残り8試合 消化試合とするか 未来への希望を見せられるか

 令和元年も10月に突入し、J2も残り8試合となりました。
 現在17位のジェフは、昇格も降格もほぼない状況と言えるでしょう。
 こうなってくると、注目されるのは来季への動きということになってくるのではないでしょうか。

 その中でも特に江尻監督に対してのクラブ評価は、気になるところです。
 確かにエスナイデル監督からバトンを渡された形となり、やりにくいところもあっただろうと思います。
 さらに最近では、左サイドに密集してからのクロス攻撃や工藤を中心としたプレッシングも見られるようになってきました。


 ただ、それでもどこかチームとして、根っこがか細いところがあるというか、"芯を食っていない"イメージが残ります。
 左サイドからの攻撃にせよプレッシングにせよやっているのは局所的な部分で、ピッチ全体や90分間を通してどう戦いどう勝つのかにおいては依然として弱いところがあると思います。
 結局のところ細かい戦術以前にどういったチームを作りたいのかが見えてこないため、局所局所が改善されても「そこからどうするの?」となってしまうのかもしれません。

 あるいは選手起用に関しても、現在のメンバーも悪くはないとは思うし、基本的にポジションは実力で奪うもので、最終的に監督の権限で決まるものではあると思います。
 しかし、安田や堀米や茶島など、プレー内容は悪くはなかったにもかかわらず、突然メンバーから外れることが非常に多く、どこか戦力を使い切れていない印象が残ります。
 これは前回監督時もそうでしたし、江尻監督の中では何らかの基準があるのかもしれませんが、それがはっきりと見えてこないと説得力に欠けるところが生まれてしまうように思います。


 あるいは、確固たるサッカーのビジョンを打ち出せなくとも、細部にこだわることで結果的にやることが明確になる監督もいるでしょう。
 例えば勝利にこだわり守備を徹底した岡田監督や反町監督、高木監督のようなタイプもいるでしょうし、ともかくパスワークや細かな技術を貫こうとする風間監督や大木監督のようなタイプも監督としてはありなのだろうと思います。
 しかし、江尻監督の場合は細部へのこだわりも感じられないし、かといって大観を持ってチームをマネジメントしようという印象でもないだけに、中途半端な印象になってしまっているように思います。

 その結果、岡山戦後にも書いたように、まずまずのメンバーで、まずまずの試合をするチームになってしまっているということでしょうか。
 しかし、昇格も残留もない中でそういった内容が続けば、ただの消化試合になってしまうわけで。
 それでは来季に向けての希望も見えてこないはずですから、監督としてもチームとしてもここから何らかの可能性を見せられるかどうかが大事なのではないでしょうか。


 今週末に対戦するのは、元ジェフの木山監督率いる山形。
 山形は前節甲府に0-1で敗れて、順位も2位から4位に下がりました。
 前節ジェフが対戦した岡山もあまり強さは感じませんでしたし、1つ抜けた首位柏以外はどのチームもどこかに甘さが残るため、2位以下が混戦となっている印象も受けます。

 木山監督もジェフ時代には「アーセナルバルセロナを足して割ったサッカー」を目指すというような話をしており、教え子である兵働などパサータイプの選手を補強しました。
 しかし、実際にはそこまでのパスワークは作れなかった印象で、予算のあるジェフの監督に就任したことで、背伸びをして無理のあるチーム作りになっていたように思います。
 ジェフ前の水戸、ジェフ後の愛媛では堅守速攻のカウンターサッカーで成功し、現在指揮を執る山形でも一度はパスサッカーを目指したもののうまくいかなかったため、守備的なサッカーに転換して今年の上位進出があるのではないでしょうか。


 山形はこの夏に、阪野が松本に移籍。
 これで昨年水戸で活躍したジェフェルソン・バイアーノが1トップを張るのかなと思いきや、結局1トップには走れて守備のできる大槻が入っています。
 さらに岐阜から補強した山岸も走れて体を張れる選手で、シャドーのレギュラーとしてプレーしています。

 このことからも全員がハードワークして、全員が守備をするサッカーが木山監督のベースなのだと思います。
 その分、チームのスケール感は小さくなる印象もありますが、監督としては外れも少なくチームを作りやすいのでしょう。
 これは木山監督が水戸や愛媛などでも成功した手法ですが、ジェフの頃とは目指していたサッカーがあまりにも異なる印象なだけに、あのままジェフで指揮を執っていたからと言って成功したとは限らないと思います。


 いっそジェフでも割り切った全員守備のサッカーをしてくれていたら、その方が期待できたのかもしれません。
 冒頭で話した手法に合わせて言えば、ジェフ時代は理想とするビジョンを優先していたのかもしれませんが、その他のチームでは現実を優先し守備を徹底したサッカーをしているのかもしれません。
 ジェフで失敗を経験したからこそ理想を諦め現実重視になったのかもしれませんが、基本的に木山監督はプライドの高い方だと思うので自分ではそう言えないのかもしれませんね。

 ジェフとしては、まず山形の守備にどう対峙するのか。
 山形は全員で守備をしてカウンターを狙い、全員で追いまわして相手を押し込むだけに、ジェフの攻撃の質が問われる試合と言えるかもしれません。
 また、縦に走り込んでくるカウンターも当然警戒しなければいけませんが、ジェフはカウンターに対するリスクマネジメントが大きな課題となっているだけに、そこは素直に心配な要素ですね。


 チームの目標も定まらない状況ではありますが、選手に関してはしっかりと1試合1試合に集中してほしいですね。
 消化試合になるとだらけてしまうところもあるでしょうが、来年以降へのアピールという意味でも頑張らなければいけない選手は多いはずです。
 日曜日には関東の気温が下がるという予報もありますし、選手もまた動きやすい環境になるかもしれません。

 ともかく、今年も残り8試合となりましたが、1つでも良い試合を見られることを期待したいと思います。
 それが結果的に将来へとつながる部分もあるでしょうし、頑張ってほしいですね。