プレーオフ進出において大事だった、ライバル山形との試合を落としたジェフ。
これで順位も10位にまで下げました。
6位にまで浮上してきた大分と、ジェフとの勝点差は5。
数字上はまだ可能性が残っていますが、試合数と同数の勝点しか挽回できる可能性はないとも言われることがあります。
ちょうど残り試合数が5という状況ですし、順位的にも厳しい状況ですから、プレーオフ進出はかなり厳しくなってきました。
それだけ山形戦は重要な試合だったと思いますが、今週末もジェフは4位につける熊本と対戦。
プレーオフを争う、ライバルとの直接対決が続きます。
熊本はJ2昇格1年目にして、この成績にいるのは立派ですね。
熊本を率いる大木監督は、今回もパスサッカーを展開。
熊本では3年目の指揮ですが、走れてパスを出せる新人選手を育て上げたことで、大木監督らしさの出しやすいチーム状況を構築したということではないでしょうか。
大木監督は甲府時代もそうでしたが、小規模なクラブを一から作り上げる仕事の方が良さが出るのかもしれません。
攻撃時は3‐3‐1‐3のような特殊なシステムになり、左右SBにはボランチでもプレーできる選手を配置。
中盤後方からパスを出して、テンポの良いショートパスでチャンスを作っていく。
この際、選手たちは流動的に動き回りますが、それぞれに距離間を重視している印象で、トライアングルでのパスワークが印象的かなと思います。
前節岩手戦ではエースの高橋がスタメン復帰。
ここまで12ゴールを上げている高橋は、強さもあって守備にも献身的に動ける選手で、元熊本の巻も思い出すプレースタイルです。
ボール奪取も出来て縦パスも出せるアンカー河原と共にチームと中心となっており、2人はクラブのJ1昇格がなければ個人昇格もあり得るかもしれませんね。
熊本はこの2人を中心に、大木監督が就任してから加入した大卒選手が多く主力としてプレーしています。
これが現在の原動力となっている印象で、ジェフも参考にすべき点があるのかもしれません。
今の熊本はクラブ全体が一丸となって、作り上げたチームといった印象があります。
前節岩手戦は、台風の影響もあって9月20日(火)に行われましたが、1‐0で熊本の勝利。
岩手のカウンターにチャンスを作られるシーンもありましたが、熊本らしい鋭いパスワークも見せてきました。
攻撃回数の割にはゴールが奪えていない印象も感じますが、ここ5試合は4勝1分と好調を維持しています。
対するジェフは、前節山形に0‐2で敗戦。
相手のパスワークに苦しんだだけでなく、後半は攻めてもチャンスが作れない攻撃に大きな課題を感じました。
熊本は山形ほどの確実なパスワークを構築してくるわけではなく、どちらかと言えば前へのスピードや鋭さも交えて勝負を仕掛けてい来る印象があるだけに、ジェフとしては若干戦いやすいところがあるかもしれません。
それでも、その守備からどう攻撃を仕掛けてゴールを奪うのかが明確にならないと、勝利は近づいてこない。
先週の連戦でゴールを決めた田口もやはりプレースキックは一時期ほどのキレがないし、流れの中での攻撃においてはパターンがいまだに見えてこない状況。
熊本も押し込まれると5バック気味になって苦しくなる傾向があるだけに、そこを突けるかどうかがポイントとなるでしょうか。
熊本戦でのジェフは、出場停止でチャンが不在。
田邉も負傷交代していますし、CBの人数的に4バックに変更する可能性もあるでしょうか。
ダニエルも背後への反応が弱点というのがわかってきてしまっていますし、選手のやりくりも悩ましいですね。
ただ、尹監督の退任は決まっていますし、ホームフクアリでの試合もあと2戦。
悔いの残らないよう、残り試合は尹監督のやりたいようにやってほしいところではないでしょうか。