先週末対戦した相模原は、基本的に守備的なサッカーではありましたが、ボールを持てば丁寧にパスを繋いできていました。
多彩なビルドアップの形を見せ、ジェフ対策も取ってきたように思います。
特に印象的だったのが、18分のシーン。
相模原は一度右サイドを縦につないで、後方へ戻します。
図の通り、星、川崎、木村とつなぐと、木村が大きく展開。
前の空いた白井が持ち上がり、左サイドから攻め込んだ流れでした。
先週も話したように、3‐4‐3でプレスをかけるジェフですが、サイドに持ち込まれると同サイドのシャドーがサイド後方に下がって守る。
そして、残りの1トップと1シャドーが中央に残って、2枚でプレスをかけて行きます。
ただ、この状態だと片方のシャドーが欠けた変則的な5‐3‐2ともいえ、今回の図のように白い円のエリアがぽっかりと空いてしまいます。
連戦で動きの重かった長崎はそこをうまく突けませんでしたが、相模原はしっかりと分析してきたようにも思います。
相模原はパスワークは距離感も良く、テンポよくショートパスを繋いで決ました。
さらに、図のシーンではボランチの川上が大きく後退し、木村のビルドアップをサポートしています。
川上が下がることによって木村のパスコースを増やした上、矢田を引き出し白井をフリーにしたことになります。
さらに前半途中からはあえて3バックが中央に集まって、ジェフの3枚でのプレスを受けて立つビルドアップも実施してきました。
これによって1トップ2シャドーを後方に引き出してから、薄くなった中盤へと繋ごうという狙いがあったのではないかと思います。
ビルドアップの工夫と、徹底したジェフ対策と、パスワークに対する自信を感じました。
これに関しては、昨日も取り上げたように、3バックからボランチに繋いだところで、小林が潰しに行っています。
これを受けて、後半からは3バックでのビルドアップをやめて、今度は右CB白井が外に開き、残りの2CBでパスを繋ぐなど、様々な動きを見せてきました。
これらしっかりと、練習から準備してきたのではないかと思います。
こういったビルドアップから、決定的な形が作れた回数は少なかったと思います。
しかし、結果的にジェフの1トップ2シャドーを後方に引き出したり、左右に揺さぶることに成功した。
これによって、後半の早い段階から1トップ2シャドーに疲労の色が見え、相模原の終盤の巻き返しに繋がったのではないかと思います。
結果的にボディーブローのように効いてきたところがあるのではないかと思いますから、目立ちはしなかったものの相模原の丁寧なビルドアップは試合において重要な要素だったのではないかと思います。
今後こういったハイプレス対策をしてくる相手チームも出てくるかもしれませんし、ジェフとしてはどう立ち回っていくかが課題となりますね。