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2023シーズンを振り返る 高精度の左足のキックで活躍したCB佐々木翔悟

 2022年夏に全治半年以上の大怪我を負っていた佐々木ですが、2023年シーズン後半には左CBのレギュラーとしてプレー。
 21試合出場は2021年J3岩手で記録した17試合出場を上回るキャリア最多出場で、第37節仙台戦ではプロ初ゴールもマークしています。
 ジェフ初年度となる前年にも14試合に出場していましたが、その時はコロナなどによる離脱者の影響が大きかったと思いますし、実力でポジションを掴んだ2023年は、佐々木にとって飛躍の年になったと言っていいのではないでしょうか。

 2023年は開幕前からCBと左SBが薄く、佐々木に期待が高まる状況ではないかという話をしていました。
 しかし、今季の佐々木は予想以上の活躍だったと思います。

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共に層の薄いCB、左SBでプレーできる佐々木の成長が、カギを握るのかなとも思います。

 佐々木は非常に左足でのロングキックの精度が高く、後方から一発でチャンスを作ることが出来る。
 特に2023年のジェフはショートパスで相手を後方に引き付けておいて、ロングパスで裏を狙う攻撃が狙いの1つとなっていただけに、佐々木のロングパスは良いアクセントになっていましたね。
 カウンター時などにおける、鋭い縦パスなども佐々木の魅力だと思います。

 また、守備に関しては前年から感じてはいましたが、カバーリング能力が高いタイプと言えるのではないかと思います。
 さらに184cmと身長もあるので高さもあって、攻撃時にセットプレーのターゲットにもなることも多かったですね。
 SBでの起用時には積極的な攻撃参加なども見られ、日高とはタイプが異なるものの、クロスの質などに可能性を感じました。


 ただ、まだまだ成長すべきところのある選手でもあると思います。
 裏への対応やドリブルに対しては怪しいところがあり、細かな動きに課題があるのかなと思います。
 また、SB起用時などには前へ寄せにいく反応が遅れる場面などもあり、地上戦での局面の守備に不安がある印象です。

 プレーオフでも森田をフリーにしてヘディングシュートを放たれ、2失点目を喫してしまったシーンは記憶に新しいところ。
 前方にいた染野を意識しすぎて佐々木が前に出てしまい、背後の森田をぽっかりと空けてしまいました。
 森田は2列目から飛び出してきたためマークを捕まえきれなかった形にはなるのでしょうが、身長で言えば佐々木の方が上なわけで、ポジショニングさえ間違えなければやられなかった展開だと思います。


 また、攻撃時においても、細かな繫ぎに関しては、ミスも少なくなかったと思います。
 相手にパスを引っ掛けてボールを失い、ピンチを迎えるシーンも目立ちました。
 勝負の縦パスを狙うためにも、組み立てのパスも丁寧に出して、縦パスを入れる判断力などを高めていく必要があるのではないかと思います。

 攻守において、鈴木大輔のフォローも大きかったと思います。
 鈴木大輔がシンプルにパスを出すことで佐々木の鋭いロングパスも活きたし、ラインもコントロールできた。
 佐々木とメンデスの2人でCBを組んだ時にはポジショニングなどが怪しい部分もありましたし、鈴木大輔が横についていることで佐々木も活きたところがあったのではないでしょうか。


 とはいえ、佐々木のロングキックは、日本でもなかなか見ないレベルではないかと思います。
 特に地上戦の対応をレベルアップできれば、J1でも十分戦える選手になるのではないでしょうか。
 まだ23歳と将来も有望ですし、来季さらにもう一段成長できれば、他チームからのオファーも出てくるかもしれません。

 個人昇格などが起きないようにするためにも、来季こそはJ1昇格を果たしたいところですね。
 そのためにも佐々木には穴を減らしてもらって、より安定感のあるCBになれるよう頑張ってほしいと思います。