天皇杯でも岡山に0-3で敗れてしまったジェフは、今週末アウェイで因縁も深い徳島と対戦します。
徳島は8勝6敗6分で9位。
中段の位置につけますが、現在は天皇杯を含めると公式戦で5連勝中ということになります。
スペイン人のリカルド・ロドリゲス監督が続投した徳島は、今年もパスサッカーを展開。
低い位置からボールを繋いでいき、左右に選手が広がって、ワイドにボールを運んでいく。
それによって相手を左右に広げて、そこから中央で間を取ったり、サイドを細かくつないでいって、攻撃を作るイメージです。
また、パスを繋いでシュートまで持ち込む鋭いコレクティブカウンターも、徳島の武器となっている印象です。
遅攻時も速攻時もアタッカーに前を向かせる展開を作るのがうまいのが、今の徳島の特徴でスルーパスやドリブルなどを効果的に使ってくるチームだと思います。
ボールの運び方などは、現在のジェフも参考になるところがあるのではないでしょうか。
一方で守備に関しては不安もあって、特にセットした状況でうまくスペースを消せない、マークを掴み切れないといった問題があるように思います。
それによって、相手に選手の間などを突かれることが多い印象です。
前向きに守備が出来ている時は良いのでしょうが、受けに回ると弱さが出てしまうのではないでしょうか。
また、リカルド・ロドリゲス監督が就任してから、選手を固定化しきれていないところがあります。
それによって、どこかどっしりとしたチームを作り切れていないところがあるのではないでしょうか。
それでもここ最近は結果を残しているということで、1-0で勝利した前節甲府戦では今季初めてスタメン継続となったそうです。
チームのトップスコアラーは、ジェフから加入した清武となっています。
ただし、開幕から主力としてプレーしていましたが、ここ4試合はスタメンを外されており、代わりに新潟から加入したFW河田が活躍している状況となっています。
一方の清武は水曜日に行われた天皇杯愛媛戦に出場しており、PK戦にまでもつれ込んだ試合でフル出場を果たしています。
5連勝を果たしているとはいえ、連勝中のリーグ戦はすべて1点差での勝利。
天皇杯でもPK戦の末の勝利ということで、決してそこまで完璧な状況とは言えないのかなとは思います。
とはいえ、ジェフはかなり流れの悪い状況ですから、嫌な相手と言えるのではないでしょうか。
そのジェフは、天皇杯含めると3連敗中。
順位も18位と低迷しています。
成績だけではなく内容面でも苦労しているだけに、厳しい状況に立たされていると言えるのではないでしょうか。
徳島は低い位置でワイドにボールを繋いでくるということで、ジェフとしてはどのようにプレスをかけるのか。
すべてを追いかけるのは無理があるのではないかと思いますし、ボールを奪う位置を再検討しなければいけないのではないでしょうか。
また、相手はセットした状況での守備に課題があるように思いますから、そこをどう崩していくのかにも注目だと思います。
もうオシム監督の話はさすがにやめようと思っていたのですが、天皇杯岡山戦前でつぶやいた内容が思ったよりも反応を頂いたのでここでも取り上げたいと思います。
オシムさんはチームが厳しい時こそ若手を使えって言ってたけどね。
— arata (@aratasuzuki) 2019年7月3日
どこで話していたのかまでは忘れてしまいましたが、チームが低迷すればベテランに頼りたがる監督が多いでしょうから、この発言に驚いた記憶があります。
ただ、それ以上の細かな話はしていなかったと思います。
しかし、町田戦を見ると、確かにそうなのかなと感じる部分がありました。
安田や勇人などベテラン選手を起用したことによって、確かに穴は減った印象があります。
ベテラン選手は自発的にスペースなどを埋めてくれるし、周りをフォローしてくれるので、課題は埋めやすいのかもしれません。
ただ、結果的にそれによって無難なチームになりがちだし、受け身にもなりやすいのかなと思います。
特に本当にチームが厳しい時というのは、攻撃面よりも守備面に問題が発生していることが多いでしょうが、その状況で受けに回ってしまうと、余計にアグレッシブさが失われてしまう。
そうなると、チーム全体の前向きな意識もなくなって、悪循環に陥ってしまうのかもしれない。
あるいは単純にチームの流れを変えるためには、若手の勢いが必要だという考えだったのかもしれません。
実際、今のジェフは若手が少ないためか、どうしてもチームの発展や伸びしろといった部分は期待しにくいところがある。
それによって、結果的に停滞感が生まれがちなところもあるのかなと思います。
ただ、以前から指摘しているように、現在のジェフは絶対的に若手が少ないため、どうしても若手起用に結びつかないところもあるのではないでしょうか。
しかし、それにしても江尻監督は若手起用に消極的な印象もあります。
前回監督時も若手を我慢して起用することは苦手だったように思いますし、監督として若手育成は期待しにくいタイプなのかもしれません。
まだ、気が早いとは思いますが、来年以降を考えると気が重くなってしまうような状況ですね。
チームがうまくいっていないだけでなく、若手選手も出てきていない。
もちろん強化指定となった見木やトップ昇格を予想する櫻川ソロモンなど、将来を期待される選手が全くいないわけではないですが、全体的には若手が少ないですし、近年は自チームで若手を育てきれていない現状もあります。
さらに、江尻監督の今後も気になるところです。
ともかく今年いっぱいは頑張ってほしいところですが、現在の内容のままでは来期以降は期待しづらいのではないでしょうか。
ハイプレス・ハイラインではないサッカーだったらどうなのか…という点は気になりますが、いくらフロントからの要求があったとしても、最終的にチームの方向性を決断するのは監督だと思いますから、スタイル継続を選んだことも含めて江尻監督の手腕と言うことになるでしょう。
天皇杯というビックチャンスでも若手をベンチにすら入れなかったことを考えると、ここから古川や本田など若手を起用するのは難しいのかなと思います。
ただ、若手ではないにしても町田戦では一部メンバーを入れ替えて、天皇杯でも選手をテストできた。
現在のジェフは飛び抜けた選手は少ないものの層は厚い印象ですから、その中で現在ベストと思える答えをしっかり見出してほしいところです。
3連敗となり内容も乏しいわけですから、ここで大幅に戦い方やメンバーを入れ替えるのもありなのではないかと思います。
エスナイデル監督のサッカーを継続したジェフですが、エスナイデル監督が一番結果を残した時期も、ハイプレス・ハイラインを諦めて引いて守ってカウンターを実行した時であったことを忘れてはいけないと思います。
江尻監督としては、まず今シーズンを何とか乗り切ることが目標となってきたのかもしれません。