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4-4-2でプレスがはまらず中盤も埋められず0-0

 今年の開幕戦となった愛媛戦は、0-0で終わりました。
 勝点1を拾えたとも言えますが、プレスもはまらず守備の時間が長い展開で、相手の決定力に救われたともいえるでしょう。
 優勢に進められたちばぎんカップとの違いはコンディションで、遠方でのアウェイという点も大きかったのかもしれません。


 プレス重視で運動量を求められるサッカーをしているだけに、今年もアウェイでは苦戦するかもしれませんね。
 また、ちばぎんカップでは柏の状態が良くなかったので、相対的にジェフが良く見えたというのもあったのではないでしょうか。
 ネルシーニョ監督とのちばぎんカップは、相手が本気で来ないのでジェフ側が勘違いしがちなことが多い印象です。

 さらに愛媛はしっかりとジェフ対策をしてきた印象で、ジェフのサイド攻撃を自由にさせませんでした。
 前半・後半の立ち上りこそ勢いだけで押し込めるため、攻め込むことができましたが、それ以降は愛媛ペース。
 愛媛はジェフ対策をした上で、明確に攻撃の狙いも作れていた印象でした。
■立ち上り以降は愛媛ペースの前半
 ジェフはちばぎんカップと同じスタメンで、システムも変わらず。
 ベンチからは勇人が抜けて、乾が入りました。
 ちばぎんカップではベンチ含めて若手がおらず、25歳以上のチームとなっていましたが、1人若手が含まれたことになります。

 愛媛は3-4-2-1でGK岡山、3バックが右から下川、西岡、前野でWBが長沼と丹羽、ボランチに田中と野沢、シャドーに近藤と神谷で1トップに藤本。
 ただ、DFラインは変則的で、状況によっては4バックにも見えたこともあったように思います。
 ベンチにはベテランの山瀬が入りました。


 4分、ジェフの攻撃。
 DFラインからのロングボールに反応したアランが、左サイドを抜け出してセンタリング。
 中央でのこぼれ球を堀米が拾ってシュートを放ちますが、ゴールの右を逸れます。

 立ち上りは積極的にジェフがプレスをかけていき、愛媛のミスを誘発して押し込む展開。
 しかし、10分過ぎからは愛媛も落ち着いていき、パスを繋ぐ時間が長くなっていきます。
 ジェフは徐々にプレスの勢いも、落ちていってしまいました。


 14分には愛媛のチャンス。
 右サイドで長沼が仕掛けると、エベルトは長沼のスピードに対応できず。
 中央に折り返されますが、味方選手には合わず。

 16分、ジェフの矢田が痛めて小島を投入。
 24分には愛媛の攻撃。
 西岡の中央からの縦パスを受けた神谷が、藤本との1-2で前を向きシュートを放ちますが、これは大きく逸れます。


 39分にはジェフの茶島も負傷交代し、為田を投入。
 その直後にも愛媛の攻撃。
 為田のパスミスからボールを受けた田中がミドルシュートを放ちますが、GK優也が対応。

 前半途中からは、完全に愛媛ペース。
 ジェフはプレスもまったくはまらず、愛媛のパスワークも止められず。
 何とか失点は免れて、試合を折り返します。
■後半も愛媛ペースで完全に崩されるも0-0
 後半立ち上りは、ジェフが再び攻め込む展開が続きます。
 しかし、チャンスは作れず、59分には愛媛の攻撃。
 野澤のパスから長沼が右サイドをフリーで抜け出しセンタリングを上げると、ファーで神谷が折り返しますが、中央には合わず。

 その後は、また愛媛がボールを持つ時間帯に。
 ジェフはプレスもかけられず、カウンターも作れず。
 愛媛に攻め込まれる時間帯になっていきます。


 72分にはジェフが完全に崩されます。
 下川からの縦パスを野澤、藤本と中盤中央でつながれると、ジェフはそこを潰しにいけず、右サイドの長沼がフリーで受けます。
 長沼が打ってもいい位置でしたが、中央に合わせるも神谷が間に合わず。

 その直後、愛媛は野澤に代えて山瀬を投入。
 ジェフもアランを下げてクレーベを投入。
 しかし、大きく流れは変わらず。


 77分にも愛媛のチャンス。
 FKの流れから、浮き球のボールを西岡が頭で落として、神谷がシュート。
 エベルトの手にあたり愛媛はハンドを要求しますが、ノーファールの判定。

 その直後、愛媛は丹羽を下げて有田を投入し、藤本が左サイドに移りました。
 87分、愛媛は近藤に代えて神田を投入。
 試合終盤は愛媛も少し運動量が落ちてジェフも高い位置まで持ち込むも、チャンスまでは作れずそのまま0-0で終わりました。
■付け焼刃の4-4-2で守備に不安
 愛媛はしっかりと、ジェフ対策をしてきた印象でした。
 守備時は5-3-2-1で守って、ジェフのSHが下がるとWBがついていき残りの4枚の後方を守る。
 左右のCBはSBでもプレーできる選手で、サイドに流れても対応できる状況になっていました。


 これによってジェフのSHの動きにWBがつられても、サイドに穴を作らない守備が作れる。
 ジェフの2トップがサイドに流れる動きにも、読んでいたかのように冷静に対処していた印象でした。
 さらにジェフ後方から頭を狙ったボールに対しては、アランを前後で挟むようにして潰し、カウンターの芽もしっかりと摘んでいきました。

 ジェフは中央からの攻撃がないと見て、サイドを重視した守備をしてきたと言えるのではないでしょうか。
 この対策によって、ジェフはサイド攻撃も自由にできず、カウンターも作れず、チャンスらしいチャンスのない試合展開となってしまいました。
 監督を続投したことで積み重ねが期待できるなどという意見も一部ではありますが、監督を続投したことによって大きくチームを変えられず、開幕戦からがっつりとした対策を取られて苦戦してしまったと言えるのではないでしょうか。


 また、ジェフは4-4-2にしたこともあって、中盤から前の守備に不安を抱えていたように思います。
 4-4-2だと中盤が1枚少ないため、SHが絞って低く守らなければいけない。
 それによってSHがプレスにいけず、相手後方から攻撃を作られていた印象です。

 今までのジェフは4-1-4-1が基本で、インサイドやウイングが前に出ていく。
 それによって前方に人数をかけて、ハイプレスを敢行していきました。
 しかし、4-4-2だと中盤にはバランスが求められ、無理に人数をかけられないので、プレスをはめにくくなっていたように思います。


 後半からはSHが前に出ていくように変化を付けた印象ですが、前方への距離があるので間に合わず。
 さらに中盤中央もこれまではアンカーと2インサイドの3人で守っていましたが、ダブルボランチで人数が減ったため簡単にパスを通されてしまったように思います。
 4-4-2で中盤の人数が少ない分、うまく圧縮してMFとMFの間のコースやスペースを消したいところですが、そういった組織的な守備連携が作れていなかったと言えるのではないでしょうか。

 結局は付け焼刃の4-4-2といった印象で、ちばぎんカップのように勢いで優勢に戦える試合展開が続けば問題ないでしょうが、コンディショニングで相手を上回らないと課題が目立ってしまう。
 やはり肝心なのはこの4-4-2をどこまで熟成して、積み重ねを作ることができるのかではないかと思います。
 去年もシステムを頻繁に変更しそのたびに可能性も課題も感じたことは多かったと思うのですが、そこからいかにチームを完成度の高いものに作り上げていけるかが肝心なところだと思います。