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2023シーズンを振り返る スピードに難ありも高さがあるレフティーのCBメンデス

 2023年はジェフとしては異例となる、外国籍選手なしでスタートしました。
 予算の問題も大きかったのではないかと思うのですが、5月に前年は京都でプレーしていたメンデスを獲得。
 すでに契約満了となっていたので比較的安価で獲得できたのかもしれませんし、田邉が3月に川崎に復帰してしまったこともあって穴埋めする必要があったのではないでしょうか。

 しかし、ジェフに加入したものの、シーズン中頃までは試合出場はおろかベンチにも入れず。
 それでも9月3日の第33節熊本戦で佐々木の負傷もあってベンチ入りを果たすと、その試合の終盤に途中出場でジェフデビュー。
 9月23日の第36節仙台戦では鈴木大輔の2試合出場停止もあって、ジェフで初スタメンも果たしています。


 シーズン終盤には、メンデスが途中投入で起用されるパターンが定番となっていきました。
 交代相手は日高になることが多く、メンデスが左CBに入って佐々木が左SBに移る形をとっていましたが、これは日高の高さの部分を懸念したのか、日高にコンディションの問題もあったのでしょうか。
 プレーオフ東京V戦でも76分から、試合出場を果たしています。

 メンデスは190cmと高さがあって、カバーリングも期待できる選手。
 高さがあると広範囲のボールを跳ね返すことが出来るし、スタメン出場した第37節岡山戦ではCKからヘディングシュートを叩きこんでいるように、攻守のセットプレーでも貢献していきました。

 さらに左足でボールを蹴ることが出来るCBということで、重宝された部分が大きいのではないでしょうか。 

 左効きのCBを左CBに置ければ、逆サイドから来たボールをスムーズに左サイドへ展開することが出来るし、左前方へストレート系のフィードも期待できる。
 さらに中央から相手のプレスを受けた時にも左足で回避できるなどのメリットもあって、パスサッカーを志向する監督は左利きのCBを好むことが多い印象があります。
 小林監督もそうだったのでしょうし、メンデスは最低限のテクニックも持ち合わせたCBだと思います。

 シーズンインした後ではありましたが、そのあたりも考えてメンデスの獲得に至ったのではないかと思います。
 実際、左利きで高さのあるCBということで戦力になっていった部分もありましたし、離脱者や出場停止もあってメンデスしかいない状況も生まれたわけですから、コスパに関してはわかりませんが、補強しておいて良かった選手だったと思います。
 もしメンデスがいなければ久保庭や谷田など、学生選手を起用せざるを得ない状況となっていたかもしれません。


 とはいえ、メンデスには課題も少なくはなかった。
 重心移動ももう一つでスピードもないので、前に潰しにいった後の戻しも遅かったし、深く守りがちでラインが下がる傾向もあったと思います。
 さらに、相手のスピードある縦への仕掛けに対して、粘り強くついていくという動きも得意ではなかった。

 シーズン終盤に関しては十分貢献もしてくれたと思うし、役割も果たしてくれたとも思いますが、来季さらにチームがステップアップするという点においては、正直物足りなさを感じていました。
 しかし、ジェフは先日、メンデスの契約更新を発表しています。

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 今年加入したメンデスですから、単純に契約が残っていた可能性もあるのでしょう。
 しかし、もしJ1にジェフが昇格出来ていたら左CBや右SBなどは、もっとがっつりとした主力候補を補強して、レベルアップを狙っていたのかなとも思います。
 見木が東京Vに引き抜かれたことも含めて、明暗を感じる部分がありますね。

 さらに高木も契約更新となりましたが、メンデスや高木はチーム残留の当確線上にいた選手たちではないかと思います。
 選手の残留方向は心情的には嬉しい部分もありますが、チームとしては新陳代謝を図らなければ伸びしろの面で不安も出てくる。
 特に2023年終盤はチームとして1つの形が出来ていたからこそ、変化も期待しなければいけないオフだったようにも思うので、その点で少し心配な部分も出てきた気がします。

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 このあたりもJ1昇格に失敗したことで、予算面の増加が期待できなかったのかもしれません。
 新戦力獲得にはそれなりのコストもかかるはずですから、自業自得というか、仕方のない部分もあるのでしょう。


 前向きに考えるとすれば、まだメンデスが28歳ということでここから円熟味を増していく可能性もあるかもしれません。
 特にCBは経験が大事なポジションでもあると思いますし、性格的にも真面目な選手に思えます。
 必要なタイプのCBであることには間違いないですから、課題を少しずつでも埋めてより計算できる選手になってほしいところ。

 さらにまだ23歳と若い佐々木を育てるという意味では、蓋をするような補強をするよりはライバルとして計算できるメンデスの方が良かったのかもしれません。
 J1に昇格していたらポジション柄、そんなことも言っていられないだろうなとも思っていたのですが、来季もJ2ということで若手選手の成長を優先した可能性もあるのかもしれません。
 メンデスも2023年後半の経験も生かして、更なる成長を期待したいところではないでしょうか。