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フラットな4-4-2でPK戦の末、柏に勝利

 Jリーグ開幕前の定番となったちばぎんカップ
 今年もジェフは4-1-2-3で戦うのかなと思ったのですが、フラットな4-4-2を実施。
 昨年もツインタワーの4-4-2などは実施していましたが、ここまでフラットでコンパクトな意識を持った4-4-2は初めてではないかと思います。
■ハイプレスでリードするも1-1の折り返し
 ジェフはGK優也、DFは右からゲリア、増嶋、エベルト、下平で、中盤は右から堀米、熊谷、矢田、茶島、2トップがアランと船山。
 新戦力はアランと堀米の二人のみということに。
 ベンチは鈴木、田坂、新井、勇人、小島、為田、クレーベ。 

 柏は試合前に言われていた通り4-1-4-1。
 GK中村、DFラインは右から小池、染谷、古賀、高木、アンカーにヒシャルジソン、インサイドに小泉と手塚、ウイングがガブリエルと瀬川で1トップにクリスティアーノ
 大谷は負傷中でしょうか。


 14分にはジェフの攻撃。
 前線へのラフなボールを船山が競って、アランへと繋いで、右サイドの堀米が掛けてセンタリング。
 逆サイドの茶島が頭で合わせますが、枠の外。

 しかし、16分に柏が先制。
 クリスティアーノが中盤で競り勝って独走すると、左サイドの瀬川へ
 瀬川がシュートを放つと、増嶋の足に当たってコースが変わりゴール。


 その直後、ジェフが同点ゴール。
 右サイドからのCKを堀米が蹴ると、エベルトが高さを見せてヘディングシュート。
 これが決まって1-1に。

 試合序盤はジェフペース。
 アランと船山が積極的に追ってハイプレスをかけ、ハーフカウンターからサイドを縦へという展開で攻め込んでいます。
 更に立ち上りは柏の1ボランチ脇を使って、2トップなどがボールを受ける形でリズムを作っていきました。


 しかし、サイドを持ち込むも中央をうまく絡ませられず、チャンスの数は限定的でした。
 また、30分頃からは柏もジェフに慣れてきた印象でした。
 守備ではインサイドが下がって、1ボランチ脇を埋めることで中盤の穴がなくなっていきました。

 また、攻撃においては、コンパクトに戦おうとするジェフに対して、逆サイドに大きく振る。
 あるいはジェフの中盤を引き付けておいて、空いたスペースにパスを通す。
 徐々に柏がリズムを作り始めていきました。

 一方でジェフは前半途中から、ハイプレスを維持できず。
 全体的なラインも下がり、中盤も少しずつ空いてきてしまいました。
 試合はそのまま後半に進みます。
■CKから勝ち越すも試合終盤に失点
 後半開始から柏は小泉を下げて、オルンガを投入。
 4-4-2にして1ボランチ脇を埋めること。
 さらに、前半からジェフのプレスを避けようと長いボールを前線に蹴り込む場面が多かったため、190cmのオルンガを投入してターゲットに使おうとしていたのではないでしょうか。

 後半開始早々、柏の決定機。
 中盤からのボールに反応したオルンガが裏を抜け出して、中央へ供給。
 クリスティアーノが合わせますが、増嶋とエベルトでカバー。
 

 しかし、その後はセットプレーを中心にジェフが攻め込み、55分に勝ち越し点。
 右サイドからのCKを堀米が蹴ると、ファーでアランが決めて2-1に。
 堀米の伸びるボールも素晴らしかったですが、アランはフリーでしたし柏の対応にも問題があったのではないでしょうか。

 58分にはジェフの攻撃。
 下平からボールをアランが受けて、角度のないところからシュートを放ちますが、バー直撃。
 その直後にも堀米のパスを受けた船山が相手を背負いながらシュートに持ち込みますが、ネットの外で終ります。


 この時間はジェフの押せ押せでしたが、65分頃からはジェフの運動量が徐々に落ちていきました。
 前への勢いを失い、少しずつ柏が盛り返していきます。
 ジェフはアランを下げて、クレーベを投入。

 70分には柏の攻撃。
 オルンガがこぼれ球をうまく受けて前を向いてシュート。
 しかし、枠は捉えきれず。

 75分、ジェフは熊谷に代えて小島を投入。
 80分には船山を下げて新井を起用。
 守備時は5バックになりますが、攻撃時にはゲリアが前に出て4バック気味にも見えました。


 86分には矢田を下げて勇人を起用し守備固めをさらに進めますが、87分に柏が同点ゴール。
 右サイドの高い位置で小池が下平からボールを奪い返して、センタリング。
 これを優也が弾き、クリスティアーノが決めて2-2に。
 
 下平の対応も甘かったですが、この前の時間から全体的にジェフの足が止まっていた印象でした。
 それによって小池が高い位置を取れて、チャンスメイクに繋がった印象です。
 5バックになって、後ろが重くなりすぎた影響もあったのかもしれません。


 後半AT、ジェフは堀米を下げて為田を投入。
 試合終盤、優也が危険なタックルで、オルンガを負傷させてしまいます。
 イエローカードで済みましたが、危ないプレーだったと思います。

 試合はそのままPK戦へ。
 両チームとも5人とも見事に決めますが、古賀のシュートを優也がストップ。
 PK戦の末、ジェフの勝利となりました。
■フラットな4-4-2を積み重ねることが出来るのか
 柏はやはり伊東などが抜けた穴も大きく、昨年などに比べると飛び抜けた存在がいなかったように思います。
 ガブリエル、ヒシャルジソンも、今のままだとそこまで優秀な選手ではないのかもしれません。
 大谷が復帰すれば、チームのまとめ役として違いを出せるのでしょうか。

 またコンディションももう1つだった印象もありますし、これからの調子を上げていく考えなのかもしれません。
 ビルドアップにおいても後方までは良いものの、前線まで持ち込む形作りはまだまだ作れていな印象でした。
 ただ、のらりくらりと戦いつつ、少しずつジェフの弱点を見つける展開には、ネルシーニョ監督らしさも感じました。


 ジェフは前半から積極的なハイプレスをかけていましたし、柏よりは状態がいいのかなとも思います。
 ただ、30分頃からはハイプレスにいけなくなりましたし、後半も途中からは足が止まっていたと思います。
 ハイプレスを実施していくのであれば、スタミナなどもポイントになってくると思います。 

 前半は途中から無理をしなくなったのかなとも思いましたが、その分中盤を埋めきれずに使われる場面が増えていきました。
 さらに試合終盤には疲労から守備にいけなくなった結果、試合終盤に失点してしまいました。
 プレスに行くときの体力配分やプレスに行けない時の守備は、依然として課題と言えるのかもしれません。


 一方で攻撃に置いては2点を取りました。
 特に前半途中まではハイプレスもあって攻撃に勢いを感じましたし、個々の仕掛けには可能性も感じたと思います。
 ただ、結果的にはCKからの2得点で終っています。

 Football LABのデータによると、昨年もPK含むセットプレーからの得点はJ2最多でした。
 しかし、それでも昇格は出来なかったわけですし、攻撃のバリエーション作りが今年も課題になるのではないでしょうか。
 この日も流れの中でのチャンスメイクには、物足りない部分があったと思います。


 この日一番の驚きは、やはりフラット気味な4-4-2でスタートしたことだと思います。
 フラットな4-4-2で戦えば、よりコンパクトに戦いやすいというメリットがあるはずです。
 試合の序盤はそれが活きて、ハーフカウンターからリズムを作れていたと思います。

 一方でフラットな4-4-2だと、1つのラインを突破されると、一気にピンチを作られる恐れがある。
 前半に何度かボランチが前に出て裏を取られて、そこから柏に攻撃を作られていました。
 例えば4-1-4-1でインサイドがボールを奪われても、その後ろにはボランチがいるわけですが、フラットな4-4-2だとそういった厚みがなくなってしまう。

 実際にその形から中盤を独走され先制点を奪われたこともあって、30分以降はラインが低くなりがちだったのかなとも思います。
 そうなると、今度は引いた形でも全体でバランスよく守れるのか。
 スライドなどをして、組織として守れるのかという話になってくるのかもしれません。


 また、この日は右に左利きの堀米、左に右利きの茶島をスタートから起用。
 SHに逆足の選手を置いたことになるわけで、前半には茶島の飛び込みや堀米のミドルシュートなども見られました。
 縦への突破という意味ではマイナス面もあるかもしれませんが、攻撃に深みを作るという意味では可能性も感じたと思います。

 しかし、後半開始から途中までは、左右を入れ替えています。
 このあたりも選手の配置だけでなく、チームとしてバリエーション作りを考えていけるのか。
 逆足に置くとしても、具体的にどういった形を考えて行くのかが、気になるところかなと思います。


 ジェフは開幕に向けてコンディションがよさそうでしたし、新しいことにチャレンジしている姿勢も見られました。
 ただ、昨年も様々な戦い方に挑戦しては、壁に当たってうまくいかずに、戦い方を変化させていきました。
 それだけに、これを継続して積み重ねを作れるかどうかが重要だと思います。

 さらに相手に研究された時に、どう対応できるのかも大きな課題だったはずです。
 柏も試合を通じて少しずつジェフの4-4-2に対応していった印象でしたし、この4-4-2も続けていけば対策を取られるでしょう。
 対策を取られた時にどう対処するのか、あるいは対策を取られてもそれを打開できるだけのチームが作れるかどうか。

 そういった部分が、今季も求められることになると思います。
 ともかく、今季もここからスタートですね。
 この状態からどこまでチーム作りを進められるのかが、重要なテーマではないかと思います。