前節藤枝戦で3試合ぶりの勝利を飾ったジェフ。
勝ちきれなかった徳島戦、山形戦も内容は悪くなかったと思いますし、好調を維持していると言えるでしょう
しかし、次に対戦する磐田はここ最近、ジェフ以上の好成績を収め自動昇格圏内の2位まで這いあがってきました。
磐田は6月初旬の3連勝から現在までの成績が9勝3分1敗で、首位町田にしか敗れていません。
ジェフが成績を伸ばした7月からの結果で見比べても、ジェフが5勝2分2敗なのに対し、磐田は6勝2分1敗。
首位町田をも上回る勢いで勝点差6まで近づいていますから、逆転優勝の可能性も残されている状況です。
磐田は今年横内昭展監督が就任。
横内監督はコーチとして、広島や日本代表で森保監督をサポートしてきた指導者です。
シーズン序盤の磐田はなかなか勢いに乗り切れませんでしたが、ぶれずにコツコツと丁寧にチームを積み上げてきたイメージです。
守備時は2トップになって前から守備にいき、パスコースを限定した状況を作って、相手が縦パスを出したところで潰しにいく。
プレスで前から強引に奪いにいくというよりは、行き場をなくしてボールを奪う、バランスを重視した守り方と言えるのかなと思います。
ただ、ここまでの総失点数33は、J2で8番目に少ない数字でまずまずの成績といった状態。
磐田の武器は攻撃面で、総得点数55は57の清水に次いで2番目の数字。
スムーズなパスワークからの攻撃を構築していて、ここ最近はゴール前の人数のかけ方が増えて迫力がある。
そこが好調の要因と言えるのではないかと思います。
サイド攻撃が特徴の1つですが、個人に頼った打開ではなく、素早いタイミングでのオーバーラップだったり、ハーフスペースを使った攻撃だったりと、連動した攻撃を作れている印象です。
今季当初からパス&ゴーを徹底しているイメージがあり、それが熟成していった印象ですが、細かなパスワークだけでなく広く展開して相手も揺さぶることも出来る。
また、個々の選手も能力が高く、パス1つをとっても高精度で、決定力も高いイメージです。
ただ、今週末のジェフ戦では、シーズン途中から1トップのレギュラーとして戦ってきたジャーメイン良が出場停止。
杉本健勇も今季早々に横浜FMへ移籍してしまいましたし、代わりに誰が入るのかが気になるところです。
長身のファビアン・ゴンザレスなのか、18歳の後藤啓介なのか、本来MFの藤川なのか、それぞれ特徴も異なるだけに、ジェフの対応力が問われますね。
磐田も守備に関しては課題を感じて、スピードのある攻撃に弱かったり、縦に刺しこまれるとポジションバランスを崩す傾向があるのかなと思います。
左右SBは積極的に仕掛けてきますし、その裏を狙うのも攻略ポイントの1つ。
最終ラインにいかにストレスをかけられるかが、攻略ポイントと言えるのかもしれません。
スタイルとしては、ジェフとも似通ったチームと言えると思いますし、似たスタイルだからこそ細部の質が問われるのではないでしょうか。
ジェフの方が前に勢いはあるかもしれませんが、サイドでフリーになる選手の作り方や、素早いサイドチェンジなどは磐田の方が上かもしれません。
守備では今回もサイドでの対応が問われるのではないかと思います。
試合内容だけでなく、ここからはいかに勝つためのこだわりを追求できるか。
チームスタイルのベースは出来つつあるわけで、今後は成績にフォーカスしていかなければいけない。
それだけに前節後半の2失点は心配ですし、簡単な失点だとか、危険なエリアでのミスなどは徹底してなくしていかなければいけないと思います。
前節戦った藤枝も攻撃にかかった時の勢いは感じましたが、トータルでいうと課題も多いチームだった。
藤枝相手だったから隙があっても逃げ切れたかもしれませんが、磐田など上位チームは許してくれないかもしれません。
好調なチーム状況だからこそ、よりシビアに戦って、勝ち星にこだわるサッカーを見せて欲しいですね。