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高橋GMと強化部への期待と現状と

 昨日、エスナイデル監督の続投が発表になりました
 成績、内容などを考えると驚きの決断だと思うのですが、エミリオGKコーチがSNSで来季の続投をリークしていたので、覚悟はできていました。
 昨日のブログ内容も続投濃厚と思いながら書いていたので、あれ以上は特に追加することもないと思います。


 ただし、過去2年間に関してはあれがまとめとして、そこから3年目をどう考えるのかに関してはまた別の話になるのでしょう。
 月曜に話したように、個人的には1年目終了時点で2年目においても懐疑的で、予想通り成績も内容も大きく停滞した1年だったと思います。
 その状況で課題も残ったまま、さらに3年目を迎えるわけですから、当然不安はより大きなものになる…というか、個人的にはここまでくればもうお手上げ状態といった印象です。



 さで、来季の動向も気にはなりますが、まずは総括ということで昨日はエスナイデル監督に関するまとめをお話しましたので、今日は高橋GMというか強化部の話をしたいと思います。
 たまにネット上で見るのが、「選手は集めたから強化部は仕事をしたので、あとは監督の頑張り次第」という言い方です。
 しかし、果たして強化部の仕事は、それだけなのでしょうか。


 確かに特にここ2年のジェフは、多くの有力選手を獲得しています。
 昨年は熊谷、清武、ラリベイ、為田、矢田などを補強し、今年も茶島、小島、増嶋などを獲得。
 もちろん退団した選手もいましたが、単純な戦力で言えばJ2でも有数のチームなのではないでしょうか。



 ただ、高橋GMが就任してからの3年間は2列目の選手が多く、ポジションによって層のばらつきがあったようにも思います。
 また、J1で出場機会のない選手や、レンタルからの完全移籍、レンタル切れの選手を狙った補強が多かったため、能力は高いもののチームを引っ張る選手という意味では、若干の物足りなさもあったのかなと思います。
 とはいえ、ジェフの状況などを考えれば、仕方のないところもあったのでしょう。


 しかし、それ以上に補強面で気になったのは、昨年の人件費が過去7年間で最高額となったため、クラブ全体として赤字に転落したこと
 もちろん大きな親会社もついているし単年での赤字に大きな問題はないと思いますが、一方で高橋GMは事務面に強い印象で初年度の選手大幅入れ替えも「移籍金が尋常じゃなかった」と過去の運営を否定するかのような発言をしていただけにこの結果は意外でした。
 また、多くの人件費を費やしていれば選手補強も当然しやすいところがあるでしょうから、手放しには評価しにくいところもあると思います。



 そういった内情もあったとはいえ、J2で長らく低迷している状況を考えれば選手はしっかりと集めていたように思います。
 とはいえ、GMや強化部の仕事はそれだけではないでしょう。
 特に大事なのは監督招聘能力で、選手補強以上に大事なのではないかと個人的には思います。


 やはりサッカーというのは監督次第で大きく変わってしまうものだと思うし、元ジェフの祖母井VONDS代表取締役GMGMの仕事の1つとして、監督招聘をあげていました。
 ジェフ時代には予算がなかったこともあって、選手補強ではなく監督招聘にお金をかけて成功を遂げています。
 もちろん祖母井GMのコネクションがあったからこそ成り立っていたわけですが、それだけ監督招聘には力を注いでいたはずです。



 もっとも今のジェフの状況だと、GMも監督選びを自由にはやらせてもらえないのかもしれません。
 関塚監督就任前後においても親会社が口を挟んだという噂がありましたし、監督選定において何らかの干渉が行われているのかもしれません。
 知名度や実績のある監督でなければ、認められない状況となっている可能性もあるのでしょう。


 そこでスペインで選手として経験豊富で、レアル・マドリードでもプレーしたエスナイデル監督を提案したということでしょうか。
 ただ、監督としての実績は浅く、むしろスペインでもうまくいかなかったことの方が多かったようですし、例え様々な条件があったとしてもこの人選はどうだったのか…と思います。
 親会社が口を挟んだ可能性があったとしても、エスナイデル監督を指名することまではしないでしょうし、実際に交渉をしてリストアップをしたのはGMや強化部だったのではないかと思います。


 念のため親会社のフォローもしておくと、J2降格以降のジェフは監督に恵まれず、実績の浅い指導者ばかり招聘して失敗しているため、近年になって親会社が監督選定に声をかけてきた可能性もあるのかもしれません。
 ただ、関塚監督は実績こそあるもののコアなサッカーファンからの評価は低かった印象がありますし、エスナイデル監督も選手としてはともかく監督としての実績は浅かった。
 仮に監督人事に口を挟んでいたとして、口の挟み方に問題があったという可能性もあるのかもしれません。



 もう1つ高橋GMに関して気になるのが、ビジョンについてです。
 ビジョンというと難しく聞こえるかもしれませんが、高橋GMがどんなクラブチームを作りたいのかという絵が、3年経っても見えてこない印象があります。
 コーチも含めてスペインやアルゼンチンの人材を増やしてはいますが、実際にスペイン・アルゼンチン流かというと、アカデミーを含めてそこまでの色は感じないのが実際のところではないかと思います。


 先日も取り上げたサポーター連絡会と高橋GMとの話し合いの中でも、具体的な"サッカー観"といったものはあまり感じなかったように思います。
 「アグレッシブに攻守に主導権を握るスタイル」という話は少し出たものの、それ以上に「スタイルを貫くこと」の重要性を何度も話している印象でした。
 しかし、具体的にどういったスタイルを目指すのかという、肝心の中身に関してはあまり聞かれなかった印象で、それ以外のインタビューなどを読んでも志とか夢みたいなものが感じられないようにも思います。



 高橋GMは就任当初のイベントでも、昇格するために「連敗しないこと」や「二桁得点が2人いること」、「スタイルを表現できるチームであること」などをポイントとしてあげています。
 それらは確かに重要なのでしょうが、あくまでも方法論や条件の話であって、具体的な目標や目的ではないはずです。
 それらを踏まえた上で、どういったクラブ作りをしていくのかが重要なのであって、その方向性を決めることが最も大事な部分なのではないでしょうか。


 高橋GMは事務方の人材なのではないかと思いますし、だから、TDなどではなく経営面なども担当するGM職を任せられたのかなとも思います。
 しかし、事務方の人材ゆえに、ビジョンなどを掲げて自ら旗を振るのは得意な方ではないのかもしれません。
 だから、欧州から監督を招聘してビジョン作りは任せようとしたのかもしれませんが、その監督が力不足なのであれば、優秀な監督を招聘できなかった責任というものも問われる可能性があるのかもしれません。



 クラブのビジョン作りを誰に期待するのかというのは難しい問題ですが、監督を招聘するのがフロントであることを考えると、本来ならば監督よりもフロントが構築するのが理想ではあるのではないでしょうか。
 さらに現状でのジェフの場合は、サッカーとは関係のないJR東日本から出向という形で社長が送り込まれることが多いことを考えると、社長ではなくGMや強化部がビジョンを作り上げてチームを引っ張っていく形を考えるのが現実的なのではないかと思います。
 特にJR東日本はお堅い業界であることを考えても、クリエイティブな部分は期待しにくいところがあるのではないかと思います。


 そうなってくると、現状では強化部のトップである高橋GMが明確なビジョンを持って、クラブを先導できるのかが問われることになってしまうのではないでしょうか。
 ただ、今のところ高橋GMの性格を見るとどちらかといえばぐいぐいと引っ張るタイプではなく、少し引いてサポートする役回りの方が向いているのかなとも感じてしまいます。
 これが以前所属した神戸ならば、三木谷オーナーが良くも悪くも目立つ人物ですので、うまくバランスが取れていたのかもしれませんが…。



 高橋GMはサッカー界ではまだ若くこれからの人材だと思いますし、しがらみも多そうなジェフ内部の事情を考えればうまくやるのは簡単なことではないのかもしれません。
 しかし、そうだとしてそれをただ見守る形がいいのか、それともあえて高橋GMのことも考え他の人材の登用も考えた方がいいのか。
 実際問題として、このままの体制でうまくいきそうなキッカケでも見えていれば良いのでしょうが、そうでなければ早期に判断する方が傷は浅く済む可能性もあるでしょう。


 特に長谷部監督を除くと監督選定の1人目が実績の浅いエスナイデル監督だったという事実を考えると、決してルートは豊富ではないのではないかと思いますし、これ以上を期待していいのか悩む部分があるのではないかと思います。
 もちろん他にGM候補はいないのではないか…という問題もありますが、現状の予算と成績を踏まえて考えると、ジェフより賢くやっているクラブは多数あることになるでしょうから、あまりそこを強くも言えないのではないかと思います。
 GMも続投ということになるのであればこれらの話を踏まえて、来年こそは良い兆しが見えることを期待したいところですが…。