毎年当たらない私の順位予想ですが、今年は新潟を13位予想としており、恥ずかしながら大きく外れています。
現在2位の琉球なども外れているとはいえ、新潟は上位予想を当てていた方もいただけに情けないですね。
新潟は昨年終盤7試合勝ちなしで終えており、その間の成績が1分6敗だったことを理由に、今年は苦戦するのではないかと予想したわけですが、あれはクラブのごたごたが足を引っ張っていたところもあったのでしょうか。
現在、新潟は8勝2分無敗の首位。
総失点数も7とリーグ2位の少なさを誇っていますが、何よりもインパクトがあるのがリーグトップとなる総得点数の26ゴール。
ジェフの総得点数は7ゴールでJ2最少得点数となっている山口の6ゴールと大差なく、新潟の26ゴールとは実に3倍以上もの差が開いています。
昨年、スペイン人のアルベルト監督が就任した新潟は、5レーンの手法で攻撃を組み立てています。
就任当初は長めのボールも少なくなく、昨シーズン途中からは偽SBなども試していました。
しかし、うまくはまることなく、シーズン終盤は勢いも落ちていた印象でした。
そんな新潟ですが、今年は快進撃を続けています。
ここまで2列目の選手たちの活躍が目立ちますが、大きく変わったのはボランチの動きではないかなと個人的には思います。
特に山口から加入した高は攻守に活躍していて、やはりジェフも狙ってほしい選手だったのではないかといった印象です。
後方からパスを繋いでいく際に、ボランチの1人は中央に残りますが、1人はハーフスペース後方に位置取りをする。
これによってハーフスペースで2列目や前線の選手とパス交換をしたり、開いたSB、間で受けるSHとボランチでトライアングルを形成。
そこから前を向く選手を作って、攻撃を構築していくイメージです。
5レーンの理論でハーフスペースを狙ってくるサッカーをしている新潟ですが、やっていることは非常にシンプルだと思います。
中盤で選手の距離感が良くそこでテンポよくパスを繋ぎ、トライアングルなどを形成して相手の守備を掻い潜る。
チームによってはハーフスペースを狙うことが主眼となってしまったり、ハーフスペースを取ることだけで一杯一杯になってしまうところもあると思いますが、新潟は自然とハーフスペースを使いながらゴールに向かったサッカーができている印象です。
また、昨年は脆さのあった守備に関しても改善し、高い位置でボールを奪てのハーフカウンターも武器となっています。
昨年に比べて前線から中盤まで走れる選手が増えたことによって、組織的な守備が構築できているのではないでしょうか。
新型コロナウイルスの影響もあって外国人選手が減ったことがマイナスに働くのではないかと思っていた新潟ですが、アルベルト監督のサッカーを実現するには意外と日本人選手ベースの方が良かったのかもしれません。
ここまでの成績だけ見ると、苦戦も予想されるジェフですが、1つ朗報なのが新潟がここまでの試合で引き分けた相手で、栃木、相模原はどちらも守備に特徴のあるチームです。
特に今年の新潟は機動力を武器にしている印象ですので、スペースを消されると弱いところがあるのかもしれない。
鈴木孝司、ロメロ・フランクなど、一部選手に負傷者が出ているようで、その影響も気になるところです。
また、5レーンを仕掛けてくる新潟ですが、それに対して5バックのシステムなら比較的対応しやすいのではないかと思います。
5バックと言っても全体を等間隔で守るのではなく、スライドをする必要もありますが、人数合わせという観点でいえば相手を捉えやすいのではないでしょうか。
特に本間や高木善朗といった好調な2列目の選手たちを、自由にさせないことが重要ではないかと思います。
相模原戦を0‐1で落としたジェフですが、攻撃的なパスワークを展開した水戸相手には1-0で勝利しています。
その守備が新潟相手にも通用するかどうかが、何よりも見どころではないでしょうか。
水戸は後方でのパスミスも多いチームなだけに、うまくジェフの戦い方がハマったのか。
それとも、他のパスワークを展開するチーム相手にも、有効な戦い方なのか。
そこが今後のジェフを占う上でも、非常に重要な分かれ目となるかもしれませんね。
このまま3バックが定着するかどうかに関しても、ここからの数戦にかかっているのかもしれません。