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スピーディなパスサッカーを展開する首位琉球

 連戦で明日も試合が行われるということで、今日琉球に関して取り上げます。
 ジェフは前節福岡に1-0で勝って、今シーズン初勝利を上げました。
 これで最下位から、19位まで順位を上げたことになります。

 ただし、福岡がジェフに代わって最下位へ落ちたことからも分かるように、現在の福岡は結果も残せずチーム状況も決して良くない状況だと思います。
 次にジェフが対戦するのは現在首位の琉球ということで、極端な試合日程になっています。
 そのためジェフのチーム状況を判断するにしても、この連戦はセットで考えるべきなのではないでしょうか。


 今季J2に昇格した琉球はオフに監督交代や一部選手の流出もあって、厳しい状況になるのではないかと予想していました。
 しかし、蓋を開けてみれば、J2でも攻撃的なパスサッカーが機能し、素晴らしいスタートダッシュを決めています。
 横浜FMなどで監督を務めた樋口監督が、良い仕事をしているということですね。

 ちなみに昨年発表された17年度の総収益を見ると、琉球は2億4000万円でジェフは25億円ですから10倍もの差があります。
 さすがにJ2に昇格して今季の収益は増えるのでしょうが、それでも差が大きいことに変わりはないでしょう。
 琉球J3でも予算の少ないクラブでしたし、やはり予算規模も大事ではありますが、いかにその予算をうまく活用するかの方が重要ですね。


 琉球の特徴はテンポの良いスピーディなパスサッカーではないかと思います。
 スピーディなパスワークを展開するためにはパスの出し手が素早く蹴るだけでなく、パスの受け手が素早く受ける動作をしなければいけない。
 ここまでの琉球は人もボールもうまく動くことで、それを実現しているように思います。

 パスの出し手が縦パスを狙う動作をすると、スッと前方の選手が下がって受ける動きをすることによってパスコースを作る。
 これによって相手を中盤や後方に引き付けておいて、裏やサイドを狙うという発想なのではないかと思います。
 その受ける動作の判断が非常に速く、さらにワンタッチパスや裏へのパスも活用してシュートまで持ち込む形を作っていきます。


 ただ単純にボールを持つパスを繋ぐというだけでなく、シュートまでの形をチームとして共通理解できていて、それを狙えているということが重要なのではないかと思います。
 また、町田を契約満了となって琉球に加入した鈴木孝司も効いていて、1トップで強さも見せつつパスサッカーの邪魔にもなっていない印象があります。
 現在、8ゴールをあげている鈴木孝司は、2位に4点も差つけて得点ランキングトップとなっています。

 チームとしても14ゴールはJ2最多となっている一方、守備においては8失点と若干多いるのが課題でしょうか。
 また、3月には早くもトップ下の中川が、横浜FMに引き抜かれています。
 スピードがあって狭い局面でも仕掛けられるテクニックがあり、攻撃のアクセントになっていただけに影響は小さくないようにも思います。

 さらに、中盤での縦パスを相手チームに読まれて、パスコースを閉じられつつあるように感じます。
 そういった対策が取らていることも影響してか、開幕から4連勝を遂げてきた琉球でしたが、ここに来て2試合連続の引き分け。
 しかし、それでも無敗ですから、ジェフにとって手強い相手であることには変わりないでしょう。


 ジェフも江尻監督が就任して1勝1分と今のところ負けなしとなっていますが、相手対策が機能していることが結果に繋がっている1つの要因ではないでしょうか。
 京都戦でも相手のハーフスペースを消し、福岡戦でも後半からは守備をはめることが出来ていた。
 明日の試合では、攻撃が機能している琉球を相手にしても、うまく対策を取れるのかがポイントとなるのかもしれません。

 一方で、今回も心配なのは、怪我人ではないかと思います。
 福岡戦ではゲリアと茶島が復帰したとはいえ、キックオフ直前には勇人が負傷し、堀米も負傷退場してしまいました。
 堀米は足を釣っただけだったのかもしれませんが、連戦となるだけに短期間で復帰が望めるのかという問題があると思います。


 また、福岡戦の前半ではプレスをはめきれず、1ボランチへの対応が遅れて苦労していたところがあったと思います。
 さらに、ラフにボールを繋ごうとして、相手ボールになってしまう場面も目立っていました。
 福岡が攻守に良くない状況だったため救われた部分もあったと思いますが、上位相手では許されないかもしれませんし、細かな課題を突き詰めていかなければいけないと思います。

 それでも守備においてはプレスのかけ方や、サイドチェンジされた時の準備。
 攻撃においてもただ縦パスを狙うだけでなく、そこからの追い越すプレーが見られるなど、京都戦での狙いに加えて福岡戦ではその先も見えつつあったと思います。
 江尻監督が就任して時間のなかった京都戦はまだベース部分だけだったと思いますが、そこから時間をかけてより明確な意図が感じられた試合だったと言えるのではないでしょうか。


 それがまずは大きな進歩だと思いますし、改めてエスナイデル監督のチーム作りはアバウトすぎたようにも感じます。
 今度はチームとしての明確な狙いを持った状況から、さらに細部を詰められるのか。
 攻守に質を高められるのかが、目標となってくるのかもしれません。

 具体性を持てたことでチームが1歩前進できたことは大事なことではありますが、一方でなぜここまで遠回り…どころか長期間道草を食ってしまったのか、過去2年間はなんだったのか…とも思ってしまいますね。
 ともかくチームとしては連戦ですから、この流れを継続しつつ、確実な強みや自信へと変えていってほしいと思います。
 今のチームが首位琉球相手にどこまでやれるのか楽しみですね。