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船山が東京V戦で今季5ゴール目を決める

 先週の東京V戦で、船山が先制ゴールを決めました。
 船山はこれが今シーズン5ゴール目で、チーム単独トップ。
 J2の得点ランキングでも、7位タイにまで上がっています。

 今季序盤の船山は何度かチャンスを外すシーンもあったので、「確変期終了か…?」と不安になることもあったのですが、それも一時期だけでしたね。
 監督が代わってからも結果を残しており、やはり単純にコンディションが良いのではないでしょうか。
 決定力だけでなく、プレースキックも継続して好調なのが、その証ではないかと思います。

 ちなみに、現在J2得点ランキングトップは10ゴールをあげている岡山のイ・ヨンジェですが、イ・ヨンジェもパワーもあって守備もするけど決定力が…と、長らく言われていた印象です。
 長崎や京都で主力だったものの二桁得点はこれが初めてで、昨年に至っては怪我もあって1ゴールのみでした。
 それだけストライカーというのは、何かのきかっけで一気に得点をあげることがあるということなのでしょうか。


 東京V戦での船山は得点だけでなく、つなぎの部分でも貢献していました。
 特に為田との関係でチャンスを作っていた印象で、東京V関係者のコメントを読んでも相手はジェフの左サイドに対して混乱していたことが伺えます。

ホワイト監督
「若狭が相手の10番(船山選手)についていくという部分では河野のカバーリングが重要でしたが、そこのコンビネーションや会話が少し足りなかったのかなと思います」
河野広貴
「ドゥーさんがワカをサイドに出したくないと言っていたので、僕が相手を見る形でしたが、後追いの形になるので対応は少し難しいと伝えました。最終的にはワカが対応にあたって自分が中をカバーするという形に修正しました。」
近藤直也
「ワカはタメ(為田選手)を気にし過ぎてそこに釣り出されて自分とワカの間をタカユキに突かれてしまいました」
若狭大志
「タカさん(船山選手)のところを自由に使われてしまったので、タメ(為田選手)のところも最初はヒロキを行かせるやり方でしたが、途中から自分が行く形に修正しました」

 東京VのHPは関係者のコメントが多い上に、突っ込んだ話も載せているので読んでいて面白いですね。
 為田と若狭は大分でも同じチームでしたので、関係が深い間柄ということになります。

 ジェフのゴールシーンとその直後の茶島のシュートシーンにつながった場面では、クロスを上げた為田が完全にフリーになっていました。
 あれだけの自由を与えていれば、チャンスが生まれるのも当然といった状況で、それだけ東京Vの守備は甘かったと思います。
 左サイドはジェフの攻撃におけるストロングポイントでもあるはずで、相手の守備に問題があったと言えるでしょう。


 関係者のコメントから察するに、本来は河野が為田に付くことになっていたのではないでしょうか。
 若狭が外に出ていってしまっては船山が空いてしまうし、残りのDF3枚で1トップ2シャドーの同数を見なければいけない。
 逆に河野が外に出ていっても中盤は5枚なので中央では4枚が残るし、妥当な判断だと思います。

 ただ、河野自身の守備意識が甘いので、サイドへの対応が遅れがちだったのではないでしょうか。
 さらに先日も話したように、東京Vのインサイドがジェフのシャドーとボランチに挟まれる状況にな多っため、中盤で後手に回っていたこともあって、河野も中央に意識が行ってしまったのかもしれません。
 いずれにせよ、前半の東京Vは左サイドへの対応が甘かったと思います。

 前節山口戦では河野と小池が逆サイドでスタートしていましたし、右に小池を置いた方が守備で対応しやすかったのではないかと思うのですが、あえて為田のところに攻撃的な河野を置いたのでしょうか。
 また、基本的に外国人監督は、相手対策というのが得意ではないことが多い印象も受けます。
 ロシアW杯での日本代表は相手のスカウティングで成功したという見方もありますし、「自分たちのサッカー」を大事にする傾向が強いのは意外と日本以外の国だったりするのかもしれません。


 一方のジェフは相手の不備もあって、前半は為田の仕掛けが目立った展開だったと思います。
 うまくそこに船山が絡めていることもあって、為田の仕掛けが作れていたのでしょう。
 しかし、後半に入ってからは、為田が仕掛ける展開も数えるほどしか作れなくなっていきました。

 相手がジェフの左サイドへの対応を修正したこともあるのでしょうが、船山も話している通り、相手のプレスが強くなって、セカンドボールも拾えなくなり、つなぎの部分も上手くいかなくなった結果ではないでしょうか。
 結局、ジェフは相手をプレスで押し込めていれば、後方からの細かなビルドアップも必要なくなり良い展開が作れる。
 しかし、こちらがプレスをかけられず、逆に相手にプレスをかけられ押し込まれると、苦戦してしまう傾向があると思います。


 船山は「自分が下がってアクセントを付けようとしたが…」とも話していますが、相手のプレスが来ている状況だと高い位置までうまくボールを運べなくなってしまいますね。
 そうなってくると、為田などは受ける側の選手なので活きてこないし、船山なども本来はアタッカーなのに下がってビルドアップに参加せざるを得なくなってしまう。
 攻撃的な選手が多いので守備面でも不安が残るし、悪循環が生まれてしまう印象です。

 船山はビルドアップだけでなく、プレスでも重要な役回りを担っていますが、その分90分間は持たないという問題も発生しています。
 ベンチワークも重要となっていますが、東京V戦でもあまりうまくいかなかった印象ですし、この辺りも悩みの種となってくるのかもしれませんね。
 現在は船山が黒子になりつつゴールも絡んでいる印象ですが、もう少し船山の負担を軽くする必要も出てくるのかな?と感じる部分があります。