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現在ジェフが5連勝中の金沢 若手がチャンスをモノにできるか

 前節山形戦では新型コロナウィルスの影響もあり、多くの選手を欠きながらなんとか0‐0の引き分けで終えたジェフ。
 次節はアウェイで、金沢と対戦します。

 一昨年は18位、昨年も17位に終わっている金沢ですが、今年も柳下監督を継続。
 監督は変えずコーチ陣を入れ替えてリフレッシュを図ったそうで、前群馬監督の工藤コーチや金沢U-18監督だった辻田コーチが就任しています。
 ただ、スタイルは大きく変わらず、マンマーク気味の守備からのカウンターと、サイド攻撃が特徴と言えるでしょう。


 選手も一部入れ替わり、ボランチ大橋や左SB渡邊泰基、CB石尾やFW瀬沼などが退団。
 ただ、広島からレンタル移籍したボランチ松本大弥や、鳥栖からレンタル移籍したCB松本大輔など、若い選手がしっかりと穴埋め。
 左SBにも以前金沢で復帰した毛利が湘南から復帰し、レギュラーとしてプレーしています。

 注目は栃木から加入した、ベテランFW豊田だと思います。
 豊田が前線の軸になったことによって、より高さをターゲットにする展開が増えた印象で、チームとしてやることが明確になったのではないでしょうか。
 山形から加入したFW林誠道もシュートセンスがある選手で、前節町田戦でも先制ゴールを決めています。

 ただ、今季の金沢はここまでのところ2分1敗と、まだ勝ち星がありません。
 町田戦も前半のうちに先制したものの、後半からは運動量が落ちて失速し、1‐2で逆転負けを喫しています。
 アグレッシブな守備から流れを掴もうとする金沢ですが、それが90分は持たず流れが悪くなるとズルズルと後退してしまう傾向がある印象です。


 一方のジェフは前節山形戦において、多くの選手を欠きながら0‐0の引き分け。
 5‐3‐1‐1で守備的に戦い、相手対策を徹底して山形のパスサッカーを封じた展開でした。
 ただ、あくまでも主力を大勢欠いた中での戦い方であって、これを今後も実施していくのか、今後に繋がる試合内容だったのかと考えると疑問も残ります。

 尹監督も試合後に「手応えがあったのでは」と聞かれて、「『今日のゲームにおいて』という意味ではいい試合ができた」と答えているように、あくまでも山形戦での戦い方は特例であり、普段からやろうとしているサッカーとは違ったのではないかと思います。

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 同じような点で、若手が伸びてきたとか、選手層が厚くなったという意見も目にしましたが、ここ2試合をもって若手選手が台頭してきたと見るのはまだ早いでしょう。

 ジェフは前々節琉球戦で4人、前節山形戦ではさらに5人を追加して、9人もの主力候補が抜けています。
 顔ぶれを見ると、田口、秋山、米倉、高橋、熊谷、小林、末吉、高木、鈴木と錚々たる面々で、この選手たちが復帰すれば当然若手選手などは厳しい状況となるはず。
 言い方を変えると、こういった異例のアクシデントがなければ若手選手の出番もなかったでしょうから、若手選手が成長してチャンスを得たとは言い難いと思います。


 過去数年においても、北爪、溝渕、杉山、乾、岡野など、若くして出番を得た選手たちは少なくありません。
 問題なのはそこからどれだけ伸びて、十分な戦力となって戦えるようになるかですから、チャンスを得て可能性を見せただけでは、まだ何も成し遂げていないのと同じこと。
 さらに他クラブでは新外国人選手が合流し始めているようですから、ジェフでも今後はより厳しいポジション争いが待っていると思いますし、ここからが大事だと言えるでしょう。

 先週は総勢9人もの選手が離脱しており、ダニエルとチアゴもまだ間に合わないのではないかと思いますし、明後日の試合ではまだ若手選手のチャンスが続くのかもしれません。
 今のうちにプロの試合に慣れて、離脱組が復帰してもやれるんだというアピールを見せられるか。
 若手選手とは言ってもピッチに入ればベテランも若手も同条件のライバルですし、強い気持ちで戦える選手が求められるのではないかと思います。


 アピールにおいて、一番確実なのはやはり結果でしょう。
 ゴールやアシストはもちろんのこと、試合に勝つことで自らの価値を存在付けたい。
 特に金沢は現在ジェフが5連勝中と相性が非常に良く、今年の成績も出ていないわけですから、全選手が戻らなくても勝ち星を狙いたい試合となるはずです。

 クラブ単位で見てもこれまでに可能性を感じる若手は多数存在していたにもかかわらず、なかなかモノにしきれず終わっている状況です。
 その結果、チームとしても停滞感が生まれて、伸びしろという点で物足りない部分もあったのではないでしょうか。
 それだけに、現在の状況はさすがに想定外ではないかとは思いますが、ピンチをチャンスに変えて欲しいと思いますし、今まで恵まれ過ぎていた部分もあるクラブですから、いい意味で強烈な刺激となって少しでもクラブが変わってくれればと期待しています。