先週、FC東京の西堂久俊が、ジェフへレンタル加入したことが発表になりました。
千葉県出身の西堂久俊は、市立船橋から早稲田大学に入学。
大学3年時に早くもFC東京への加入内定が発表になった、期待の選手だったようです。
しかし、内定発表後は大学でも苦労していた模様。
最終学年を迎えた今季は、開幕からなかなか結果を残せずにいた。3戦目以降はベンチスタートとなることも多く、脳震盪で離脱するアクシデントにも見舞われた。その間チームもリーグで唯一となる開幕から8戦未勝利。「言ってしまえば最悪の状態」。負のスパイラルに陥っていた
今年プロ入りした後も、リーグ戦の出場はなし。
本来のポジションは左右SHのようですが、左SBへコンバートされるなど、苦労していたようです。
ジェフとしては左右SHのアタッカー役として、他の選手たちと競わせたいということでしょうか。
椿に関してはグッと中に入っていける鋭い仕掛けからのシュートが魅力ですが、カットインばかりを狙うのでシーズンが進んで相手に読まれてしまった印象もある。
そのため、相手に囲まれてしまうことが多いですが、囲まれても強引に仕掛けるので、ボールをロストする場面が目立ってしまっています。
せめて縦へのクロスや裏へのスプリントなどがあればいいのですが、プレーの選択肢が少ない印象です。
さらに、守備においてもプレスには懸命に行くのですが、戻る守備でさぼる部分も見受けられた。
対人守備も強いタイプではなく、ドリブルに関するポテンシャルはあるものの、実戦でとなると総合力も問われ穴が多すぎるイメージがあります。
田中はスピードがあって、何度もスプリントできる運動量もある。
守備面でも貢献できるところが大きく、プレスにいけるだけでなく、球際でも戦えてボール奪取を狙うことができる。
シンプルなプレーが今のジェフには適していて、攻守に貢献できるところも含めて評価され、アタッカーの一番手になっているのでしょう。
ただ、最後の質が大きな課題で、左右でボールを蹴ることができるのは良いのですが、クロスもシュートも正確性がもう1つ。
また、どちらかと言えば足技で仕掛けるタイプではないため、相手にスペースがない展開だと消えがちなところもあると思います。
そこがもう1つ、足りないところでしょうか。
そのあたりもあって、西堂を補強して若いアタッカー候補たちと、競わせたいということなのでしょうか。
過去には以下のような話も出ています。
www.soccerdigestweb.com
右サイドからカットインからのシュートだけではなく、右足で持ち出して縦に仕掛けて正確なクロスを上げることもできるし、左に回ればさらに鋭い縦突破とカットインから左右の足でラストパスを供給することが出来る。
正確なクロスも狙えてカットインも期待できるのであれば、面白い存在になるかもしれません。
特にクロッサータイプがいないだけに、そこに注目でしょうか。
ただ、大学時の記事ですし、プロレベルでどこまで期待出来るのかは、見てみるまではわからないところがありますね。
最近のサッカー界ではワイドなポジションに選手を置いて、あえて選手を孤立させて1対1を仕掛けさせるような狙いを、アイソレーションなどと呼ぶことがあります。
大枠の発想としてはオシム監督が逆サイドで繋いで水野や村井などへ展開するような攻撃と近いところもあるでしょうが、近年のイメージで言えば三笘の方がわかりやすいでしょうか。
パスワークで崩しきれなかった時に外から打開する術を持ち、その外が警戒さたら他のパスワークなども狙いやすくなるという発想かなと思います。
現在のジェフもそれに近いものを田中で狙っている印象があります。
アイソレーションを取り入れていくのであれば、サイドアタッカーの質は極めて重要。
本来はそこで椿や末吉を期待していたのかなとも思うし、田中も良い選手だとは思うのですが、最後の質に関しては徳島戦などでも物足りなさを感じましたね。
もっとも、西堂は大学4年時からプロ入り後も含めて苦しんでいる期間が長いようですし、ジェフ側の思惑ではなくFC東京や西堂本人の意思が大きい移籍なのかもしれません。
このままではプロとして先がないと見て、J2への移籍を考え、地元ジェフを選んだということでしょうか。
そうなると、どこまでの戦力と期待していいのかはわからないところがあります。
ジェフはアタッカータイプ以外だと、高木、米倉、ドゥドゥなど、SH候補が多数いることになります。
個人的にはトップ下にパサータイプの選手が欲しいのではないかと思っているのですが、そうそう候補がいるわけではないのかもしれない。
SH候補を増やすことによって"弾"の種類を増やしうまく使い分けていくことで、シーズン後半の躍進を目指していくという狙いなのかもしれませんし、まずはその可能性を見せて欲しいですね。