当ブログはプロモーションを含みます

第10節 ジェフ 1-0 東京V 落ち着きある大人な部分も見せて今季2勝目

 ジェフ対東京V戦、ようやくジェフが今季2勝目をあげました。
 ホームでは今季初勝利ということになります。

 この日のジェフは、攻守に落ち着きのあるサッカーが出来たと思います。
 試合前に「もう少し落ち着きがほしい」という話をしましたが、それが見れた試合ではないでしょうか。

yukkuriikou.hatenablog.com

 ジェフがゴールを奪ってからは守備の時間が長くなって、後半からは運動量も減って押し込まれる時間も見られてしまいました。
 ただ、守備でもなるべくボールへいこうという姿勢は見せていましたし、それが一方的な展開にはならなかった理由だと思います。


 本来はもっと前にいきたいという意思があるのかもしれませんが、これでいいのではないでしょうか。
 連戦で気温も上がってきましたし、90分間圧力をかけ続けるのは難しい。
 フルシーズンを通して考えても、プレスだけでは勝てないと思います。

 常勝チームを作るには、「走る」だけでなく、「考えて走る」必要があると思いますし、今後はうまくバランスを見つけられるかに注目ですね。
 本当に久々の勝利となりましたが、ここからが大事ですから、巻き返しのために頑張ってほしいと思います。

■ブワニカのゴールでジェフが先制

 ジェフは呉屋、風間、田中、松田がサブに回って、ブワニカ、椿、福満、西久保がスタメンに。
 控からは、末吉、佐々木が外れて高橋が復帰。
 椿が左、見木がトップ下、右に福満の並びになりました。

 東京Vは先週、梶川が右膝前十字靭帯損傷で全治8か月の重傷を負っています。
 連戦で選手の入れ替えもあり、河村、森田、深澤、山越がスタメン復帰。
 控えに阪野、齋藤功佑、加藤などが入っています。


 7分、ジェフの決定機。
 中盤でボールを拾って、小林が浮き球のスルーパス
 ブワニカ、見木と狙いますが、GKマテウスと山越がセーブ。

 18分にもジェフの攻撃。
 後方からのロングフィード
 ブワニカが落として福満がミドルで狙いますが、GKマテウスの正面。


 試合は序盤からジェフペース。
 これまでの試合のように無理なプレスにはいかず、落ち着いた守備で対応。
 そこからボールを支配して、攻め込んでいきます。

 29分、ジェフが先制。
 鈴木大輔が前に出てボールを奪ったところから、見木へ縦パス。
 そのまま見木が持ち上がってシュートを放つと、こぼれ球をブワニカが押し込んで1‐0。


 先制後は、東京Vがボールを持つ時間帯が続いていきます。
 しかし、ジェフも冷静に守備で対応。
 東京Vは後方から攻撃を伺うも、なかなか縦に入れられない展開に。

 40分、東京Vの決定機。
 ジェフのCKからのカウンターで、マリオがキープしてバスケスへ。
 バスケスが長い距離を持ち上がってシュートを放ちますが、GK新井がファインセーブを見せ1点リードで折り返します。

■後半から運動量が落ちるも0‐1で逃げ切り

 後半からジェフは、前半終盤に痛めた福満に代わって田中を起用。
 東京Vも山越を下げて齋藤を投入。
 林が最終ラインに入り、綱島がアンカーに回って、齋藤がインサイドにへ。

 後半も東京Vがボールを持つ展開は変わらず。
 ただ、ジェフはブワニカと見木の前線に疲れが見え始め、全体のラインが下がりがちに。
 セカンドボール争いも東京Vが優勢でした。


 しかし、ジェフも粘り強く対応し、相手にチャンスを作らせません。
 64分、河村、マリオを下げて、阪野、加藤を投入。
 ジェフも足を痛めた西久保を下げて、松田を投入。

 71分、ジェフは足を釣ったブワニカを下げて、呉屋を投入。
 74分、東京Vはバスケスを下げて、楠を投入。
 ジェフは呉屋のプレスによって、前へ行けるようになっていきました。


 75分、ジェフのチャンス。
 呉屋が高い位置からプレスをかけてボールを奪うと、近くの見木へパス。
 見木がシュートに行きますが、林がスライディングブロック。

 77分、東京Vは守田を下げて山田を投入。
 82分、ジェフの攻撃。
 中盤後方からのFK、一度繋いで受け直した田口が左足で蹴ると、ファーで鈴木大輔が折り返し、新井一耀が狙いますが枠の外。

 90分、ジェフは見木、椿を下げて風間と矢口を投入。
 そのまま風間は前線、矢口は左SHに入りました。
 東京Vはパワープレーを仕掛けていきますが、ジェフが凌いで1‐0で逃げ切りました。

■勢いと落ち着き、勝点に繋がるバランスを

 東京Vは守備時は4‐4‐2、攻撃時は4‐1‐2‐3になる、可変システムになっています。
 これは徳島とも同じシステムということになりますが、プレスのかけ方は徳島戦とは異なりました。

 徳島戦ではプレス時にFW小森が下がって相手アンカーに対応し、左SH見木が前に出てFW風間と2CBへチェイスに行く。
 さらに田口が左前方に出る、変則的な4‐4‐2のダイヤのようなシステムでした。
 攻め込まれると見木が左SHに戻るシンプルな4‐4‐2になることもありましたが、ダイヤ型になる時間も長い守備でした。


 しかし、東京V戦ではシンプルな4‐4‐2をキープ。
 2トップのブワニカと見木が相手アンカーのラインに立ち、相手CBに横パスなどが入ったら対面のFWがプレスにいって、もう片方のFWは残って相手アンカーを見る。
 逆サイドのCBにパスが入ったら、FWが役割を入れ替えて、プレスにいくという形でした。

 徳島戦などのように数的同数のプレスではないため、積極的なハイプレスとは言い難く、高い位置でボールを奪える回数も少なかった。
 ただ、これによって、中央へパスを通させない堅守を構築することができた。
 それにより後半からはサイドを狙われましたが、大外しかとらせず冷静な守備が構築できていたと思います。


 何よりもダブルボランチを維持していたため、田口の裏を取られる回数が減ったことが大きかったと思います。
 前線はFW2枚で相手のアンカーと2CBの3枚を追っていたので、どうしても後半は疲れが出てしまった部分もある。
 しかし、途中投入された呉屋が懸命に走ってプレスに行ってくれたことで、後半途中からは挽回できましたね。

 攻撃時は2列目が右に福満、中央に見木、左に椿という形になりました。
 これまでは右SHにスピードある選手を置いて幅を取り、左SB日高と左右で攻め込む展開を取っていたので、ここも大きな変化だったと思います。
 左SHは椿が入ったため、日高と交互に仕掛けるような形になりました。


 連戦でフレッシュな選手を使いたいという意図もあったのでしょうが、一番の理由は左SHの見木がはまらなかったことなのかなと思います。
 そのため、見木を中央に回して、左SHのスペシャリスト椿が入った。
 そして、攻撃を落ち着かせる選手ということで、風間を休ませて右に福満を置いたのかなと思います。

 椿のドリブル突破はやはり魅力的ですし、右の福満も良いアクセントになっていたと思います。
 途中投入された田中も守備で効いていましたし、こうして選手層が厚くなっていくのが理想ですね。
 あとは見木がゴールを決めればとは思ってしまいますが。


 スタメンの変更もありましたが、基本的には落ち着いた大人なサッカーを見せられたことが、勝ち星に繋がった何よりの要因ではないかと思います。
 新生ジェフは若い選手も多く、勢いを重視して戦ってきた。
 しかし、それだけで勝点に繋がるほど、簡単なものではないという現実もあるのでしょう。

 それを痛感したのが藤枝戦で、あの敗戦を経て、戦い方を調整したということになるのではないでしょうか。
 チームとしては理想とする展開と少し違ったのかもしれませんが、ボール奪取直後など要所要所では縦への鋭さを見せていたのも事実。
 そういった強みを織り交ぜつつも、落ち着きのある大人な部分も見せて、勝点に繋がるバランスを築き上げて欲しいですね。