前節徳島戦は軽いミスからの悪い流れながら、何とか勝点1をつかんだ展開でした。
しかし、今回の山形戦では終始良い流れで試合を進めながら、敗戦に終わってしまった。
順位の近い山形に敗れた上、前節の勝点1の価値もふいにしかねない、大きな黒星だと思います。
徳島戦同様にアウェイで雨天の試合でしたが、この日のジェフはしっかりと動けていた。
前からうまくプレスをかけ、相手より先にボールへ反応し、ボール奪取から幾度となくチャンスを作っていきました。
しかし、最後のプレーが雑で、ラストパス、クロス、シュートの精度を欠き、ゴールが奪えませんでした。
そして、試合終盤に直接FKから失点し0-1で負け。
福満のあの動きは完全にファールだったいらないプレーだったと思いますし、小林も壁から少し下がった結果、間が生まれてしまった。
壁後方の相手をケアする動きだったと思いますが、チームとしてもあの守り方はどうなんでしょう。
細かなところではありますが、そういった細々したところを追求しなければいけない段階にきている。
攻撃ではゴール前まで持ち運べて、守備もこの日は悪くなかった。
実際、シュート数は山形が4本なのに対しジェフは15本と、圧倒していました。
後方からビルドアップをしても、なかなか高い位置まで持ち込めなかった時期から、確実にゴール前まで持ち運べるようになった。
せっかく丁寧にチームを作ってここまで来たのですから、このままで終わってはもったいない。
だからこそ、非常に残念な試合だったと思います。
■前半からチャンスを作るも決めきれず
ジェフは田口、高橋が出場停止で、出場停止の見木と松田がスタメン。控えから松原、新明が外れ、新井章太と呉屋が復帰ました
山形は加入したばかりの宮城と藤本が不在に。
後藤優が1トップ、國分が左SHでスタメンで復帰しました。
控えには新垣も入っています。
4分、ジェフの攻撃。
左サイドのFKの流れから、日高が中央へ。
鈴木大輔が頭で狙いますが、枠の外。
14分にもジェフの攻撃。
前からプレスに行き、日高がボール奪取。
見木が楔のパスを送り、落としを受けた風間が狙いますが、相手に当たってゴールならず。
両チーム、雨で難しい戦いに。
ジェフのサイドのピッチはボールは止まり、山形サイドのピッチはボールが流れる。
それでもジェフはボール奪取からの展開で、ペースを握っていきます。
18分には山形の攻撃。
右サイドのスローインから、後藤優が裏を取ってラストパス。
國分が狙いますが、松田がスライディングでブロック。
その直後にはジェフのチャンス。
右サイドで田中と松田がパス交換。
田中がPA内に入って左足でシュートを放ちますが、ポストをかすめてゴール外。
21分にもジェフの攻撃。
小森のポストから右に展開して、田中が持ち上がり追い越した風間へ。
風間がクロスを上げ小森が頭で狙いますが、枠の外。
35分には山形のチャンス。
最終ラインの野田から、裏へのロングパス。
後藤優が抜け出してシュートに行きますが、大きく外れます。
41分にはジェフのチャンス。
左サイドのCK。
風間がけるとニアで軌道が変わり、ファーの見木が狙いますが、枠の外に終わりスコアレスで折り返します。
■試合終盤に直接FKを決められ沈む
47分、ジェフの攻撃。右サイド奥から田中のロングスロー。
こぼれたボールを拾いなおして田中がクロスを上げ、松田が狙いますがバーの上。
56分、山形は國分、横山を下げてデラトーレ、イサカを投入し、デラトーレが1トップへ。
59分、ジェフの攻撃。
ドゥドゥが得たFKを小森が素早くつないで、田中、松田とつなぎクロスを上げると、小森が足元で狙いますが、相手DFがブロック。
後半に入ってからも流れはジェフでしたが、65分頃から徐々にプレスをかわされるシーンが目立っていきました。
73分、ジェフはドゥドゥ、田中、風間を下げて、高木、米倉、福満を投入。
76分、山形は田中、藤田を下げて、小西、藤田を投入。
77分、ジェフの攻撃。
米倉が高い位置でボールを奪い、小森につなぐとミドルシュートで狙いますが、相手DFがブロック。
こぼれ球を高木が狙ってシュートを放ちますが、ゴールの左。
ジェフが攻め込む展開が続いていましたが、81分に山形が先制。
ゴール前左で、福満が相手に与えてしまったFK。
小西がけると、小林にあたって起動が変わりゴール。
85分、ジェフは松田と小林を下げて、呉屋と新井一耀を起用し、3-5-2に変更。
87分、山形も後藤優を下げて熊本を投入し、3バックに変更。
終盤のジェフはパワープレーでゴールを狙います。
92分にも、ジェフの攻撃。
幹の浮き球のパスをファーの米倉が折り返し。
新井一耀が頭で狙いますが、枠をとらえきれず、0-1で敗戦となってしまいました。
■自信と勇気をもって細かいプレーを追求できるか
ジェフは立ち上がりから、良いペースで戦えていたと思います。基本的に4‐4‐2でプレスに行って、相手SBが下がるようならSHがついていく。
相手ボランチに対しても風間やボランチ2人がうまく対応して、簡単には前を向かせなかった。
そこからのボール運びもテンポが良く、田中を中心に縦に持ち込んでいった。
かといって、田中だけではなく、風間が前を向くシーンもあったし、松田や日高もうまく絡んでいたし、左右への展開もあった。
小森は苦手に見えたポストプレーでもここ数戦、見事に貢献していて、この日も小森のポストから攻撃を作れていたと思います。
ただ、最後の精度が大きな課題ですね。
田中は左右で蹴れるし、強さもあるし、決してスピードだけではないと思うのですが、どうしてもクロスやシュートがもう1つ。
小森もいろいろな仕事を任されていることもある苦労もあるのかもしれませんが、最近はあまりいい形でシュートに行けていないですね。
そこで決定力の高いドゥドゥに期待しているところもあるのでしょう。
正直、前節のドゥドゥはよい形で攻撃に絡めていなかっただけにどうかとも思ったのですが、この日は雨もあってフィジカル勝負だったところもあったので、悪くなかったと思います。
ただ、シュートまで行ける回数は少なかったですし、ゴールへの厚みを増やすことができる選手だとは思いますが、具体的にどうドゥドゥを活かすのかに関してはまだやれるところがあるのかなとも思います。
また、選手交代で入った選手たちも、可能性は見せていたと思います。
高木はプレースキックも蹴れるし、米倉は攻撃の迫力を与えてくれて、福満も変化をつけられる。
ただ、それでももう1つ届かなかったというところが、大きな壁なのでしょうか。
プレスもよかったし、ボール運びも非常にスムーズにいけている。
あとはもう細かいところをどれだけ追及して、より丁寧にプレーできるかにかかっているのではないかと思います。
徳島戦での失点も軽いシーンが多く、組織的な問題もあったかとは思いますが、結局は細かなプレーにいかにこだわってやれるかどうかではないでしょうか。
残り試合や順位等々を考えても、この試合はぜひとも勝ちたし、勝てる試合であった。
それを落としてしまったことは非常に大きなことだと思いますが、全体的な試合の流れて言えば決して悪くはなかったはずですし、自信と勇気をもって次の試合に進んでほしいと思います。
