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第4戦アゼルバイジャンGP 市街地に強いペレスの優勝 角田もポイント獲得

 ゼロコロナ対策の影響で中国GPが中止となり長い中断となったF1ですが、その間にさまざまなニュースがありました。
 まず、来年から長年アルファタウリの代表を務めてきたフランツ・トストが退任し、フェラーリのレーシングディレクターであるローレン・メキースが就任するとの発表が。
 また、CEOとして、FIAでF1エグゼクティブディレクターを務めた経験のあるピーター・バイエルも加入するとのことです。

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 アルファタウリはレッドブルの総帥ディートリヒ・マテシッツが亡くなったことで身売りの噂も出ており、今回もその影響があったのかもしれません。
 角田としては、慕われて代表が抜けることになります。

 ただ、トスト代表が角田を持ち上げていたのは、昨年途中までだった印象もあります。
 昨年途中からガスリーと接戦を演じることが増えた角田ですが、以下のようなこともありました。

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「再スタートの際に(チームメートのピエール・)ガスリーと争うな」というチームオーダーともとれるチームからの指示について、次のように語った。
「メンションはしておきました(ひと言、言っておきました)が、話し合うまでには至っていません。話し合うというか、あれはフランツ(・トスト代表)の指示だったので、チームも何も言えなかったんじゃないですか」

 この言い方からして、チームと代表の間には距離が出来ていたのかもしれません。
 また、今年に入ってからはトスト代表が「エンジニアを信用できない」という発言もしています


 実際、エンジニアリングにも問題はあったのでしょうが、代表がここまで言うのは異例。
 昨年から燻っていた身売り騒動もあって、トスト代表自身に焦りがあったのかもしれません。
 ただ、それを表に出してしまうのであれば、潮時なのではないでしょうか。

 トスト代表にも同情すべき点はあって、そもそもアルファタウリは前身が最下位常連のミナルディでした。
 小規模チームであることは今も変わりなく、多くを望めるチームではないでしょう。
 にもかかわらず、2020年に7位、2021年に6位にまで順位が上がったことで、期待が大きくなり過ぎていた部分もあったと思います。


 もう1つ、大きなニュースとして、アゼルバイジャンGPで行われたF1スプリントのルール変更がありました。
 これが開催2日ほど前に決まるのだから、日本人的な発想だと恐ろしいことですね。

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 一昨年から一部GPで導入されていたスプリント予選では、金曜にスプリント予選のための予選を行い、土曜にスプリント予選を実施して決勝グリッドを決めていました。
 しかし、それだとスプリント予選は無難に走るドライバーが多い上、金曜予選後の土曜午前にFP2を実施するため、FP2が活用しにくいという意見もありました。

 そこで、今回から金曜午後は通常の予選を行い、決勝のグリッドを決める。
 土曜の午前はQ1とQ2にミディアム、Q3にソフトと、タイヤを限定したスプリントレースの予選を行う。
 そして、土曜午後に決勝とは独立した、スプリントレースを行うというルールになりました。


 FP2は排除し土曜のスプリント予選とスプリントレースは、独立する形をとったことになります。
 ただ、ややこしいルールになりましたし、スプリントでダメージを負えば、より日曜の決勝に悪影響を及ぼしてしまうことには変わりない。
 そもそもは金曜の観客数増加や注目度の低いフリー走行を減らしたいという意向もあるのでしょうが、わかりにくいルールではあまり効果がないようにも思います。

 ドライバーの中でも肯定派と否定派がいるようですが、フェルスタッペンなどは初めから反対の意思を表明しています。

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 個人的にも通常の予選・決勝の価値を下げる結果になりかねないように思いますし、実際に始まるとポイント数も価値も低いスプリント予選とスプリントレースは流し見でいいかななんて思ってしまいましたから、あまり興味は引かれませんでした。
 ただ、多くの娯楽がある現在、F1もファン獲得のため色々なチャレンジをしようという気持ちは大事なのかもしれません。


 ということで、時系列の通りに追うのも面倒になってしまいましたので、まずはスプリントレースを取り上げます。
 角田はスプリント予選でアタックをしようとしたところ、チームメイトのデフリースにイエローで止められ、最後のアタックもウイリアムズのサージェントのクラッシュによる赤旗でタイムを出せず、18位に終わってしまいました。
 新人にとっては、難しいコースだったのでしょうか。

 また、スプリント序盤にも、デフリースと接触フロントウイングを破損したことでクラッシュ。
 その後、復帰したものの、マシンがまともに動かず、リタイアとなっています。
 なお、角田が無理に復帰したためセーフティーカーが出てしまい審議対象となりましたが、角田は復帰は無理だろうと無線で伝えていたにもかかわらず、チームが強引に出したという経緯があったようです。

 スプリントレースの優勝はペレスでした。
 フェルスタッペンは、序盤にラッセルと接触しダメージを負い3位に。
 2位はルクレールで、スプリント予選でも1番手と、ここでは好調でした。


 話は戻って金曜の予選。
 角田はスプリント予選で使う計算のソフトも使ってQ3まで進出し、8番手という素晴らしい結果を残します。
 決勝でもスタートで若干順位を落としますが、序盤は10位ポイント圏内を走行していました。

 しかし、ピットに入った後にデフリースがウォールに接触しマシンを止めてしまい、セーフティカー導入に。
 タイミングが悪く、12番手まで下がってしまいます。
 それでもレースペースは落とさず粘りの走行を見せると、最後はヒュルケンベルグ、オコンを上回り、10位でゴールとなります。

 抜いた2人はタイヤ交換をしておらず、ペースも完全に角田が上ではありました。
 しかし、ヒュルケンベルグを抜く際にはピタッと後ろにつけて、オーバーテイクを図る確実なパッシングを見せるなど、目立った活躍を見せたように思います。
 何よりもミスなく安定した走りを見せていたことが、ここでは重要だったでしょう。


 上位勢では、ルクレールがフェルスタッペンを上回りポール。
 しかし、決勝ではレッドブルの2台に先を越されます。
 ただ、ここではフェルスタッペンのピットタイミングが合わない不運もあって、ペレスが1位、2位がフェルスタッペン、3位にルクレールという順でした。

 結果的に第4戦も、レッドブルが強さを見せたレースでした。
 フェラーリもここでは健闘しましたが、レッドブルはどのコースでも、どういった状況でも強いというのが、王者の風格ですね。
 現状で怖いのはトラブルくらいでしょうか。

 しかし、この週末で先行したのはペレスの方で、フェルスタッペンは不運もあったとはいえ若干苦戦しています。
 市街地に強いと言われていたペレスですが、ここまでくると本物なのでしょうか。
 今週末には連戦でマイアミGPを実施という過酷なスケジュールになりますが、2週連続の市街地ということでペレスとフェルスタッペンの対決にも注目ですね。