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シーズン前半を17位で終えたジェフの振り返りと2位大分戦

 先週の第21節いわき戦で、J2のシーズン前半を終了。
 ジェフは6勝6分9敗、勝点24の17位で折り返したことになります。

 改めてシーズン前半を振り返ると、小林慶行監督が就任した今年のジェフは、ハイプレスからのハーフカウンターメインでスタートしました。
 積極的なボール奪取から、素早く縦につける展開でチャンスを量産。
 しかし、チャンスを決めきれず、成績は伸ばせませんでした。


 すると、焦りからか4月12日の藤枝戦では、プレスの裏を取られる形で1‐3と惨敗。
 そこからは、バランス重視の守備となっていきました。
 まずはこのハイプレスへのチャレンジを、どう評価するのかですね。

 先週のいわき戦では連敗が続いたためか、当時ほどではないものの前への姿勢を見せていましたし、ハイプレスでスタートしたからこそ、困ったら前へという意識が身に付いたと見るべきか。
 しかし、一方でそれまでの試合では、ハイプレス時の面影はあまり見られなかった。
 ボールへの意識は残ったのかもしれませんが、それにしてもスタイルが変わり過ぎているようにも思います。


 もちろん、ハイプレスだけのサッカーには、限界もあったと思います。
 そのため、そこからの変更はいつか起こるだろうなとも思ってはいたのですが、一方でハイプレスからのハーフカウンターを諦めたのであれば、次の強みはなんなのか。
 具体的に言えば、どのようにゴールを奪うイメージを持ったチームなのか。

 片や後方でのビルドアップは形が明確になりつつあり、CBがじっくりとパスを繋ぎ、相手を引き付けてボランチなどに展開する形が作れています。
 以前はそこからパスを受ける動きが風間頼りになっていましたが、今では小林などボランチが受けて前を向けるようになった。
 そこは1つの成果と言えるでしょう。


 一方で、そこから先の攻撃に関しては曖昧なところが多く、最終的には個人技頼りのドリブルになりつつある。
 それではビルドアップも無駄になってしまうし、チームの強みにもなり切れない。
 ハイプレスメインだった開幕時も、ゴール前に関してはごちゃごちゃとした展開が目立ち、ゴリ押しからのシュートが多かったことが不安だったのですが、そのあたりの傾向は変わっていない印象があります。

 考えてみれば、小林監督は現役時代もボランチがメインで、ショートパスを繋いでゲームメイクを得意とするタイプだった記憶があります。
 そのため、チーム作りにおいてもボランチを含むビルドアップは得意だけれど、そこから先は個人技に任せてしまうところがあるのでしょうか。
 もっとも、現役時代のプレースタイルと監督になってからのチーム作りは、全く異なるタイプの指導者も少なくないと思いますが。


 ともかく、シーズン後半は、チームとしてゴールまでの共通意識を築けるかどうか。
 そこが大きなテーマになると思います。
 セットした守備時のマーク問題など他にも課題はありますが、一番の課題はやはり攻撃面ではないでしょうか。

 なお、昨日アップしたYoutube動画でも、シーズン後半を振り返っていますので、こちらも時間がある時にチェックしてみてください。

www.youtube.com


 さて、シーズン後半初戦は、ホームフクアリで大分と対戦します。
 大分は現在12勝4分5敗で2位。
 首位町田を勝点6差で追う、好位置につけています。

 ここ最近は3連勝で、5試合負けなし。
 5月17日の山形戦で0‐5と大敗を喫したことで、4バックに変更しています。
 そこから守備が安定して、負けていないことになります。


 上位に付ける大分ですが、基本的なサッカーはジェフにも近いと思います。
 攻撃では後方からパスを繋いで、相手を引き付けてその裏を取る。
 守備でも前からのプレスをしっかりかけて、後方では粘り強く対応する。

 ただ、似てはいますが、細部に関しては大分の方がより洗練されているイメージです。
 それによって、好守に迷いなく戦うことが出来ている。
 そこが順位の大きな差として、現れているのではないでしょうか。

 例えばパスワークでもサイドにボールを運ぶことが多いですが、ワイドにボールが入ったら必ず他選手がサポートに行き、インナーラップを仕掛けたり。
 クロスを上げる時は、多くの選手がゴール前で構えていたり。
 チーム単位で迷いなくやり切るという意思が、感じられるところがあります。


 ジェフとしては悔しい気持ちもありますが、参考にしやすいチームではないかと思います。
 もともと相手を引き付けてスペースを作るビルドアップは、大分が片野坂監督時代にやっていたいわゆる疑似カウンターにも近いものがある。
 あそこまで極端ではないし、発想としてはさほど新しいものではないとも思いますが、話題のブライトンなども実施していると言われていますし、今の時代に有効な手立てなのかもしれません。

 ただ、スタイルは近かったとしても、強いチームになれるとは限らない。
 大分を見ていると、ジェフも細かいところをもっと詰める必要があるのかなと思います。
 ビルドアップまでは可能性を感じるものを作れているわけですから、それをピッチ全体まで作り上げられるかがカギになると思います。


 シーズン後半は、結果にこだわるサッカーを見せて欲しいですね。
 チーム単位での詳細はもちろんですが、個々のゴールやアシストといった部分ももっと追及してほしいところ。 
 良いプレーだけでなく、勝利に繋がるプレーをそれぞれの選手が見せていかなければいけないと思います。

 なお、ジェフはここからの1か月で2位大分、首位町田に加え、5位甲府や7位清水など上位チームとの対戦を控えています。

 シーズン後半がスタートしますが、いきなり大事な試合が続いていくことになります。
 17位と成績はついてきていませんが、ネガティブになり過ぎても仕方ないですし、思い切って戦ってポジティブなプレーを期待したいところです。
 それが成績にもつながってくればと思います。