブ全体として7連勝に浮かれてしまったところがあるのではないか。
 それによって、ハイプレス・ハイラインでは結果が出なかったにもかかわらず、それに対する明確な処置も行わず強い危機感もないままに、「なあなあ」な状態で今年の開幕戦を迎えてしまった。
 そして、今年は開幕から苦戦してクラブ史上最低順位に終わってしまったわけですから、この低迷は「当然の結果」とすら言えるのかもしれません。



 まさに見通しが甘かった今シーズンということになると思うのですが、はたしてそれを経て今後どういった運営をしていくのか。
 今年の9月末には選手にも甘さがあったのではないかという話をしましたが、ではいったいなぜジェフには甘さが生まれてしまうか。
 環境の問題なのか、そこにいる人の問題なのか、それ以外の何かなのか…。


 いずれにしろ、そういった甘さを払拭するためにも、まずはピッチ上で起こっていることをしっかりと分析することが重要なのではないでしょうか。
 その上で、今後に関してを考えるべきなのではないかと思います。
 そして、「なんとなく」次のシーズンを迎えるのではなく、しっかりとビジョンや狙いを掲げて、来シーズンに臨んでほしいところではないかと思います。