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サイドに寄って相手を引き付け中央からゴールを奪った水戸戦

 昨日、天皇杯2回戦が行われジェフは金沢に1‐2で敗北。
 ソロモンのゴールで前半8分に先制しましたが、78分に失点すると後半ATに勝ち越し点を浴び逆転負けを喫したとのこと。
 延長に入らなかったことは救いですし、試合数が減ったことにもなりますが、やはり負けは残念ですね。

 しかも、ジェフはU-18の新明も途中出場を果たしたとはいえ、スタメンはほぼベストメンバー。
 対する金沢は完全にサブ組でメンバーが組まれていて、控え選手も5人しか入れていない状況でしたから、悔しい試合結果となってしまいました。
 さらに佐々木も開始早々で負傷交代してしまったようで、また怪我人が増えてしまったことにもなります。


 とはいえ。試合に関しては見れなかったため、これ以上は何とも言えませんので、ブログでは引き続き先週の連戦を取り上げます。
 5月29日(日)水戸戦では、先に失点するも2‐1で逆転勝利。
 特に昨年から狙ってきた、サイドに選手が寄ってパスを繋ぐ展開からゴールが生まれたことが、注目すべきポイントだと思います。

 試合後に話した通り、サイド寄せが昨日したのも相手とのミスマッチがあったと思います。

yukkuriikou.hatenablog.com

 水戸は3‐1‐4‐2のシステムで、守備時は5‐3‐2になる。
 このまま守れば、サイドの枚数は1枚になってしまいます。

 一方のジェフはシャドー、WB、CB、ボランチなど多くの選手が集まって、サイドで四角形を作ってパスワークを狙う形をとっている。
 そのため、水戸は中盤3枚がサイドにスライドして、インサイドとアンカーが外に出て対応していましたが、これだと中盤中央は1枚になってしまう。
 さらに、最終ラインでも左右CBが外に出るため、後方中央も薄くなりがちでした。


 近年の3バックでの守り方は、5‐4‐1になる形がポピュラー。
 それも5‐3‐2だとサイドが1枚になってしまうため、5‐4‐1にしてWBとシャドーの2枚で対応するためでしょう。
 しかし、前半の水戸は5‐3‐2から変化することなく2トップは前で構えていたわけで、人数が1枚少ない状況で後方を守っていたと言っても過言ではないと思います。


 ブワニカのゴールも、このような展開からでした。

 ジェフが左サイドで福満、風間、田口などがパスワークに絡むと、水戸は右インサイドの新里とアンカーの前田、さらに右CB山田がそこに釣られる形となります。
 それによって中盤中央が森の1枚になると、見木はその前を取ってフリーな状況で縦パス。
 これをレオンソがうまくワンタッチで落とすと、ブワニカが豪快にシュートを放ち、ジェフがゴールを決めています。


 レオンソにタビナスと鈴木喜丈の2人が食いついてしまい、ブワニカがフリーになっていったとはいえ、白い円で示したように中央は3対3になっていました。
 これを可能にしたのも、黄色いエリアの左サイドに密集してパスワークを展開したから、相手の守備が釣られたと言えるのでしょう。
 理想通りの展開だったと言えるのかもしれません。

 中央が薄くなったのは、水戸のシステムに問題があったようにも思いますが、さらにジェフはこの試合で見木をボランチで起用していた。
 その見木が積極的に攻撃に出て高い位置を取ることで、いつも以上に中盤中央から攻撃が作れていたように思います。
 さらに、シャドーで起用されたブワニカがFWのような動きをすることによって、ゴール前に人数とパワーが加わった部分もあったのではないでしょうか。


 水戸が後半から4バックに変更したことからもわかるように、前半の水戸のシステムは失敗だったと思います。
 ジェフがゴールを奪えたのもミスマッチの起こっていた前半でしたし、違う相手にも同じような攻撃が作れるか。
 水戸戦でうまくいったからといって、今後も機能するかどうかはわからないと思います。

 ただ、改めてわかったのは、サイドを攻め込むにしても、最終的に攻略しなければいけないのは、あくまでも中央だということ。
 いくらサイドに人数を集めてそこで優位に立ったとしても、その分中央が薄くなってしまったり、中央で勝てない状況になればゴールは生まれない。
 サイドの奥にゴールはないわけですから、いかにサイドを起点として中央を攻略するかが、重要なテーマとなるのではないでしょうか。