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3連戦を終えて改めて監督交代の感想と岡山戦

 江尻監督が就任してから3連戦も終えて、いろいろと見えてきた部分があるように思います。
 琉球戦からの2試合に関しては不安要素も出てきたようにも思いますが、基礎部分の改善という点においては初戦から効果が表れている印象です。
 そういった意味で、エスナイデル監督の頃とは問題が発生している"階層"が異なると言えるのではないでしょうか。

 ただ、こうなってくると、改めてエスナイデル監督の2年と少しはなんだったのかと思ってしまいます。
 長谷部監督のまま戦っていれば基礎部分の問題などは発生せず、江尻監督と同等の"階層"で問題に立ち向かえていたかもしれない。
 むしろ江尻監督より長谷部監督の方が選手の使い方や若手の伸ばし方、攻守の整理・管理などは上手い印象もありますし、失ったものの多い2年間だったのではないでしょうか。


 高橋GMは会見で江尻監督の就任は既定事項だったようにも説明していますが、シーズンが始まって4試合で監督を解任している時点でイレギュラーな状況だったはずで、それを認めていないことに違和感を感じざるを得ません。
 また、エスナイデル監督に関しては中身や雰囲気などの改善に2年間をかけたという説明ですが、それがピッチ上で発揮できていない以上は、失敗だったということになるはずです。
 どんな過程を取るにしても最終的に人の仕事は成果物で判断するしかないわけですから、短期間ならともかく2年もかけてピッチ上で改善が見えなかった…むしろピッチ上は悪化していたわけで、その状況では何を言っても言い訳にしかならないでしょう。

 だからこそ、フロントには言い訳ではなく、何が問題だったのかを明確に発言してほしかった。
 確かにネガティブなことばかりを言っても良くはないのでしょうが、スポーツが単なるエンターテイメントと異なるのは、毎回ハッピーエンドで終わるとは限らず、壁や問題にぶつかることも起こりうることであるということ。
 それを乗り越える姿勢に胸を打たれるわけで、その壁や問題を直視しなければ乗り越える姿勢を見せることすらできなくなってしまう。

 モノやサービスを売るのとは話が違うわけですから綺麗事だけでは成立せず、現実を捉えきれていないように映ってしまう。
 今のジェフは綺麗にモノを売ってブランドイメージなども大事にしている印象がありますが、結果的に問題に対して本気で戦えていないのではないかと感じるところがあります。
 江尻監督の就任で最悪の事態は免れたのかもしれませんが、それで丸く収めるのではなくしっかりと反省した上で、次に進んでほしいところではないでしょうか。


 さて、前節金沢戦で江尻監督就任後初黒星を喫したジェフは、2勝3分3敗で15位となりました。
 今週末はホームで岡山を迎え撃ちます。
 岡山は現在10位で、3勝2分3敗となっています。

 岡山はオフに塚川が松本に引き抜かれ、澤口や元ジェフの伊藤大介が契約満了になるなど、一部メンバーが変わっています。
 なお、伊藤は契約満了後、相模原に加入しています。
 相模原は元ジェフの望月が代表を務めている他、鷲田がコーチを務め、水野、富澤、丹羽がプレーしているなど、ジェフ色の強いチームとなっています。


 岡山は一部メンバーが入れ替わったとはいえ、選手構成に大きな変化はないようにも思います。
 それ以上に長澤監督が解任となり、U-17日本代表監督などを務めた有馬監督が就任したことの方が影響は大きいのではないでしょうか。
 システムも、3バックから4バック中心となっています。

 4-4-2をベースとして横のラインを大事にして、そこから前へ飛び出していく守備が基本となっている印象です。
 昨年までは後方を固めて守る傾向も強かっただけに、攻守によりオープンなチームとなっているのではないでしょうか。
 これがクラブとして狙った、次へのステップなのかもしれません。


 攻撃においてはサイド攻撃が中心といったイメージで、スピードのある仕掛けをしてくる印象があります。
 2トップはイ・ヨンジェを中心に齊藤和樹やレオ・ミネイロなどタレントが並んでいますが、一番警戒すべきは仲間ではないでしょうか。
 前を向いた鋭い仕掛けが効いていて、ここまで3ゴールをあげており、4-4-2のSHが合っているのかもしれません。

 しかし、一方で守備に関しては、4-4-2のラインディフェンスにおいて後方や間のスペース管理が甘い印象も受けます。
 ここまで11失点という成績はジェフの12失点に次いでJ2で5番目に多い上、3連戦では毎回終盤に失点するなどの課題も見られました。
 結果的にこの3連戦は2分1敗と、勝星を上げられずに終えています。


 昨年までの岡山は守備に力を入れていた印象もあるだけに、イメージが変わりつつあるのかもしれません。
 対するジェフも江尻監督になって守備重視になっているところがあると思いますから、お互いに監督が変わって昨年までとは違ったチームとなっている印象です。
 ただ、いずれのチームもまだ安定した戦い方は出来ていないようにも思いますから、どこに落ち着くのかが重要かもしれませんね。

 江尻監督が就任してからここまでのジェフは、4試合で2失点しかしていません。
 しかし、一方で得点面でも3ゴールしかあげられておらず、攻撃面では課題を感じる部分もあります。
 エスナイデル監督体制で守備が崩壊状態にあったことを考えれば、まずは仕方がない部分もあるのでしょう。


 ただ、これが守備重視で戦っているから、攻撃面に力を配分できないということであれば問題もあると思います。
 あくまでも今は守備の構築を行っている段階で、これから攻撃を作るのだというのならまだわかりますが、ただ守備重視で耐えるサッカーが続けば苦しい状況が続くかもしれない。
 守備の時間が長くなっても、なるべく無理なく守れる形が出来るようになるのが理想ではないでしょうか。

 また、金沢戦で合ったようにサイドチェンジにどのように対応するのか、攻撃においての前線の組合せなどをどう選んでいくのか。
 連戦の疲れから攻守に課題が出た部分もあったのかもしれませんが、相手も日程の条件は同じ。
 選手の起用法なのか、ベテランが多い状況からか、戦い方に課題があるのかはわかりませんが、金沢戦は修正しなければいけない部分を多く感じた試合でもあったと思います。


 京都に引き分けて、福岡戦で初勝利を遂げて、良いスタートを切ったようにも見える江尻監督体制のジェフ。
 しかし、そこから内容は下降傾向にあるようにも感じる部分もありますし、ここから踏ん張れるかが大事な状況ではないでしょうか。
 戦い方に迷いが出つつある印象もありますし、1つ間違えればズルズルと行く可能性もあるのかなと思います。

 しっかりとやりたいこと、やるべきこと、出来ること、出来ないことなどを整理して、もう一度チームをまとめていきたいところなのではないかと思います。
 連戦も終えて初白星も初黒星も経験したからこそ、ここからの立ち振る舞いが重要なのではないでしょうか。
 ホームでもありますし、岡山戦は大事な試合となるかもしれませんね。