先日、ジェフが「今こそ!WIN BY ALL!2023」キャンペーンを発表しました。
昔からのサポならご存じでしょうが、これはJ1残留を果たした2008年にも実施した企画で、ロゴも同じものを使っています。
あえてのリバイバルということなのかもしれませんが、今年は小林監督が「一体感」を重視するという話をしており、チームもここまで一丸となって戦ってきた。
その中で、再び「WIN BY ALL!」という言葉でチームを盛り上げるというアイディアは、ぴったりとハマっているように思います。
この掛け声に合わせて、仙台戦では13,000人以上の観客を動員。
試合も主力の代わりに出場することになった佐々木、呉屋、途中出場の米倉がゴール。
まさに「WIN BY ALL!」な展開でした。
正直、仙台はやはり元気がなく、ジェフ戦でも目覚めることはありませんでした。
個々の技術は高く戦力も厚いのですが、全体的な動きが非常に重く、どこかクラブとして問題を抱えているのかなと感じる内容だったと思います。
出来ればスッキリと勝ちたかったし、無失点で乗り越えたかったところです。
それでも、3ゴールでしっかりと勝てたということは好材料。
ここで主力以外の選手がゴールを決めれば、チームも盛り上がるし、チームとしての厚みが増すことになります。
主力選手の復活にも期待したいですが、素晴らしい流れで10月に進めたことになりますね。
■ジェフペースから佐々木が先制
ジェフは鈴木大輔が出場停止で、新井一耀もメンバー外となり、佐々木が右CB、メンデスが左CBでスタメンに。サブで小森が復帰し久保庭も入って、新明が外れています。
連敗中の仙台は大幅メンバー変更。
元ジェフ長澤はメンバー外で若狭、氣田も控えに回り、高橋の青森山田の後輩・豪家などがスタメン。
元ジェフ秋山もスタメンに入り、控えに特別指定でジェフ所属だったGK松澤、元ジェフ・オナイウ阿道の弟で新潟医福大で小森と同期だったオナイウ情滋が入っています。
序盤、ジェフは積極的に前への姿勢を見せていきます。
素早い切り替えと前へのスプリントで、チャンスを伺っていきました。
一方の仙台もカウンターで、ジェフDFラインの裏を狙っていく。
8分、仙台の攻撃。
右サイドの加藤から、DFライン裏へ浮き球のスルーパス。
これをホ・ヨンジョンが受けてシュートに行きますが、メンデスが戻ってブロック。
18分、ジェフの攻撃。
左サイドからのCK。
ショートコーナーで繋いで日高がクロスを上げると、ニアのドゥドゥが飛び込みますが、合わせきれず。
23分、ジェフの攻撃。
相手FKからのカウンターで見木、ドゥドゥ、呉屋と繋いで、PA直前で呉屋が倒されFK。
これを田口が狙いますが、バーの上。
26分にもジェフの攻撃。
田中のクロスのこぼれを風間、日高、田中と連続シュート。
GK林のこぼれ球をドゥドゥが狙いますが、これも決めきれず。
36分にもジェフの攻撃。
高い位置のプレスからボールを奪って、見木が前線へ。
呉屋が反転してシュートを放ちますが、バーの上。
ジェフが優勢で進める中、40分にジェフが先制。
右サイドから、田中がロングスロー。
呉屋、ドゥドゥと競って、フリーになった佐々木が左足でゴール。
44分にもジェフのチャンス。
中盤で得たFK。
田口が蹴るとニアで佐々木がフリーになって合わせましたが、枠の外で1‐0で折り返します。
■試合終盤に失点するも3‐1で勝利
後半に入ってもジェフが優勢の展開。47分、ジェフの攻撃。
右からのスローインをドゥドゥが落として、田中が左足でクロスを上げると、佐々木が頭であわせますがGK林の正面。
53分にもジェフのチャンス。
相手CKを跳ね返し、中盤で日高が奪ってカウンター。
長い距離を持ち上がり、ドゥドゥが受けてGKの位置を見てループで狙いますが、バーの上。
55分、ジェフが追加点。
佐々木の矢のようなロングパスを日高が落として、ドゥドゥとワンツーで裏を取ります。
素早く中央へラストパスを送ると、呉屋が合わせて2‐0。
57分、ジェフはドゥドゥを下げて米倉を投入し、田中が左へ。
その直後にもジェフのチャンス。
田口の鋭い縦パスから、見木が粘ってシュートに行きますが、GK林がセーブ。
その直後にもジェフのチャンス。
右サイドで米倉の落としを受けた高橋が、ダイレクトでクロス。
ファーの田中が合わせますが、バーの上。
62分には仙台の攻撃。
右サイドからのCK。
鎌田が蹴ると、ホ・ヨンジュンが頭で合わせますが、バーの上。
64分、ジェフの攻撃。
見木からのパスを受けた高橋が、風間とワンツーで中央へ。
そのまま左足でゴールを狙いますが、ゴールの右。
その直後、仙台は松下、豪家を下げて、中島、山田を投入。
ホ・ヨンジュンと山田の2トップに。
68分、ジェフは呉屋、風間を下げて小森、小林を投入し、見木が前線へ。
71分、仙台は齋藤、加藤を下げて、氣田、オナイウ情滋を投入。
その直後にもジェフの攻撃。
佐々木のロングフィードを小森が裏で受けて、見木とパス交換をしシュートを放ちますが、枠の外。
79分にもジェフのチャンス。
中盤でボールを奪ったところから、小林、見木、田中と逆サイドへ展開。
小林が縦パスを落として、日高がクロスを上げると、小森がニアに飛び込んでいきますが、GK林がセーブ。
その直後、仙台はホ・ヨンジュンを下げて、フォギーニョを投入し中島が前へ。
82分には仙台のチャンス。
右サイドでボールを奪われたところから、山田が持ち上がり逆サイドのオナイウが走り込んでシュートに行きますが、GK鈴木がセーブ。
85分、仙台が1点を返します。
後方からのアバウトなボールを、うまく山田が前を向いてキープ。
中島に送ると、見事なミドルシュートで2‐1。
87分にも仙台のチャンス。
秋山、山田とパスを繋いで、フォギーニョが中島とのワンツーで抜け出してシュート。
しかし、ゴールの左。
終盤は足が止まって苦しい展開も増えましたが、92分にジェフが追加点。
高い位置で小森が菅田からボールを奪うと、そのまま持ち上がって逆サイドへ。
米倉が走り込んできてゴールを決めて3‐1。
94分、ジェフはメンデス、田中を下げて、久保庭、高木を投入。
そのまま3‐1で勝利となりました。
■理想的な2ゴール目と守備面などの課題
冷静に見ると、まず仙台の動きがあまりにも悪い試合だったかなと思います。前半の仙台は4‐1‐4‐1をキープして、ビルドアップしてきました。
ジェフは相手の後方4枚に対して、呉屋、風間、ドゥドゥ、田中の4枚がそのままプレスにいく形に。
そして、アンカー松下には田口が寄せにいく、アグレッシブな守備を展開していきました。
ということは、プレス時のジェフは、4‐4‐2で見木のアンカーという守備システムになる。
そのため、仙台はうまくプレスを掻い潜れば、シャドーが2枚に対して、ジェフはアンカーが1枚なので、フリーな選手が生まれる。
実際、ポストプレーから、何度か危ないシーンが作られかけていました。
しかし、そんな隙のある状況でも仙台はそこを突き切れず、逆に後半からは2ボランチに戻して、押し込まれる展開になっていってしまった印象があります。
ジェフからすれば、その2シャドーに入る前に、プレスにいって相手を潰せていたとも言える。
20分頃からはシャドーが気になったのか、無理に追わなくなった印象もありましたが、それでも積極的な姿勢は変わらず。
攻守の切り替えが激しかった上、この日はダイナミックな展開も増えて、押せ押せの展開が作れました。
特に2点目のゴールは見事で、佐々木からのロングフィードから中盤を取って、素早く攻め切りゴールを決めています。
今年のジェフがやり続けていた後方で引き付けての展開で、日高、ドゥドゥの繫ぎも良かった。
最後に呉屋が決めたということも含めて、非常に良かったですね。
鈴木大輔、新井一耀が不在の中で、佐々木とメンデスもよく頑張っていたと思います。
佐々木はゴールも決めて、ビルドアップでも貢献していたことになります。
メンデスもバタバタしながらも、高さの面では存在感を見せてしまいました。
ただ、厳しいことを言えば、試合終盤はこの2人の課題が出てしまったことにもなると思います。
失点シーンもまず佐々木がクリアできなかったことが問題で、そこにメンデスもつられて中島が空いてしまいました。
さらにその後はスタミナが切れたのか、DFラインがずるずると下がって、劣勢に立たされてしまった印象です。
また、82分には小林と田口のパス交換のミスから、ピンチが生まれてしまっています。
あのミスから仙台の勢いが増したところがあったと思いますし、ああいったミスはなくしていかなければいけませんね。
田口としてはそれまでに、無理に攻めずにつなごうという意図があったのではないかと思うのですが、時間の使い方がやっぱり下手な印象があります。
そういった意味を、少しずつでも減らしていかなければいけないと思います。
連勝しているとはいえ、ミスは減らさなければ成長はない。
理想を言えばシーズンの最後まで成長し続けることが大事だと思いますし、この日は快勝でしたがさらに強いチームを目指して頑張ってほしいと思います。