鈴木大輔はキャプテンとしてCBで活躍。
出場停止の2試合を除いた、全40試合にスタメン出場。
40試合出場は、見木に次ぐ二番目の成績となります。
2023年のジェフは前年以上にビルドアップを重視するチームになったことで、鈴木大輔の本領が発揮できたのではないかと思います。
鈴木大輔は短中長距離のパスをテンポよく出せて、左右広角に散らすことが出来る選手。
ビルドアップの幅が広く、攻撃のリズムを作り出せるCBだと思います。
特にワイドに開いた味方選手の足元に、中央からスッと通すパスは美しく、パスセンスを感じるところだと思います。
また、右利きながら左右両足でボールを扱えることも大きく、汎用性が高い選手ですね。
開幕時も4バックや3バックの左CBとしてスタートし、シーズン途中からは右CBに移っているように左右CBをこなせるところも重要だと思います。
スピードに難ありと言われることもありますが、過去にジェフが獲得したベテランCBよりは、相手に振り切られるシーンが少ないようにも思います。
しっかりとラインも高く保てていることは、アグレッシブな今季のスタイルにおいて重要だと思いますし、ライン統率能力も高いと思います。
クロスボールも跳ね返すことの出来る総合力の高いCBだと思いますが、スピード問題よりも時折見せるポカを減らすことが大事なのかもしれません。
2022年の鈴木大輔は20試合しか出場できていませんでしたが、これは怪我やコロナなどによる影響だと思われていました。
33歳のベテランということで今季もコンディションが心配だったのですが、一度も離脱することなくシーズンを残り越えることが出来ました。
これが、前年とは一番異なる部分とすら言えるでしょう。
2023年キャプテン就任時は長めの文章をクラブ公式サイトに寄せており、周囲に向けてメッセージを発信できるリーダーシップを感じました。
新チームのテーマである「一体感」、「挑戦」に関しても触れていて、協調性の高さも見て取れます。
それだけ準備段階から新チームの方向性などに対して、可能性を感じていたとも言えるのかも知れません。
ピッチ上でも泥臭いプレーが多く、本来はジェフサポに好かれる要素を持った選手だと思います。
どこか天然な性格も含めて、歴代ジェフの主軸選手に近いところがあるのではないでしょうか。
ただ、ジェフに加入してから2022年までの2年間はチームも含めてパッとしないところがあり、周囲の信頼を勝ち取り切れていないところがあったのかなと思います。
やはり第一印象というのは、なかなか変わらないところがあるのかもしれません。
しかし、それでも今季は十分に、キャプテンとしてチームを引っ張る活躍を見せてくれたと思います。
能力的な部分で見れば、田口、鈴木大輔が軸として頑張れているうちに、J1昇格を果たしたいところではないかと思います。
年齢的に見ても、二人は決して残りのチャンスが多いわけではないでしょう。
来季は勝負の1年になるのではないでしょうか。