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DFラインのミスも目立ち3失点を喫した徳島戦

 ここ最近は好調だったジェフですが、徳島戦では3失点も浴びて引き分け止まりに。
 軽い失点が目立ってしまった試合だったと思います。
 ここまでのジェフの総失点38はリーグで10番目に多い数字ということでJ2でも中間くらいですが、6位以上のチームを見るとジェフより失点の多いチームはないですし、守備面の問題は見逃せないところがありますね。

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 徳島戦では、11分と早い時間帯に失点してしまったことが痛かったと思います。
 不調の徳島は試合の入りが悪かった印象がありましたが、ジェフもそれにつられてペースを上げられなかったように見えました。
 ふわっとした空気のまま、失点してしまった印象です。


 失点シーンを振り返ると、徳島が右サイドからパスを繋いでいき、中盤右後方のエウシーニョへ。
 エウシーニョがあえて遅めのパスを中盤中央へ送ると、前線の森海渡が中盤へと下がって受けます。
 そこへジェフは守備にいけず、フリーな状況でミドルシュートを放たれ、ゴールを奪われてしまいました。

 確かに森海渡のミドルシュートはお見事でした。
 しかし、エウシーニョへも森海渡へも守備に行けず、フリーな状況を二つ作られて前を向かれれば、失点に繋がっても仕方がないでしょう。
 緩い守備からやられてしまった印象でした。

 まず右SBながら中央に入ってきてパスも出せる、エウシーニョへの対応が問題でした。
 ボランチの田口が白井についていたためエウシーニョへは寄せに行けず、相方の小林も相手のパスワークに対応して後方に下がっていた。
 それによって、エウシーニョを誰がはっきりしない状況だったと思います。

 しかし、エウシーニョ以上に森海渡へ誰も対応できなかったことの方が、気になったシーンだったと思います。
 田中と高橋のどちらが見るのかはっきりしなかったこともありフリーになってしまいましたが、ここは高橋が見るべきだったのではないかと思います。
 基本的に今年のジェフはマンマーク気味の守備をするという約束事があるはずだし、田中は森海渡が背後から受けにきていただけに捕まえるのは難しかった。


 さらに徳島は右サイドに人数を寄せて、パスワークを展開していた。
 FW棚橋、左SH西谷なども右に回っていたし、左SB安倍はあまり上がってこないため、徳島の左サイドには選手がおらず、高橋が前に出ても問題はなかったはず。
 一方で森海渡は徳島の中でも警戒すべきストライカーだったですから、あそこはポジションを捨ててもついていくべきで、高橋が少しでも前に出ていれば森海渡の選択肢を限定できてたのではないかと思います。

 高橋は28分にもボールの処理が中途半端で、36分の失点も高橋のクリアミスからやられており、相手にプレッシャーをかけられると弱いところがあるのでしょうか。
 守備でも西谷のスピードに手こずるシーンが見られるなど、厳しい試合となってしまいました。
 DFとしての経験不足も出てしまったのかなと思います。


 一方で右SBとしての高橋は、ビルドアップ面での貢献度が非常に高い。
 後方でパスを回している展開でも落ち着かせられているところがあるし、高橋の起用でSBが1つ前まで持ち運べるところもあると思います。
 また、攻撃参加のタイミングも良く、スピードはないものの、効果的にサポートに行けているイメージです。

 ただ、パスの出し役としてチームの中心にいるわけではなく、今のところチャンスを作れてもいない。
 例えばエウシーニョなどは右SBからでも決定的なプレーができるイメージがありますが、高橋は無難にパスの回せる右SBといったところだと思います。
 もっと田中にスルーパスを出したり、高精度のクロスを見せたりといったプレーが見たいところですが、それが難しいとなると守備面などでのマイナスとトントンになりかねない。


 3失点目の佐々木に関しても、個人の課題が出てしまったように思います。
 これまでのプレーを見ていても、佐々木はスピードのある切り替えしに弱い。
 強さのあるCBだとは思いますが、重心移動が遅い印象があり、細かなステップに苦しむ傾向があると思います。

 また、相手のサイドチェンジに対するスライドも遅れがちで、ポジショニングなどにも不安がある印象です。
 清水戦などでも相手は左から右へ展開することが多かったですが、相手右サイドへの仕掛けに対してジェフはSHとSBだけで対応することが多かった。
 CBが素早くスライドしてカバーできる位置にいなければいけないはずですが、そこがうまくいっていなかったと思います。


 しかし、佐々木もビルドアップ面では、大きく貢献していると思います。
 左効きのCBなので中央寄りの位置から左サイドにボールを付けやすいし、スムーズに左サイドからパスを展開することができる。
 起用当初はパスミスも目立ちましたが、ミスも減りつつあると思いますし、長いボールもアクセントになっています。

 左CBにレフティの佐々木を置けたこと、右SBにパスを繋げる高橋を置けたことで、それまで後方3枚でビルドアップを開始していたところを、2CBで回せるようになった。
 それによって中盤から前の人数が増え、より高い位置までパスワークを展開出来ているところがあり、2人の起用効果は大きいと思います。
 しかし、一方で守備やハイプレスを受けた時の対応には課題があり、2人ともDFとしての成熟度には不安もあるのかなといった印象です。


 やりたいサッカーを追求するためには、我慢しなければいけないところもある。
 しかし、シーズンも終盤に差し掛かり、PO圏内まで上がれるか瀬戸際な状況にあるだけに悩ましい問題ですね。
 育成か結果か、どちらも取れれば理想ですが、現実はうまくいかないこともある。

 CBには新井一耀もいるし、SBも守備だけ見れば松田や西久保なども控えている。
 さらに福満も右SB経験者でパスも出せますし、次の試合は高橋が出場停止ですから、久々に福満の右SBもありえるのかもしれません。
 そこで別のSBが活躍すればまた状況も変わるかもしれませんが、高橋や佐々木の伸び代にも期待したい気持ちもあります。
 ただ、守備も最終局面では個の能力や守備センスが重要になってくるだけに、今後変更が合ってもおかしくないのかなと思うところもありますね。