当ブログはプロモーションを含みます

ジェフ経営情報'23 「チーム人件費」過去最低も不明瞭な点も

 今年もJクラブの経営情報が、発表になっています
 もう取り上げなくてもいいかなとも思ったのですが、Youtubeでも少し触れましたし、一応の目安としてジェフの経営にどういった傾向が見られるのか話していきたいと思います。

www.youtube.com

 Jクラブの経営情報は06年1月期から公表されていますが、当初は勘定科目も少なくざっくりとした情報しか出ていないので、今回からは12年1月期からの情報をまとめていきたいと思います。

 2023年1月期の『営業収益』は、前年比で約2億7000万ほど増加しています。
 これはコロナ禍の影響が和らぎ「広告料収入」や「入場料収入」が増えたもので、ジェフに限らず多数のクラブに見られる傾向です。
 「アカデミー関連収入」も約6000万円と大きく回復していますが、『営業収益』全体でいうとコロナ前の19年1月期、20年1月期には届かず、約2億円ほど少ない状況となっています。

 今回からJリーグは、『営業費用』にあった「販売費及び一般管理費」を独立させ、残りを『売上原価』へ変更しています。
 今さら変更することに疑問も感じますが、項目が移っただけであれば大きな変化はないと思います。

 『営業費用』も前年から約2億5000万円ほど増加。
 しかし、「チーム人件費」に関しては大きく減少しており、約8億6000万円と2億円近く減少しています。
 この予算は公表された過去12年間において最低金額となるだけでなく、8億円台まで下がったのも初めてです。

 ただ、さすがにおかしいと感じたのは、「アカデミー運営経費」と「女子チーム関連経費」が共に約1億5000万円前後も増加していること。
 そこで調べていくと、Jリーグが公表している『クラブ決算一覧』の情報は過去のものも変化がないのですが、同時に公表された『クラブ経営情報開示資料』の「チーム人件費」項目には以下のような情報が記載されていました。



 今年の「チーム人件費」は数値があっているのですが、なぜか過去2年の情報が『クラブ決算一覧』と異なっている。 
 これは他チームも同様で、例えば東京Vも『クラブ決算一覧』では今年の「チーム人件費」が4億4900万円で、前年は6億7800万円、前々年は6億6000万円でしたが、『クラブ経営情報開示資料』では今年の金額は変わらないものの、前年は5億1400万円、 前々年は4億9000万円と大きく下回っています。
 一方で「アカデミー関連経費」は前年比で約1億4000万円増、「女子チーム関連経費」も約1億8000万円増と、ジェフと同じ傾向が出ています。

 その他のクラブも似通ったことが起こっているので、「チーム人件費」の一部が「アカデミー関連経費」や「女子チーム関連経費」に計上されることになったということでしょうか。
 それならば少しでも説明してくれればスッキリするのですが、私が調べた範囲では見つかりませんでした。
 一応「チーム人件費」が「トップチーム人件費」と名称が変更になっているのがヒントと言えなくもないですが、それだけだと「アカデミー関連経費」や「女子チーム関連経費」に計上科目が移った理由にはなりにくいと思います。


 どの勘定科目に何を計上するのかはある程度融通が利く部分もありますし、今年からの計上方法がより正確なのかもしれません。
 ただ、こういった変更が突然行われると、過去の情報との比較が難しくなるというのが非常に厄介です。
 こういった問題もあって、今年は取り上げなくてもいいかなと思ったところがあります。

 とはいえ、ジェフの「チーム人件費」が2年連続で減少していることは事実。
 しかも、今回の発表では大多数のクラブがコロナ禍から回復しており、J2では22クラブのうち16クラブが前年比で「チーム人件費」増となっています。
 さらに、J2で「チーム人件費」が減少したのは徳島、大分、ジェフ、大宮、東京V、山口となっていますが、徳島、大分に関してはJ2降格年ですから、減少しても仕方のないところがあるでしょう。


 それだけ相対的にジェフの経営は苦しくなっているところがあると言えますし、今年度さらに予算が減少している可能性もありますから、今年の開幕時に外国人選手がいなかったのも仕方のない部分があるのかもしれません。
 以前のような贅沢は言いにくいですし、ネームバリュー重視の補強は控えて、賢く運営していく意識が必要でしょう。
 前年の新潟などもほぼ外国人選手の活躍なしで昇格したわけですし昇格後のJ1定着を考えても、しっかりとチームを成長させてJ1に上がりたいところですね。

 最後に今回も赤字はなく、久々に1000万円以上の黒字が出たことになります。
 債務超過も起こっていません。

 経営面で言えばより規模を大きくして、潤沢な予算で戦いたいという気持ちもある。
 しかし、J2にいる以上は大幅な改善は期待しづらいというのが、実際問題としてあると思います。
 今は地に足の付けた運営をして、着実にチームを成長させて、J1に昇格してからよりビッグなクラブを目指すべきなのではないでしょうか。