水戸にレンタル移籍していたジェフのブワニカが、いわきへ完全移籍することになりました。
ある程度覚悟していたとはいえ、年末に寂しいニュースが入ってきましたね。
ブワニカは修徳高から、強化指定を経て2021年にジェフへ加入。
高卒新人ながら、第1節甲府戦から途中出場を果たし、ゴールを決めるという鮮烈なジェフデビューを果たします。
この活躍もあって、第2節愛媛戦では2トップの一角としてスタメン出場も経験しました。
しかし、その後は成績が伸びず、1年目は15試合出場1ゴールで終了。
2年目は怪我やコロナの影響で離脱者が多かったこともあって、3‐6‐1のシャドーでのプレーも増え、25試合に出場し5ゴールと成績を伸ばします。
1年目も練習では右サイドなどでプレーしており、その経験も活きたいのではないでしょうか。
そして、2023年も小林監督新体制となったジェフでスタート。
シーズン序盤は途中出場が多かったですが、第10節東京V戦からはスタメンにも選ばれます。
しかし、この間は小森などが負傷中で、小森が復帰すると徐々に出番がなくなっていきました。
結局、ジェフでは16試合2ゴールで、8月に水戸へレンタル移籍。
水戸では途中からスタメンの座を勝ち取り、9試合出場1ゴールという成績でした。
最後は第40節藤枝戦で負傷交代して、シーズンを終えています。
ブワニカは186cmの恵まれた体格を持っており、縦へスピードがあって、跳躍力もあり、ダイナミックなプレーが期待できる選手。
前を向いた時の推進力があるので、シャドーなど2列目でも試されていたのでしょう。
明るく真面目な性格なので、守備にもしっかりと入ろうという意識を感じます。
ただ、細かなプレーはあまり得意ではなく、クロスは意外とうまい印象もありますが、ボールを捌く部分に課題が残る。
また、プレスにも懸命に行きますが、継続して2度追い、3度追いをし続けるという点でも、成長しなければいけない部分があると思います。
スタミナ面も課題で2023年もジェフと水戸をあわせて13試合にスタメンしていますが、フル出場は1試合のみだったそうです。
今季のジェフはハイプレスでスタートしましたが、シーズン序盤の苦戦が続いたところで、ブワニカがスタメン起用されていきました。
そういった逆風もあってチームとして引いて守る形を取った部分も大きかったとは思うのですが、ブワニカが前線だとプレスが徐々に弱まり全体が下がってしまう傾向も見受けられた。
小林監督が就任してからのジェフは、前線からのプレスがベースとなっているところがあり、そこが出来ないと厳しいところがある。
加えて、1トップにもボールを引き出す、裏へ飛び出す、小さく繋ぐといった、細かな仕事を求められていると思います。
その点で、ブワニカは厳しいところがあったのでしょう。
それでも前への爆発力はある選手ですし、途中出場からの起用にも応えられる選手ですから、その点でソロモンよりもブワニカが残ったということなのかなと思っていました。
しかし、シーズンを経てチームの完成度が上がった結果、それぞれのポジションのタスクが明確になっていった。
それによって、ブワニカの立場がなくなっていったように見えました。
イメージ的には、オナイウも思い出すような選手だと思います。
まだ粗削りではありますが、身体能力が高くポテンシャルを感じる選手ですから、今後化ける可能性は十分あるでしょう。
ジェフが違うスタイルを選んでいたらまだやれる可能性もあったと思いますが、タイミングというものも大きいのでしょう。
かといって、ジェフとしては小林監督の現スタイルで軌道に乗りかけているからこそ、このスタイルを簡単に手放すという未来予想はしたくない。
再レンタルをしてブワニカを維持することも可能だったのかもしれませんが、だらだらと保険をかけるような関係を続けるよりは、スパッと新たな道を選んだ方がお互いのためになるという判断なのかもしれません。
そう考えていくとソロモンも現スタイルへのフィットは怪しく去就が心配ですが、Youtubeで話した通りソロモンに関しては小林監督が監督として直接見た経験はないだけに、まだ残留の可能性もあるのでしょうか。
ブワニカに関しては今年半年プレーした上で判断されたということを考えると、これがベストということなのでしょう。
残念ではありますが、いわきの方がスタイルには合っているのかもしれませんし、新天地で頑張ってほしいと思います。