プレーオフ東京V戦についてもう少し、取り上げていきたいと思います。
東京V戦ではキックオフ早々に、幻のゴールが生まれました。
中盤左で得たFK。
日高がキックフェイントをかけて、田口が蹴るとそのままゴールマウスに吸い込まれます。
しかし、オフサイドの判定でゴールならず。
個人的にもつい大きな声が出るほど喜んでしまったシーンでしたが、残念ながらノーゴールに。
あの一瞬で、これで一気に楽になるぞとか、後は落ち着いてプレーすればとかいろいろと考えたのですが、ぬか喜びで終わってしまいました。
このシーンを振り返ると、田口の蹴ったボールに対して、ニアではドゥドゥが頭で狙い、中央では風間が走り込んで、ファーでは佐々木が飛び込んでいます。
動画で細かく見返すと、ドゥドゥはしっかりとオンサイドにいましたが、風間はオフサイドエリアにいて、佐々木も微妙な位置だったように見えます。
風間は自分がオフサイドだったことがわかっていたためか、ボールに触ろうとしていませんでしたが、佐々木は足や頭を伸ばしているのでこちらが取られた可能性もあるのかもしれません。
どちらかは明確にはわかりませんが、風間と佐々木がゴール方向にアクションを起こしたことで、GKマテウスは田口の蹴ったボールには飛び込まず、ポジションを下げてシュートを警戒した姿勢を取っています。
そのため、「プレーに関与した」という判定でオフサイドになったのではないかと思います。
最近はこの辺りの判定を厳しく取る傾向にあるので、仕方のないところなのでしょう。
惜しむべくは、日高のフェイントにジェフ側が反応してしまい、風間などがオフサイドエリアにいたことでしょうか。
あえてオフサイドエリアに立って、相手のラインを下げる動きをすることもありますが、東京Vの守備陣はそれに釣られず綺麗にラインを統率していましたし、わざとオフサイドエリアに立つのであれば、ゴール方向に走り込んではいけなかったと思います。
細かいところではありますが、チームとしてそういったところを詰めていくことが、要求されるのではないでしょうか。
しかし、田口は非常に精度の高いキックを見せていますし、あわやゴールといったシーンを演出しています。
オフサイドにはなったので課題も残りますが、3人もの選手がゴールに飛び込んでいった姿勢という部分は買いたいところもあります。
風間が走り込まず、佐々木がぎりぎりのところでオンサイドに残っていれば、1点というシーンでした。
また、先週も取り上げましたが、呉屋の迎えたビックチャンスも、田口が起点となって攻撃を作っています。
後方からパスを繋いでいき、高橋からのパスを受けた田口は、ロングスルーパスで田中を走らせます。
そこから田中が裏を取ってクロスを上げ、決定機を作ったわけですが、田口がダイレクトで精度の高い裏へのパスを出せていなければ、相手の裏を突けなかったし、チャンスにはなっていなかったはずです。
ここも非常にクオリティの高い、プレーだったと思います。
さらに28分にもゴール正面、ペナルティエリア手前で得たFKを直接狙いますが、ゴールの左にそれています。
最終節でポストに直撃した田口の直接FKを思い出すような、コントロールショットだったと思います。
また、87分にも左サイドからのCKを田口がニアへ蹴り、鈴木大輔がすらして佐々木がシュートを放つ惜しいシーンを作っており、こちらもサインプレーだったのかもしれません。
こうやって振り返ると、田口が多数のチャンスに絡んでいることがわかります。
しかも、プレースキックのキッカーだけでなく、流れの中からも攻撃のタクトを振るっていたことになります。
改めて、このチームにおける田口の重要性というか、存在感の高さを感じた試合だったと思います。
それ等がゴールに直接つながらなかったのは残念ですが、今季は前への圧力を重視しスピードやスタミナ系の選手が多かった。
その中で守備も出来てパスも出せる田口の価値と言うのは、非常に大きいものだと思います。
来季もチームの中心人物として、頑張ってほしいところですね。