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北九州戦で途中出場した福満がチャンスメイク

 ゴールから遠ざかっているジェフですが、北九戦後半からは相手の運動量も落ち、ジェフが押し込んでいきました。
 特に左サイドからの攻撃が多かったように思います。

 74分にはセカンドボールに対応した田口が、ヘディングで福満にパス。
 福満がスルーパスを出してサウダーニャが裏を取って中央へつなぐと、末吉が合わせますがゴールの右を逸れます。
 末吉は厳しい体勢でのシュートでしたが、惜しい展開でした。


 特に福満のスルーパスまでの動きが、素晴らしかったと思います。
 後方からのボールに対して、外に開きながら受けることで、相手のプレッシャーをかわして前を向く。
 そこからサウダーニャの動きをよく見て、正確なスルーパスを出しています。

 このプレーからしても福満はポジショニングがうまい上に、相手の嫌なところをついてパスを出せるところが大きな強みだと思います。
 それだけピッチの全体が正確に見えているのではないかと思いますし、賢くプレーできる選手なのでしょう。
 テクニックもさるものながら、テクニックを活かすための能力の高さを感じるところがあります。


 ただ、福満の出場時間は減少しています。
 今季ジェフに加入した福満は開幕戦でいきなりスタメン出場を果たし、第10節まではレギュラーとしてプレーしていました。
 しかし、それ以降はスタメンでの出場機会を得られていません。

 そこは単純にチームが3バックに変更したことによる影響が、大きいのではないでしょうか。
 4‐4‐2だと前方に4枚がいることになりますが、現在の3-4-2-1だと前線は3枚。
 見木、船山の調子が良いこともって、福満が押し出されたところもあるでしょう。


 また、シャドーだと守備で下がってスペースを埋めつつ、前方へプレスにも行かなければいけないため、スタミナやスピード、守備力なども問われることになる。
 特に現在のジェフの場合はWBが低くポジション取りをするため、シャドーは広範囲を守らなければいけませんから、消耗が激しいところがあります。
 昨年の福岡でも90分間の出場は少なかった福満ですから、タフな仕事を求めるには不安があるのかもしれません。

 加えて、シャドーだと4-4-2のSHよりも、得点力が求められると思います。
 しかも、ジェフの場合はパスワークでの崩しよりもクロスからの攻撃などが多い印象ですから、ゴール前での競り合いを求められる部分もある。
 福満は得点力が高いタイプではないと思いますし、競り合いよりもむしろ相手との接触をうまく避けることがうまい選手でしょうから、FWもこなせる船山や好調な見木と比べると厳しいところがあるのかもしれません。


 加えて、1トップのサウダーニャはゴール前にどっしり構えるのではなく、サイドに流れがちな傾向がある。
 上記したチャンスシーンでも、サウダーニャはサイド寄りの位置で縦に仕掛けているため、シュートは外から中に入ってきた末吉が打つことになった。
 サウダーニャがサイドに流れるのであれば、余計にシャドーの得点力が重要ということになりますね。

 また、単純に4バックの頃は福満、見木、岩崎などで、パスワークでの打開を狙っていた印象もありました。
 しかし、3バックになってからはサイド攻撃がメインになっていった印象ですので、パサータイプの福満の良さが出しにくくなったところもあるのかもしれません。
 基本的に尹監督はパスサッカーというより、クロス攻撃などフィジカルを駆使したサッカーを志向するタイプだと思うので、相性としてはあまりよくないのでしょう。


 それでも北九州戦では可能性を見せていたので、今後チャンスはまた増えていくのかもしれません。
 チームとしても最近の試合では途中出場する選手の顔ぶれが、若干変わってきた印象があります。
 その原因の1つには、6月9日に天皇杯を挟んだこともあるのではないでしょうか。

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 この試合以降、末吉、熊谷などの途中出場が増え、矢田も北九州戦で初出場を果たしていますし、選手の序列が変化しつつあるのかなと思います。


 逆に出場機会が減っているのは、ブワニカ、ソロモン、大槻など前線の選手たちが中心。
 ブワニカやソロモンはユース代表での離脱もありましたが、サウダーニャが前線の軸となっているため、他のFWにチャンスが回ってこないところがあるのでしょう。
 サウダーニャももう少し休ませたいところではないかとも思うのですが、他に攻撃の形が作れていないだけに、外したくても外せない状況になっている印象もあります。

 ブワニカ、ソロモンは一時波に乗り切れるかなとも思っていただけに、ちょっと残念なところもありますね。
 昨年のソロモンもそうでしたが、尹監督は若手にチャンスはあげるものの、そこから勢いに乗せてあげるという点においては苦手なところがあるのでしょうか。
 ブワニカやソロモンのようなパワー系選手もいれば、福満のようなテクニカルな選手もいるわけですから、選手交代なども含めて得点力不足に対する打開案を見つけ出してほしいところですね。