いわき戦後のコメントは、興味深い話がたくさん出ていました。
ジェフの公式サイトから、その内容を追っていきたいと思います。
まず、小林監督が「前半はうまく前進できていたが、テンポを上げられなかった」と話しています。
前節東京V戦でも似た部分を感じましたが、やはり今のジェフはパスワークのスピードが上がり切らないところがある。
それによって、攻撃は出来ていても相手を揺さぶり切れず、ゴール前まで持っていけないことが多い印象でした。
また、試合後にも少し記載しておいたのですが、いわき戦序盤はお互いのファールで度々試合が切れてしまった。
これによって、ジェフの得意とするスピーディな攻撃に持っていけないところもあったのではないでしょうか。
ジェフの選手も毎回のように審判へ抗議をしていましたが、無駄な抗議のせいでますます試合展開が遅くなってリズムを掴めなくなった。
もっと賢くサッカーをしなければいけないと思いますし、観客もファールに敏感になり過ぎて試合を止めてしまうのは、自分の首を絞める恐れがあるということを頭の片隅に置いておいた方が良いかもしれません。
次に相手の退場に関して、「ジェフが招いたことなのでポジティブ」と指摘しています。
いわきの田村監督は不満顔ではありましたが、あれは完全にジェフの攻撃に対して、相手の対応が後手に回ったシーンだったと思います。
まず佐々木による左後方から右前方へのロングフィードに対して、相手DFが対応し結果的にいわきの最終ライン裏にボールが供給されています。
ここでいわきに1つ目のミスが生じた上、2枚目のイエローカードを受けて退場となったCB遠藤は、ドゥドゥに前を取られていた。
いわきは以前からDFラインの裏への対応が拙く、清水戦でも裏へのボールに対してミスが生じて先制点を浴びているわけですが、ここでもその悪癖が出てしまったことになります。
遠藤がドゥドゥと強く接触したかどうかは怪しいとはいえ、あわせて2つもミスが生じているのですからイエローカードが出ても仕方がなく、ジェフからすればドゥドゥが裏を走り込んでいたことも含めて、やるべきことはやっていたと言えるでしょう。
続いて、いわきが4バックだったことに対して、分析コーチと坂本コーチが想定していたので、小林監督はそれを信じて準備していったと話しています。
4バックに関しては予想できるところでもあったとは思いますが、コーチ陣と小林監督の関係もよさそうですね。
今後の試合でも相手の分析は非常に重要となってくると思いますので、コーチ陣の働きも重要になってくるのでしょう。
そして、「何カ月も前からコロナやインフルエンザを含めて、メンバーが変わってきている」という話も出ています。
ジェフは怪我人を公表していない上、他チームも感染症の話はあまり表に出していませんから、詳細はわかりませんでしたが、ジェフも被害が出ていたということなのでしょう。
離脱者だけでなくコンディション不良の選手も含めて、病に悩まされてきた部分があったのかもしれませんね。
最後に、鈴木椋大が「いつもと比べると、クオリティが低い部分もあったかもしれない」と話しています。
新情報ではないですが、やはりここ数戦のジェフは以前ほど好調ではないように見えます。
それを選手としても感じられる部分があるということでしょうか。
前半中頃にいわきのマークが掴めなかったことからも、以前ほどの好調を感じないところがあります。
以前なら4‐1‐4‐1相手でも2トップが相手アンカーを見ながら、状況に応じて相手2CBへプレスにいく。
空いた相手のアンカーにはジェフのボランチが前に出ていって、余った相手インサイドにはCBが対応する形をとっていました。
しかし、いわきせんでは前からのプレスも遅くなりがちで、ボランチも前に出れない状況になっていた。
これは東京V戦でも課題を感じた部分がありますし、いわき戦だけの不調ではないでしょう。
パスワークのリズムが上がらなかったのも、選手個々の動きのキレが以前ほどではないことが原因ではないでしょうか。
再びコンディションを上げていくことが理想ではありますが、時間も限られていますしそこはあまり期待しない方がいいのかもしれません。
そうなると、やはり問われるのはコンディションが良くなくても、しっかりとパスを回してボールを散らし、プレスにいけなくても耐えうる守備を構築する部分ではないでしょうか。
この2点は長らくの課題だと思っていますし、最後にどこまで修正できるのか注目ですね。