ジェフのブワニカが、水戸へレンタル移籍すると発表になりました。
コンディションが悪いわけではなくメンバーから外れているのであれば、ブワニカ、西久保あたりはチャンスを求めて移籍する可能性もあるだろうと思っていました。
残念な気持ちもありますが、プロの世界ですから燻っていても勿体ないし、仕方がないところもありますね。
20歳とまだ若いブワニカはパワー系のストライカーで、縦へのスピードもあってジャンプ力もある。
前を向いた時に強さが発揮できるタイプなので、シャドーやSHなどでもプレーしてきました。
今年のジェフは前線に裏への飛び出しなどを要求する傾向があるため、どっしりと構えるタイプのソロモンは岡山へレンタル移籍し、スピードもあるブワニカはジェフに残ったのかなと思っていました。
ただ、ブワニカは攻守において、継続的にプレーする部分に関しての課題が大きい。
プレスにおいても真面目に取り組もうという意思は感じるのですが、2度追い3度追いという動きがあまり得意ではない。
さらに、90分間におけるスタミナにも不安があって、スタメン時は後半から失速することが多く、ブワニカのところから全体が押し込まれる試合も珍しくありませんでした。
さらに、足元でのシュートやクロスには可能性を感じますが、細かなパスワークなどでもたつくところがある。
今年のジェフはピッチ全体でパスを繋いでいくサッカーをしているだけに、そこで差が出てしまったところがあったと思います。
シーズンが進んでチームが成熟していった結果、よりパスセンスが求められてブワニカの出番が減ったところもあるのではないでしょうか。
単純な得点能力だけ見れば、呉屋や新明など以上に期待できるかもしれません。
しかし、スムーズなパスワークや継続的な守備などがベースとなっているだけに、チームの基礎が出来ていないとそこで攻守のブレーキがかかってしまい、得点力以前の問題が起きかねない。
爆発力はあるタイプなので、昨年のように単発攻撃がメインだったチームの方があっていた部分もあるでしょう。
また、控えFWのライバルとなっていた呉屋は決定力には課題を感じますが、基礎的なプレーには優れている上に、リーダーシップなどで貢献している部分もある。
古い話で言うと、オシム監督も練習から腐らず頑張り続けていた要田をベンチに置いていたのは有名ですし、呉屋もそういった面での評価が高いのではないでしょうか。
ブワニカも明るく盛り上げてくれる性格ですが、呉屋のような実績のあるベテランが奮闘してくれると、チーム全体も盛り上がるところがあると思います。
片やレンタル移籍先の水戸は、7月末に唐山がレンタル元のG大阪に復帰。
8月12日には梅田が右前十字靭帯を損傷するなど、FW不足が心配な状況となっています。
それもあってブワニカ補強に動いたのかもしれませし、全治が記載されていない梅田も長くかかるのかもしれません。
ただ、水戸もここまで主力だった草野、安藤に加え、フィジカルの強い寺沼なども残っているはず。
水戸は今年も比較的頻繁にスタメンを入れ替える印象もあるので、出場機会は巡ってくるかもしれませんが、レギュラーポジションの確保は簡単ではないかもしれません。
先週末の秋田戦では82分から早くも途中出場を果たしていますが、そこからどこまで出場時間を伸ばして活躍できるかがポイントですね。
水戸はその秋田戦でも、1‐1の引き分けで終わって現在16位。
降格圏内の21位山口とは勝点差3ということで、残留争いに関わる可能性が出ています。
それだけに薄くなったFWの補強は喉から手が出るほど欲しいところだったのだろうと思いますし、ブワニカも過酷な戦いの中で成長していってほしいところです。
ブワニカは一言で言えば、ポテンシャルは高いものの、粗削りで小技の部分に課題がある選手。
こういった選手こそ出場機会が大事なのではないかと思いますし、今回の移籍も納得できる部分があります。
あとは無事ジェフに帰ってきてくれればとも思いますが、水戸の経営規模などを考えるとジェフと本人の意思次第で復帰も期待できるということなのかなと思います。
水戸で課題を克服し完成度の高い選手として成長して、ジェフに帰ってきてほしいですね。