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5月1日、オシム監督の命日に、『オシムの遺産(レガシー)』という新書が発売されたそうです。
勇人、羽生、祖母井さん、間瀬さんなどが、この本に関わっているとのこと。
同じ日には勇人らが臨海でサッカー教室を開催。
「JAPANIZE FOOTBALL」という活動を始めるとのことで、今後の活動も気になるところです。
特に日本でのオシムサッカーは病に倒れてしまったため、意外と総括は少ないですから、語り継ぐのも難しい部分があるかとは思いますが、頑張ってほしいです。
山口戦ではそのオシム監督と入れ替わる形で、2007年にジェフへ加入した米倉がゴールを決めました。
試合終盤は山口の足が止まって、ジェフが何度もチャンスを作りますが、とどめを刺せず勝点3を逃しました。
ただ、終盤の猛攻で有耶無耶になりそうですが、そこまでの流れは課題も少なくなかったと思います。
特に攻撃面において、行き詰まりの目立つ展開となってしまった印象です。
ハイプレスを諦めただけに、攻撃面で武器を作れないと、強みのない平凡なチームになってしまいます。
敗戦は免れましたが、まだ軌道に乗ったと言える段階ではないように感じました。
■両チームとも動きの少ない前半に
ジェフは出場停止明けの呉屋がスタメンに入り、末吉も左SHで先発復帰し、高橋が今季初スタメンで、ブワニカ、風間、椿が控えに。見木が前線に戻り、攻撃時は高橋が前に出る4‐1‐4‐1に。
サブから矢口、新明が外れて、米倉が今季初のメンバー入り。
山口は池上、小林が控えに回り、ベテランの山瀬、松橋がスタメンに。
ベンチから高木大輔、梅木が外れています。
19歳の河野、20歳で川崎からレンタル中の五十嵐などが先発出場中です。
立ち上がりは、ジェフが攻め込む流れに。
主に中盤でのボール奪取から、ゴールを狙う。
しかし、攻め込んでもチャンスまでは作れず。
すると、13分、山口のチャンス。
右サイドでパスを繋いで、吉岡がクロス。
松橋がヘディングで狙いますが、バーの上。
この攻撃から山口がペースを握り、16分にも山口の攻撃。
右でパスを繋いで、中央の矢島が展開して、左から沼田がクロス。
吉岡が頭で合わせますが、枠の外。
39分にはジェフの攻撃。
小林が、中盤で1人をかわしてスルーパス。
末吉の仕掛けのこぼれを見木が狙いますが、相手にあたってゴールならず。
前半終盤は、再びジェフがボールを持つ時間に。
しかし、攻撃に決め手を欠き、動きの少ない前半となりました。
■先制を許すも終盤のゴールで引き分け
54分、ジェフの攻撃。右サイドの西久保からのロングスロー。
こぼれたところを高橋が狙いますが、GK吉満の正面。
その直後、山口は山瀬を下げて神垣を投入。
後半序盤はジェフペース。
前への圧力を増して攻め込んでいきますが、チャンスまではいけません。
64分、ジェフは呉屋、田中、末吉を下げて、ブワニカ、米倉、椿を投入。
66分、山口は河野、松橋を下げて、皆川、小林を投入。
その後は、山口が攻め込んでいきます。
すると、70分に山口が先制。
小林が左サイドで神垣とワンツーを仕掛け、西久保をかわしてクロス。
ニアで皆川が触ると、ループ気味のシュートになってゴール。
失点したジェフは、勢いを上げていきます。
74分、ジェフは高橋を下げて風間を投入。
78分、山口は五十嵐、吉岡を下げて、池上、野寄を投入。
85分、ジェフの攻撃。
右サイドからのCK。
風間が蹴るとニアで米倉が狙いますが、枠の外。
試合終盤、山口の足が止まると、89分にジェフが同点ゴール。
ジェフのセットプレーの流れから、ボールを拾って風間が縦パス。
米倉がゴールの右からシュートを放ち1‐1。
90分にもジェフの決定機。
西久保のクロスから、米倉が強力なヘディングシュート。
しかし、GK吉満がセーブ。
94分にもジェフのチャンス。
西久保のアーリークロスから、ブワニカが相手の前を取ってシュート。
しかし、GK吉満がセーブ。
95分にもジェフの決定機。
カウンターから椿が持ち上がり、米倉がクロス。
ブワニカがボレーで狙いますが、ポスト直撃でこれも決まらず、1‐1の引き分けに終わりました。
■パスワークを強みとするのか模索は続く
攻撃時の山口は4‐1‐4‐1でパスを繋いでいく。それに対して、ジェフは相手アンカーの位置で2トップが立って、そこから呉屋が前へ出ていくプレスでした。
基本的には、バランス重視だったと思います。
しかし、相手GKがビルドアップに絡む時には、人数を合わせるため、左SH末吉が前に出ていくこともあった。
徳島戦、熊本戦では相手GKが参加したパス回しからやられているので、それを考慮してのことかなと思ったのですが、後半からは相手GKが絡まずとも、末吉がプレスに行くことが増えました。
解説の元ジェフ中島浩司も話していた通り、末吉が前に出る分、相手SBに対しては日高が出て、相手SHには鈴木大輔がスライドして対応する形でした。
ただ、前からチェイスにいったものの、高い位置でボール奪取する回数はそこまで多くなかった。
それよりもプレスからコースを限定して、中盤で奪う形だったと言えると思います。
そのボール奪取から、後半はボールを保持して攻め込む流れが作れたのだと思います。
しかし、プレスにいけていない時の守備には、前半から怪しさがあった。
2トップが相手アンカーへのコースを消しつつ前にいく形でしたが、これだとどうしてもCBからのビルドアップに対して、一歩遅れることが増える。
CBヘナン、CB前、GK吉満は足元の技術のある選手たちですから、少しでも隙を見せるとそこから攻め込まれて相手の流れになってしまう。
そして、失点の生まれた時間帯も、前からのプレスがはまらず押し込まれて、全体がずるずると下がってやられてしまいました。
相手は主力選手を投入し、流動的に動くことで、中盤でフリーな選手が多く生まれていった。
逆にジェフは選手の入れ替えでプレスにもいけていなかったし、スタメンの足も止まっていた時間帯だったと思います。
攻撃面においても、この日は攻め込んでもチャンスまで作れきないことが多かった。
やはり風間を外すとパサータイプがいないため、2列目の間で受けて前を向くプレーが少なくなるし、2列目の中央で起点が作れなくなり、攻撃に落ち着きも生まれない。
サイドでのドリブル突破とセットプレー頼りの攻撃になってしまい、ごちゃごちゃとした慌ただしい攻撃ばかりになってしまいますね。
ただ、風間もタフなタイプではないということで、連戦でのスタメンは厳しいと判断されたのでしょうか。
前節の試合後にも話しましたが、風間のライバルになるような存在が何人か欲しいところですね。
しかし、その風間をなかなか投入しなかったこと。
前節大宮戦前は2試合スタメンではなかったことも考えると、風間をそこまで評価していないのでしょうか。
この日の交代も先にサイドから動きましたし、サイド攻撃をメインに考えているのか。
ただ、サイドからの攻撃はかなり強引なドリブルが多いですし、それだけではどこかで頭打ちにあってしまうと思います。
クロスを上げても高さのあるFWが少ないですし、より確実にパスワークから崩す展開を狙うべきではないでしょうか。
実際、後方からのビルドアップはうまくいっていると思いますし、風間が入ればパスワークからの崩しも狙えていると思います。
ただ、ここまでの選手起用だと、パスワークを武器にしたいと考えているのか、わからないところがあります。
それによって冒頭に話した、「強みのない平凡なチーム」になりかねないのではないかという不安にも繋がります。
もちろん風間を使えばいいという問題だけではないでしょうし、風間頼りのパスサッカーでは心許ないこともも事実ですが。
改めて、どこにこだわりを持つのかという話になるのかもしれませんね。
そこを確立できない限りは、勝っても負けても安定はしないし、軌道に乗るのは難しいのではないでしょうか。
まだまだ、新チームの模索は続くということになるのかもしれません。