今週末のジェフは、金曜日に試合が組まれる異例の日程となっています。
普段は試合日の更新は控えているのですが、連戦明けの週ですし以前ほどアクセス数も多くないので、マイペースに金曜まで投稿したいと思います。
火曜から木曜にかけては、1戦ずつ連戦を振り返っていきます。
まず、4月8日(土)に行われた徳島戦は2‐2の引き分け。
小森の素晴らしい裏抜けからのゴールと、オウンゴールかとも思われた呉屋のゴールが生まれた試合でした。
オウンゴールか否かはシュートした瞬間にボールが枠に飛んでいるかで決まるので、相手選手にあたって決まったゴールですが、呉屋の得点となったのでしょう。
しかし、2ゴールを上げた試合ですが、この日は失点の方が気になりました。
2失点目はサイドで抜かれた松田の対応も悪く、柿谷をフリーにしてしまった田口の守備も中途半端になってしまいました。
とはいえ、そこは個人のミスという印象も強かったと思います。
それよりも、西谷に決められた1失点目の方に課題を感じました。
というのも、それまでのジェフはセットプレーからの失点が多かったですが、ここではプレスを掻い潜られてやられています。
この形でやられた失点は、ほぼ初めてだったのではないでしょうか。
その失点を振り返ると、やられたのは11分。
相手後方からのビルドアップで、内田が縦パス。
これを渡が落とすと児玉、坪井と素早く繋いで、左SH西谷に展開されます。
そのまま西谷が持ち上がり、カットインしてミドルシュートで先制。
2失点に絡んでしまった松田ですが、ここは西谷にボールが渡った時点でかなりスペースがあり、外にも中にも選択肢のある状況でした。
対応が難しい場面だったと思いますし、シュートシーンでは小林などのカバーも甘く、2人の間を通されてしまった形になります。
この失点に関しては、西谷にボールが渡るまでの守備に問題があったと言えるでしょう。
渡が落として西谷に渡るまでの流れで、児玉も坪井もフリーで前を向ける状況になっていた。
そのような守備では、ピンチに陥るのも当然。
図の通り、ジェフの中盤はかなり前のめりになっており、その裏を突かれたことになります。
この日のジェフは、プレス時に徳島の4‐1‐2‐3に対して、FW小森が下がってアンカーを見る。
そして、左SH見木が前に出て、FW風間と共に2CBを負う積極的な展開でした。
徳島は2CBとアンカーからビルドアップを開始するので、そこを封じようという狙いでしょう。
その分、左ボランチの田口が前寄りになって、右インサイド児玉をケア。
結果的に中盤がダイヤになる4‐4‐2に近いシステムでした。
そこから持ち込まれると、見木が左後方に下がるシンプルな4‐4‐2になる約束事だったのでしょう。
しかし、中央に選手が集まる4‐4‐2のダイヤに対して、相手の攻撃時は4‐1‐2‐3。
徳島の左右サイドは2枚となります。
ジェフは中央では厚みがある分、サイドで数的不利になってしまう。
そこでジェフは見木が相手右SBを見つつ、相手右CBも追う形を取っていました。
さらに右サイドでも、田中が相手左インサイドをケアしながら、相手左SBも対応していた。
これが図の黄色のエリアで示した形ですね。
その時点で難しい状況に思えますが、パスの出所である相手の2CBとアンカーにハイプレスをかけることと、相手2選手の間に立ってコースを消しながらプレスに行くことで、見木と田中がうまく対応していました。
しかし、失点シーンでは相手右SB浜下が下がって受ける立ち位置を取ったことによって、見木が迷って内田の前を空けてしまった。
さらに田中も戻り切れず坪井もフリーになったことで、プレスの穴を抜かれてやられてしまったことになります。
続いて行われた、水曜日の藤枝戦でもプレスを搔い潜られて失点しています。
藤枝は3‐2‐4‐1のシステムなのに対し、ジェフは左SH見木が前に出る変則的な4‐3‐3でプレスにいっていた。
そのため、ジェフの左サイドには日高1人になりがちだったわけですが、そこを狙って藤枝は右WB久保と右シャドー岩渕がサイドに流れて、試合序盤からチャンスを作っていきました。
1失点目も久保が、中央に絞っていた見木の横を持ち上がったところから。
2失点目も見木の横から、久保が裏へのロングパスを出して失点。
3失点目は0‐2になって前掛かりになった中盤の裏を取られてやられた形でしたが、いずれにせよプレスにいこうとした裏のケアが出来ていない試合だったと思います。
藤枝戦は3失点もしたので守備の問題が目立ちましたが、こうなる予兆は徳島戦からあったと思います。
徳島戦では運動量をベースにハイプレスで課題を隠せていましたが、組織的な問題は既にあったのではないでしょうか。
私も徳島戦後に、守備の不安に関して触れていました。
徳島戦での見木と田中が2人を見る4‐4‐2のダイヤに関しても、藤枝戦での左SHがいない4‐3‐3に関しても、かなりリスキーだったと思います。
プレスにいくにしても、バランスを考えた追い方が必要なのではないでしょうか。
それだけに3試合目の東京V戦は守備的な展開になってはしまいましたが、プレスにいきつつバランスを取ろうという意思を感じられたのが良かったのではないかと思います。
そもそも徳島戦、藤枝戦は、前へ人数をかけすぎてしまった印象がある。
そのため、そこまでの試合では見られなかった、プレスを搔い潜られる展開でやられてしまったのかもしれません。
その背景にはゴール数が伸びないことによる、焦りもあったのではないかと思います。
ただ、良い攻撃は作れていたはずですし、東京V戦で1勝をあげられたことで、また流れも変わってくるかもしれない。
まだまだ先はわかりませんが、何とか良いバランスを見つけて欲しい状況ですね。