新井章太編でも話したように、今年も制守護神としてスタートした新井章太は、第24節大宮戦のミスもあってポジションを失います。
続く金沢戦からレギュラーとしてプレーしたのが、鈴木椋大だったことになります。
2019年からジェフでプレーしているGK鈴木は、これまでも第2GKとしてチームを支えていました。
今年も第4節秋田戦の試合中にGK新井が負傷中すると、GK鈴木が途中出場を果たし続く第5節大分戦でもスタメン出場しています。
今回の金沢戦での出場は、その大分戦以来となります。
GK鈴木は2019年にレンタルでG大阪から加入していますが、2019年と言えばエスナイデル監督が早々に解任され、江尻監督が指揮を執った年。
佐藤優也とのポジション争いの中で、一時はレギュラーでプレーし、この年は16試合に出場します。
しかし、翌年にはGK新井が加入したこともあって出場機会はなく、今回のまとまった出場機会はその2019年以来となります。
金沢戦で出場した鈴木は、その試合からファインセーブを見せるなど活躍。
特に試合出場当初は素晴らしいシュートストップを見せるなど、目立ったプレーを見せていました。
ただ、ミドルシュートへの反応は若干怪しい印象もありましたし、ビルドアップにおいても徐々に改善していきはしましたが、ミスも目立ってGK新井ほど相手を引き付けるパスワークは展開出来ていなかったようにも思います。
GK鈴木自身もスタメン起用された初戦である金沢戦の後に、GK新井に対し「まだまだ及ばないところがある」、「実力でピッチに立てたわけではない」と話しています。
「GKは失点が目立つけど、これまでGK新井がどれだけ止めてくれたんだという思いもある」とも話しており、GK新井への批判も知った上で反論してくれたのでしょう。
実際、ネット上でGK新井ばかりが矢面に立たされていたのは、私も違和感を覚えていました。
ただ、そういったGK新井の真面目なメンタリティも含めて、レギュラーに選ばれていったところがあるのかなと思います。
また、GK鈴木の安定感というか、リスキーなプレーが少ないところも評価されたのではないでしょうか。
基本的に2023年のジェフはアグレッシブで、1つのミスで大きなピンチに繋がりかねない部分もありましたが、それを穴埋めするために落ち着きのあるキーパーが必要だったのかもしれません。
そうはいっても、本来はGKも含めて攻撃が作れて、ボールを繋げる選手が欲しいチームスタイルだったはず。
そういった意味では、どちらかといえばGK新井の方が向いていて、GK鈴木の方が苦手なところがあったのではないかと思うのですが、最終的にはバランスで選ばれたということでしょうか。
チーム全体が攻撃的になったことによって、結果的にGKに関してはどっしりと構えるタイプが欲しかったということなのかもしれません。
理想で言えば、安定感もあって、攻撃にも絡むことが出来るキーパーが欲しいところでしょう。
これに関しては、今オフの補強ポイントを語ったYoutubeでもお話ししていました。
そういった狙いで獲得となったのが、新潟から加入したGK藤田ということになるでしょう。
ただ、上記の通り、GK新井も攻撃面で貢献しようとしたことで、結果的にミスも出てスタメンを外れた経緯もある。
結局GKはバランスや落ち着きを重視してGK鈴木を選ぶこともあるかもしれませんから、全員が残れば誰が出場するかわからない状況となるのかもしれません。
GK鈴木の2023年のスタメン出場は19試合で、GK新井は23試合。
ほぼ半分を分け合った形になりますが、2人が残って藤田も加わるとなれば、さらにレベルの高いポジション争いを期待したいですね。