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第21節 いわき 0-0 ジェフ 田口泰士復帰もありチャンスを作るも決めきれず勝点3を逃す

 シーズン前半最終戦、ジェフはいわきと対戦しましたが、勝ちきれずに終わってしまいました。
 成績不振のいわきは直前に監督を交代していますが、やはりクオリティに関してはワンランク落ちる状態だったと思います。
 1対1はジェフがほぼ勝てていたし、スタミナにも問題があった。


 また、ジェフは司令塔の田口が復帰。
 やはり田口は視野が広く、田口1人入るだけでパスワークのクオリティが上がる印象でした。
 田口がテンポよくボールを展開することで、攻撃にリズムが生まれていき、スムーズに攻撃が仕掛けられていったと思います。

 しかし、ジェフは幾度となくチャンスを作れたにも関わらず、ゴールを奪えなかった。
 個々の能力なのか、勝てていない焦りもあるのかわかりませんが、ここまでくればさすがに決定力を問われても仕方ないと思います。
 ただ、その他の試合ではここまで押せ押せの状態は作れないでしょうし、参考にはしにくと感じるレベルの試合だったと思います。

■ジェフペースで進むも無得点で前半を終える

 ジェフは西久保、新井一耀が不在で、松田、風間がベンチに。
 怪我明けの田口と佐々木に加え、日高、田中がスタメン復帰し、高橋が右SBに入りました。
 控えからは、熊谷が外れて米倉が復帰。

 村主監督が解任となり田村GMが監督に復帰したいわきは、元ジェフGK高木和、山口、有田がメンバー外。
 速水が控えに回り、GK鹿野・河村・加瀬・谷村。
 近藤が1トップ、下田がアンカーに入る4‐1‐4‐1になりました。


 序盤から両チーム、球際に激しいアグレッシブな展開。
 ジェフは積極的にサイドを突き、ゴールに向かっていきます。
 流れとしては、前半からジェフペースでした。

 21分、ジェフの攻撃。
 高橋のスルーパスから、田中が右サイドを裏を抜けてクロス。
 小森が頭で合わせますが、ジャストミートせず。


 34分にもジェフの攻撃。
 中盤右で得たFK、田口がスルーパスを選択し、田中が裏を取ってクロス。
 GK鹿野が弾いて、ポスト直撃。

 37分、ジェフの決定機。
 小林との縦のワンツーで、日高がサイドの裏を取ってダイレクトで中央へ
 椿がポケットで受けて1人かわしてシュートを放ちますが、GK鹿野の正面。

 46分にもジェフの攻撃
 ゴール左で得たFK。
 田口が直接狙いますが、枠を捉えきれず0‐0で折り返します。

■終盤に相手の足が止まり猛攻を仕掛けるも1点が遠い

 47分、ジェフの攻撃。
 椿からのバックパスを受けた田口がアーリークロス
 これがポストに当たり、小森がこぼれ球を狙いますが、枠の外。

 50分にもジェフの攻撃。
 ゴール前右で高橋が得たFK。
 日高が狙いますが、壁に当たってGK鹿野がセーブ。


 58分、いわきは加瀬を下げて永井を投入し、谷村が右SH、永井が左SHに入りました。
 66分にはいわきのチャンス。
 左サイドからのCKを山下が蹴ると、ファーでフリーになった下田が合わせますが、その前にファールの判定。

 ジェフは小森、田中、椿を下げて、呉屋、高木、米倉を投入。
 69分、ジェフの攻撃。
 田口からのパスを受けた高木が仕掛けて左サイドからクロスを上げると、呉屋が頭で合わせますが、浮いたボールはクロスバー直撃。


 その直後にも、ジェフのチャンス。
 日高からのパスを受けた高木が、サイドからクロス。
 ファーの米倉が飛び込みますが、GK鹿野がセーブ。

 後半からいわきも前への圧力を若干高めてきた印象でしたが、それでもジェフが攻め込む展開。
 72分、いわきは谷村、河村を下げて、吉澤、石田を投入。
 78分にも嵯峨に代えて、比嘉を投入。


 83分、ジェフの決定機。
 高木が蹴った左サイドからのCKは跳ね返されますが、高橋が逆サイドで拾って左足のアーリークロス
 呉屋がフリーで抜け出してシュートを放ちますが、クロスバー直撃。

 86分、ジェフは田口を変えて風間を投入。
 88分にもジェフの攻撃。
 中盤右からのFKを高木が蹴ると、ファーでフリーになった佐々木が合わせますが、枠を捉えきれず。

 試合終盤はいわきの足が完全に止まり、ジェフが猛攻状態に。
 何度もセットプレーから攻め込みますが、ゴールは遠く0‐0で終わりました。

■完全にゴール前を崩した形は少なく無得点に終わる

 ジェフは公式戦4連敗といううこともあってか、下位に沈むいわきが相手ということもあってか、積極的に前に出ていきました。
 特にサイドをガンガンと縦についていき、そこからのクロス展開が多かったですね。
 そこが相手の弱点と見たのか、いわきは戦力に厳しいと見たのか、シンプルに1対1の勝負で上回り、攻撃を作っていました。

 今年のジェフはハイプレスでスタートしていますし、困った時はここに戻るということなのでしょうか。
 あるいは、このサッカーの方が、いわきとの相性が良いという判断だったのか。
 いずれにせよ、試合通じてジェフペースで戦えたと思います。


 ただ、1点は遠かった。
 何度もクロスバーにボールが当たっていますし、単純に運がなかった部分もあったと思います。
 また、この試合はに関しては、決定力に問題も出てしまったのかなと思います。

 ただ、今のジェフには小森がいるわけで、決定力だけの問題ではないとも思います。
 確かに押せ押せの状態が長くチャンスは作れましたが、よくよく思い返せば攻撃パターンはシンプルなクロスからの展開とセットプレーが多かった。
 あれだけ攻めたにも関わらず、しっかりと中央を崩してゴールを狙えたシーンは少なかったと思います。

 もちろん、この日はいわきの出来も悪かったため、クロスとセットプレーだけでチャンスを作れたわけですから、それでも悪くはなかったと言えるかもしれません。
 しかし、他チームが相手だったら、あんなに簡単にサイドで勝てないでしょうし、クロスも上げさせてはくれないでしょう。
 そういう意味で参考にしづらい試合だし、ジェフの攻撃が改善してチャンスが作れたというよりは、相手との差があって攻め込めたと見た方がいいと思います。


 対するいわきは、監督交代もあった上、0‐4、0‐3と大量失点が続いているだけに、慎重な戦い方を選択してきたと思います。
 4‐1‐4‐1にして、守備ではハイプレスは諦め、中盤を厚くしてきました。
 ジェフは後方でパスを繋いで、相手2トップを引き出しボランチをフリーにするビルドアップをしてくるので、無理に食い付かずボランチへのケアを重視したのでしょう。

 さらに攻撃でも、ロングボールを蹴り込むことはほぼなかった。
 サイドでパスを回す展開が多かったですが、長いボールを蹴ってボールをロストして、再び守備をするという流れを避けたのではないでしょうか。
 鈴木大輔などのCBには勝てない、という判断もあったのかもしれません。


 いわきの狙いとしては、もはやJ2残留でしょうし、まずは失点を抑えること。
 それを重視して試合に入ったのではないかと思いますから、内容的にはジェフが押し込んでチャンスも作りましたが、結果としては0‐0で終えたいわきの方がミッションを達成できたと言えるのかもしれません。
 ジェフとしては勝ちたかったではなく、勝たなければいけなかったと言える試合だったと思います。 

 もちろん収穫としては田口が復帰したことや、高橋のSBがとりあえずの効果を示したことは上げられると思います。
 とはいえ、レベルの高い相手だったら高橋のSBもどうなるかわからないですし、サイドアタックもあそこまで自由にはやらせてくれないでしょう。
 むしろこれでうまくいくと勘違いをして次の試合で失敗することの方が心配だと思いますし、だからこそ、この試合に関しては内容はともかくとして、勝ち星が必要だったのではないでしょうか。