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第20節 水戸 4-1 ジェフ 守備が崩壊し追加点も奪えず自滅感の強い大敗に

 町田、仙台と敗れたジェフは、水戸にも敗れてしまいました。
 しかも、1‐4で大敗。
 ここからの巻き返しを期待したのですが、逆に今までの課題が全て出てしまったように思います。

 守備ではマンマーク気味の対応をしたいのであれば、マークをしっかりと明確にしなければいけないし、個々の粘り強い対応も必須となる。
 しかし、この日はどちらもうまくいかず、中途半端な対応で相手を自由にさせてしまいました。
 ジェフはマンマークということもあって、これまでの試合でも相手が流動的に動き回るとマークを捉えきれなくなる傾向にありますが、その問題が出てやられてしまったように思います。


 さらに攻撃面においてても、追加点が奪えなかった。
 特に後半序盤はジェフが攻め込む時間も多かったにもかかわらず、チャンスを作り切れなかった。
 あの時間にゴールを奪えなかったことが、非常に大きかったと思います。

 この日は高い位置までボールを持ち込める回数が多かったですが、その分アタッキングサードでの質の問題を感じてしまいました。
 迷って個人技で仕掛けるような選手が多く、連係プレーで打開するというようなシーンはほぼなかったですね。
 そこが水戸との大きな差だったのではないでしょうか。

■小森の先制ゴールも追いつかれ1‐1で折り返し

 ジェフは前節仙台戦から風間が右SHで復帰し、新明がメンバー外。
 控えから矢口、末吉、ブワニカが外れて、日高、熊谷、呉屋が戻りました。

 水戸は大幅にメンバー変更。
 FC大阪への期限付き移籍から復帰した松田佳大や、ハノーファーU-23にレンタル移籍が決まった松田隼風がスタメンに。
 浦和からレンタル中の武田英寿は、ボランチに入っています。


 5分、水戸のチャンス。
 中盤で武田からの縦パスを、小原がさらに前へ。
 前田がバイタルエリアで前を向き、ミドルシュートを放ちますが、ゴールの右を逸れます。

 立ち上がりはジェフがプレスをかけて行きますが、それを掻い潜って水戸が中盤からパスを繋いでいきます。
 ジェフも後方で相手を引き付けて、間を取るパスワークを狙っていきます。
 どちらも守備には不安を感じる、殴り合いの展開に。


 15分、ジェフが先制
 松田から2トップ裏の小林がパスを受け、椿を目がけたスルーパス
 椿が低いクロスを上げると、小森がトラップで浮かせてボレーシュートを決めて1‐0。

 20分、水戸のチャンス。
 前田からの展開で、パスを受けた鵜木が前線へスルーパス
 草野が飛び込んでシュートに行きますが、鈴木大輔がブロック。


 26分にはジェフの攻撃。
 中盤で高橋と小林が囲んで奪い、見木が持ち上がります。
 そのままミドルシュートを狙いますが、GK春名がセーブ。

 31分にもジェフの攻撃。
 中盤の右で得たFK。
 風間が壁の脇を狙ったシュートを放ちますが、GK春名がセーブ。


 得点後、徐々にジェフのラインが下がっていき、33分に水戸が同点ゴール。
 サイドチェンジのパスを受けた長井がカットインしてスルーパス
 草野が落として鵜木がクロスを上げると、寺沼がファーで合わせて1‐1。

 水戸は前に出ていく時の運動量も豊富で、勢いよく攻めて行きます。
 ジェフは水戸の選手たちを捕まえきれず、守備面で苦労する展開に。
 どちらかと言えば、水戸ペースの前半だったと思います。

■後半途中から3失点を浴び大敗

 後半から、ジェフは前へのプレスを高めていきました。
 ジェフがボールを持つ時間も長くなり、一進一退の展開に。
 54分、水戸は寺沼を下げて安藤を投入。

 60分、ジェフは風間、松田を下げて、田中、日高を投入。
 その直後、水戸の攻撃。
 鵜木からのアーリークロスを安藤が狙いますが、枠の外。


 61分、水戸は長井、武田を下げて、村田、安永を投入。
 64分、ジェフの攻撃。
 CKのこぼれを小林が拾い直して、ロングボールを供給し、こぼれ球を見木が狙いますが、大きく吹かしてしまいます。

 65分、水戸が勝ち越し点。
 小原が左サイドを持ち上がってバックパスを出すと、安藤がスルーパス
 西久保が振り切られ、小原がフリーでシュートを放ち1‐2。


 72分、ジェフの攻撃。
 中盤で得たFKを素早く繋いで、松田が右サイドを抜けます。
 そのまま切り返してシュートに行きますが、相手DFがブロック。

 78分、水戸が追加点。
 CKの流れから水戸がこぼれ球を拾い直して、前田が中盤からクロス。
 逆サイドの鵜木が競って、こぼれたところを楠本が決めて1‐3。


 その直後、ジェフは椿と高橋を下げて、呉屋と高木を投入。
 79分、ジェフの攻撃。
 西久保のアーリークロスを小森が頭で狙いますが、枠の外。

 82分、水戸は草野、鵜木を下げて、タビナス、井上を投入。
 87分、水戸が追加点。
 相手のFKの流れで小林がハンドの判定となり、PKを安藤が沈めて1‐4。

 試合終盤、ジェフはパワープレー気味に攻め込みますが、ゴールは奪えず。
 1‐4で大敗となってしまいました。

マンマークでの1人1人の責任と中途半端な対応

 水戸はこれまでの試合でも、DFにプレスが来ると寺沼を目がけたロングボールを蹴りがちだったので、ジェフは序盤からそこを狙って前4枚で追うことが多かった印象です。
 そのプレスがはまってミスを誘えている時は良かったのですが、徐々にかわされ始めて中盤でボールを持たれることが増えていった。

 そのため、前線が下がって中盤を埋めるようになりましたが、これで前線のラインが下がり全体も押し下げられてしまった。
 そこを使って水戸は後方から左右にサイドチェンジをして、相手を揺さぶって攻撃を作っていきました。
 後半からはプレスに行くようになって若干改善しましたが、1失点目もその形からでしたね。


 また、ジェフはマンマークの意識が高い守備になっている。
 そのため、ここまでの試合でも、相手が流動的に動くと、守備が混乱しがちな傾向があります。
 守備で先手を採れて入れない位ですが、相手が先に動かれると後手に回ってしまう。

 マンマークなので、相手のマークを簡単に外すのはご法度で、2失点目の西久保のような守備は致命的になってしまう。
 さらにCKからの流れではありますが、3失点目に繋がる守備も何度か数的不利を作られており、最後もフリーでクロスを上げられている。
 守備のサポートも遅いし、マンマークなのにも関わらず、マークが曖昧なことが多すぎる印象があります。


 マンマークは1人1人の責任が問われますから、個々の対応にも課題がある。
 さらに、開幕時から感じていましたが、マンマークにしてはマーカーが中途半端になりがちというところも、失点が減らない要因なのかもしれません。
 水戸も攻撃に入った時の勢いや流動的なパスワークには魅力を感じましたが、それにして4失点というのはやられ過ぎで自滅感の強い試合となってしまいました。

 さらに、攻撃においてもチャンスはあった。
 この日もジェフは相手を引き付けて、中盤へ繋ぐパスワークを展開していきましたが、水戸はライン間が空きがちで、間を取りやすい試合だったと思います。
 安藤が入ったあたりからはさすがにジェフボランチへのケアをしてきましたが、それまではどんどん前にボールを運べていった。


 水戸の守備もあって、いつもより1ライン上までボールを運べるシーンも多かったと思います。
 けれども、アタッキングサードまで持ち込めたからこそ、そこからの攻撃の課題が目立ってしまった。
 高い位置まで持ち込めても、強引な個人技で打開しようとするシーンが多かったと思います。

 それよって攻撃のスピードが止まり、スムーズに仕掛けてシュートまで行ける回数は限られていました。
 水戸が中央からのスピーディなパスワークや裏抜けをうまく使ったコンビネーションプレーを見せていたのと比較すると、ジェフはアタッキングサードでの連携面に大きな課題を感じたように思います。
 中盤までは引き付けて間を取るパスワークを展開するとして、そこから先をチームとしてどう攻略していくのか。


 後半に大量失点してしまい、守備面の課題が目立ってしまったジェフですが、もう1点を取れなかった攻撃面にも大きな問題があったように思います。
 守備だけでなく、具体的なシュートまでのパターンを増やしていかなければいけない。
 サイドを中心とした強引な仕掛けや、小森を目がけた長いボールだけでは、さすがに苦しいでしょう。

 悪い部分ばかりではなく、この日も細かなビルドアップに関しては、悪くなかったと思います。
 ただ、それを最終的に勝利に結びつけるためには、そこからゴールまでの形も明確にしなければいけないし、守備面の改善も必要。
 これで3連敗とかなり苦しい状況になってきてしまいましたが、ここまで作り上げてきたものに、さらに積み上げていって勝利への道のりを明確にしてほしいところだと思います。